fc2ブログ

One to Go

和書・マンガの評価と感想の記録。

[漫画の感想] 南Q阿伝(1)


日本古来の神々は「荒神」と化し、天変地異を引き起こしていた。
高校生・神田太郎は、神族・南久阿の眷属として、
「荒神」を鎮め、正体不明の侵略者を斃すことに……。
その戦いの果てに待つものとは、いったい何か!?(Amazon)

ちょっと心待ちにしてました。
「怪物王女」のスピンオフシリーズというべき「南Q阿伝」。
この作者の書く,少し笑いありのホラーって結構私のツボはまってます。

「怪物王女」の登場人物の1人である,南久阿が主人公となる本シリーズ。
ちなみに南久阿というのは,クトゥルフ神話のアトラク=ナクアからきているようです。
それを受け入れているこの世界の信仰を問いたくなるが,
日本の八百万の神というのは,本当いい加減というか,良い塩梅というか。
邪神もなんでもござれという感じにさせてしまってるんだよね。
本当に蜘蛛神信仰ってあるみたいだし。

一神教の世界でも神様って全知全能な存在だけど,無茶苦茶なことやりまくってるのに,
それでも神様を信じるって,信仰心のなせる御業なのか。
日本は多神教だけど,菅原道真みたいに怨霊から神様になったものもいるけど,
神様ってのは,ほんと風見鶏のようにクルクルクルクル気分の変わる人だと読んでいて思ったりしてる。
それとも,それを受け入れている人間というのがすごいのか。

この作者は,他にも多くのホラー漫画を出している。
物語を書く人にとって,自分の作り出した世界観がすべて繋がるようにしようというのは,
作者にとって一つの夢の到達点なのかもしれない。
それにはまとめ上げる力量が少なからず必要になるが,
怪物王女の登場人物なんかが本書に出てきたりとかの展開も密かに期待している。

●ホラーに美少女はかかせない
八百万の神,そんな神様の中に美少女がいてもいいんじゃないのか,
という体で楽しめるのが,ホラー萌えとでもいうべきものなんだろうか。
ホラーものって,たいてい美少女・美女がいないと楽しめないという
心のツボを心得ているのは本当分かっているなと思う。
あれは何なんだろうか。
吊り橋効果のようなものなのか。

怪物王女では,結構怖かった南久阿が本書では,
そういうのがまったくないので,結構楽しむことができる。
怪物王女の時みたいに,生け贄とか求めたりしないし,今のところは平穏だ。
・・・邪神なんだけど。

ちょっと疑問に思ったんだけど,
この物語の敵となる渡来神ってのは
日本以外の外国から来た神々を指すのだろうか。
それとも別の世界から来た存在を指すのだろうか,
そこら辺も,またこの物語を楽しむ上で明かされていくだろう。

ホラーも嫌いじゃないないんだけど,
最近の映画のホラーは本当に怖すぎて,ちょっと手を出しにくいってのが心情。
これくらいのホラー感が私にはちょうどいいかな。

ちなみの南久阿はクモの神様なので,そこはあしからず。
私はクモは嫌いじゃないので,家の中で見かけてもほっとくタイプです。

a0001_002396.jpg

☆☆☆☆

関連記事

  1. 2012/11/10(土) 23:23:00|
  2. 漫画 ☆☆☆☆
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:8
<<[漫画の感想] めしばな刑事(デカ) タチバナ 7 | ホーム | [本の感想] 100年の難問はなぜ解けたのか―天才数学者の光と影>>

コメント

日本と言う国に多くの信仰があるという意味で書かれていらっしゃるかもですが日本神道自体は多神教でなくて汎神教ではないかと…。
あんまり本文に関係ないことですみませんがちょっと気になったので^^;
  1. 2012/11/11(日) 00:02:33 |
  2. URL |
  3. まつ毛 #d.exg1Mk
  4. [ 編集 ]

やっぱり、何らかのかたちで“神話”、“伝説”になぞらえないと「お話」自体が成立しませんからね。
  1. 2012/11/11(日) 18:37:49 |
  2. URL |
  3. めんどくせぇことばかり #-
  4. [ 編集 ]

面白そうっ!!!
と、思いましたが、自分がホラーがダメなことを思い出しました(´Д`;)
また、面白そうな本お待ちしてます(`・ω・´)←
  1. 2012/11/11(日) 22:45:44 |
  2. URL |
  3. 舞 #-
  4. [ 編集 ]

面白そう…機会があれば読んでみようと思います‼
確かにホラーには美少女は付きものですよね、しかも黒髪ロングなキャラなイメージが多い気がします。
  1. 2012/11/12(月) 04:51:31 |
  2. URL |
  3. しとろん #-
  4. [ 編集 ]

Re: タイトルなし

> 日本と言う国に多くの信仰があるという意味で書かれていらっしゃるかもですが日本神道自体は多神教でなくて汎神教ではないかと…。
> あんまり本文に関係ないことですみませんがちょっと気になったので^^;

まつ毛さん コメありがとうございます

汎神教という言葉,はじめて聞きました。
一神教と多神教というは,二元論的な考え方だと思ってました。

辞書やウィキで調べてみると,考え自体が相反するものが多くて判断しづらいですね。
汎神論でいうと,すべては神の現れということは,
この神という概念が現人神や他の神も,神という概念でひとまとめにしているのか。
神道に存在する神は多くいて,階級みたいなものがあるけど,すべてが神であるということなのかな。

識者の中でも,色んな意見の対立があってこういうの面白いですね。
  1. 2012/11/12(月) 11:31:34 |
  2. URL |
  3. ヒメキリン #-
  4. [ 編集 ]

Re: タイトルなし

> やっぱり、何らかのかたちで“神話”、“伝説”になぞらえないと「お話」自体が成立しませんからね。

めんどくせぇことばかりさん コメありがとうございます

既存の考えを利用したほうが,みんな知ってるんで説明を省くことができて便利ですからね!
  1. 2012/11/12(月) 11:32:35 |
  2. URL |
  3. ヒメキリン #-
  4. [ 編集 ]

Re: タイトルなし

> 面白そうっ!!!
> と、思いましたが、自分がホラーがダメなことを思い出しました(´Д`;)
> また、面白そうな本お待ちしてます(`・ω・´)←

舞さん コメありがとうございます

そんなに怖くないとは思いますよ。
こういう怖くないホラーってのいいもんです。

というか少女向けコミックのやつとか怖すぎです。
  1. 2012/11/12(月) 11:34:03 |
  2. URL |
  3. ヒメキリン #-
  4. [ 編集 ]

Re: タイトルなし

> 面白そう…機会があれば読んでみようと思います‼
> 確かにホラーには美少女は付きものですよね、しかも黒髪ロングなキャラなイメージが多い気がします。

しとろんさん コメありがとうございます

女性のでないホラーって,炭酸の抜けたコーラみたいですよねw。
黒髪ロングって,日本らしさが出ていたいいですよね。
私の周りでは全然見ないんですが。
  1. 2012/11/12(月) 11:40:23 |
  2. URL |
  3. ヒメキリン #-
  4. [ 編集 ]

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
http://kiironokirinn.blog77.fc2.com/tb.php/306-ecc1a9cb
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

プロフィール

ブログはコチラ(現在休止中)で。

ヒメキリン

Author:ヒメキリン
高知在住・読書している20代。
本は図書館で借りるのが多いです。

検索フォーム

最新記事

カテゴリ

読んだ本・マンガは,下記の「~のリスト」にリンク貼っています。参考にしてください。

評価について (2)
読んだ本のリスト (1)
読書メモ (18)
本 ☆☆☆☆☆ (12)
本 ☆☆☆☆ (100)
本 ☆☆☆ (83)
本 ☆☆ (8)
本 ☆ (0)
読んだマンガのリスト (1)
漫画 ☆☆☆☆☆ (8)
漫画 ☆☆☆☆ (36)
漫画 ☆☆☆ (14)
漫画 ☆☆ (3)
漫画 ☆ (0)
酒の評価について (1)
酒のリスト (1)
酒 ◎ (8)
酒 ◯ (12)
酒 △ (2)
PC・ガジェット (10)
メモ・日記 (311)
DVD・TV・映画 (70)
ゲーム (7)
未分類 (0)

カレンダー

11 | 2024/12 | 01
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -

月別アーカイブ

全記事表示リンク

全ての記事を表示する

RSSリンクの表示

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

ブログランキング

よければクリックしてください。


高知県 ブログランキングへ

運営の方からポイントを振り分けて欲しいとの 連絡があったので,本のカテゴリにも登録しました。
にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ
にほんブログ村
にほんブログ村 地域生活(街) 四国ブログ 高知県情報へ
にほんブログ村

アクセスランク

相互リンクとブロともに関して

3ヶ月以上更新がないブログは,相互リンク・ブロともともに一度解除させてもらう場合があります。ご了承ください。再開した時は,もう一度申請してくれれば受け付けます。

リンク

このブログをリンクに追加する

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

◯◯◯

バイトサイト

スポンサードリンク