One to Go

奇妙なニックネームで呼び合う4人の男たち。なんの縁もなかった彼らの共通項は“殺意”。どうしても殺したい相手がいる、それだけで結託した彼らは、交換殺人を目論む。誰が誰のターゲットを殺すのか。それを決めるのはたった4枚のカード。粛々と進められる計画に、法月警視と綸太郎のコンビが挑む。

”王道”この言葉がしっくりする
これで今年度の本格ミステリ大賞候補（小説部門）を読破した。
その中で一番ど真ん中をいったんじゃないかな。

タイトル”キングを探せ”まあ字面をおうなら
そのとおりキングを探す物語なのだろう。
表紙にもこれまた親切に4枚のトランプの絵柄が。
これはいい意味で裏切られた。

4名の交換殺人が「コロンボ」「古畑」ばりの倒叙的物語として展開する。
犯行もある程度語られている。つまり手の内をある程度見せてしまっているのである。
ならば後はどこに作者の腕を見せるかと言えばもちろん"交換殺人"になっている。
かかってこいと言わんばかりの堂々とした物語。
これすなわち王道といわずしてなんという。

そして私は作者の手の中でもてあそばれる運命に。
犯人たちの機転，それを見逃さない法月綸太郎。
法月綸太郎の推理の心強さは，先に述べた倒叙的物語の主人公のようだ。
彼らより意地がわるくないが，粘り強いさがなかなか。
もうすこし犯人もがんばって欲しかったが，ここまで追い詰められたらね。

☆☆☆

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1. 2012/05/11(金) 21:09:34|
2. 本　☆☆☆
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