【生命保険について】
これまで生命保険(死亡保障や)は、残された家族への贈り物的なイメージ
を持っていました。
(個人投資家界隈では、生命保険不要説も囁かれていますが、それは
個々人の状況によるものだと思いますので、個人的には必要なもの
であるとは思っています。)
今回の相続手続きをする中で、祖父が取引先の金融機関で一時払
死亡保険を複数契約しており、遺産分割協議を経ることなく、保険金
受取人へ支払をすることが出来たのは、非常に良かったと感じました。
(単にお金を引き継ぐだけではなく、請求手続きをすれば支払われる
という安心感がありました。)
(祖父は生前、投資信託や変額年金などでの運用をしていた
ようですが、ある程度の年齢になり、それらを解約して一時払
死亡保険を金融機関の窓口で契約していたようです。)
相続が発生した際には、死亡診断書と本人確認書類等(他には
印鑑証明書が必要な場合も)で保険金受取人が手続きをすれば、
直ぐに支払を受けられるは、まさに安心感がありました。
(今回は遺産分割協議でもめることはありませんでしたが、もめて
しまった場合、金融機関からの資金引き出し等が制限され、生活に
影響が出る可能性も否定できないと感じました。)
もっとも、生命保険会社の信用リスク(生命保険会社が破綻した場合には
払込保険料の全額が保証されない場合があります。
詳しくはこちらを)、
それらを運用していた場合に得られるであろう利益が得られない等のデメリットも
ありますが、高齢者の場合には、それらよりもメリットが上回ると感じました。
高齢者自ら一時払死亡保険を加入したいと申し出ると、金融機関から
別な商品を勧められる可能性は多少あるような気もしますので、心配
であればご両親等の申込時に立ち会うなどが必要かもしれません。
【補足】
※今回は受取人である祖母も同時期に体調を崩し入院していたため、
意思確認や手続き書類への記載が難しい場面もありましたが、それぞれの
生命保険会社の請求手続きのためにコールセンターへ連絡し、事情を説明
することで、ある保険会社では電話を祖母に代わり本人確認と意思確認したり、
また別な保険会社では保険会社の社員(当該契約の募集人ではない)が
病院まで来られて面前で本人確認や意思確認をして、その後の書類記入を
代筆者が代筆するなどして、手続きを完了することが出来ました。
※銀行窓販での契約だったため、日系生保会社によくいる生保レディー
のような募集人は存在せず、販売銀行からの定期的なフォロー等は
なかったようです。(生命保険会社からは、年に1度契約内容のお知らせの
書面が郵送されてきていました。)
※昨今生命保険会社では、契約者本人が意思表示が難しい状況となった
場合には、その手続きを代理人が出来る指定代理人特約などを設けている
ことが多くなっていますが、今回感じたのは、保険金受取人が意思表示が
難しい場合に備え、保険金請求手続きを予め指定した代理人が出来るように
しておく特約も開発されたら良いのではないか?と感じました。
(受取人は保険契約者がいつでも変更出来るため、流動的であることから
馴染まないとか、保険法や契約に関する法令や保険商品許認可の問題で
実現できないのかもしれませんが、そのあたりの、詳しい事情は不明です。)
【全体を通しての感想】
一定の知識があり、かつ時間と手間を惜しまなければ、ある程度は自分で
対応することができることを実感しました。
(平日日中に電話したり、窓口を訪問する必要があります。)
金融資産が各金融機関に分散していると何店舗も訪問する必要が
ありますので、今回の件を受けて、私自身は金融機関数を減らして
使わない口座は解約しました。また地方にしか支店がない金融機関の場合、
そこまで出向く必要が生じる可能性があるため、全国規模の金融機関に
限定するようにしました。
全国に支店のある金融機関であれば、どこの有人支店でも対応してもらえると思います。
なお、今回信託銀行もあったのですが、相続のプロである信託銀行の行員であっても、
書類確認等は相続の集中センターに書類を回送して対応しているようで、業務効率化の
一環であるとは思いますが、金融機関にとっては面倒な手続きなんだろうと感じました。