うえきの法則_TV51

第51話「空白の才の法則」

2005年04月の放送開始から見始め、書き続けてきた「うえきの法則」感想ブログもいよいよ最後。この1年間の集大成、最終回「空白の才の法則」を持って終了です。
思い起こしてみると、「エコがテーマの鋼の錬金術師」ね・・・と気楽に見ていた最初の頃(当時の感想は十数行)が嘘のように、放送を重ねるごとに視聴者の心を熱く掴んでいくアニメとなりました。
これで最終回かと思うと、見るのが少しためらわれるほど寂しい気持ちもわいてきますが、どうやら原作は「うえきの法則+」として(不安定な連載、現在は休載中?ながらも)未だ続いている様子。また次回、アニメ化されることを期待しつつ、「うえきの法則」最終回を見ていきたいと思います。

「植木耕助」VS「アノン」による能力者バトルの最終決戦。互いに死力を尽くした戦いも、十つ星神器「魔王」を「植木」が使いこなせるようになったとき、彼の勝利が見えてきたかのように思えました・・・が。
「Great!・・・僕と互角に渡り合えたのは、君が初めてだよ。・・・ご褒美をあげる」
体内に取り込んでいた「ロベルト・ハイドン」を「アノン」が手放したことにより状況は一変。「アノン」は能力者としての資格を失い、定義上は一般人へとその性質を変えてしまいます。
「わかるよね・・・君はもうこれで『才』の数しか僕を傷つけられない。・・・さて、君の『才』は残りいくつかな?」
「植木耕助」の残り「才」は18、そして、残り「魔王」数はわずか1発・・・。しかし、それでも彼は「アノン」を倒すしか道は残されていません。
『残りの「才」数がいくつだろうが、やるしかない・・・やるしかないんだ!』

完全に「植木」の「才」数を把握している「アノン」。彼は飛行神器「花鳥風月(セイクー)」を巧みに操り、服をかすらせる程度で「植木」の攻撃を受け流します。
『アノンがセイクーを使う限り、致命傷は与えられない』
次なる手を考える「植木」ですが、その前に「セイクー」を閉じて、ゆっくりと地上へと降りていく「アノン」。
チャンス!?・・・と一つ星の神器「鉄(くろがね)」を撃ち放す「植木」ですが、これこそ「アノン」が考え出した巧妙な作戦。彼は「くろがね」を五つ星神器「百鬼夜行(ピック)」で打ち砕くと、すぐに神器を仕舞いこみ、砕け散った「くろがね」の破片をわざとその身に受けていきます。
「・・・16、15、14・・・8、7、6、5・・・残り4個」

あっという間に「4」までその数を減らされてしまった「植木」。うち1発は「魔王」に取っておくとなると、通常攻撃はわずか3発!
※まんまと「アノン」の作戦に引っかかってしまった「植木」。ほくそ笑む彼の表情が物語るように、戦いの主導権を「アノン」へ握られてしまいました。(>_<)。

「もう、君に勝機などないっ!」
再び「セイクー」で舞い上がる「アノン」に対して「ピック」を放つ「植木」。しかしこれも最初の攻撃同様、服をかすらせて彼の「才」を減らすばかり。
『一瞬、一瞬でいい・・・こいつの動きを止められれば・・・』
それならばと、体をかわした「アノン」に対して即座に「くろがね」を放つ「植木」。体勢が崩れたままの「アノン」は神器を出して防ぐしか無く、一瞬でも動きが止められるとの判断ですが・・・。

「くっ・・・惜しかったね植木くん。これで残りの『才』は2個だよ・・・」
崩れた体勢のまま強引に「くろがね」を避けた「アノン」。その口調には余裕が伺えますが、「植木」は彼の避け方に疑問を憶えます。
『・・・なんでわざわざ神器で防がずに?・・・そうか「防がなかった」のではなく、「防げなかった」んだ!
体内へ「神様」と「ロベルト」を取り込み、神器の同時撃ちを行ってきた「アノン」。しかし、既に「ロベルト」は放出されたため「セイクー」との同時神器使用は不可能になっていたのです。
『だったらある・・・ひとつだけ、あいつの動きを一瞬だけ封じる方法が!・・・けど、そうしたら、もう・・・
残された攻撃回数はたったの「2回」。躊躇する「植木」を見た「アノン」は、その一瞬をついて彼に勢いのついた跳び蹴りを噛まします。踏ん張りも効かず、「道」へと勢いよく叩きつけられる「植木」。
「・・・残念だけど、ここでお別れだよ植木くん。君の考えはわかっている。・・・奴の背後に回ってセイクーごと背中に攻撃、破壊する。そうすれば一瞬奴の動きは封じられ、魔王を喰らわせることができる・・・とね。だけど、その方法が使えたのは、少し前の話。・・・セイクーへの攻撃と魔王、最低でもふたつの『才』を失うことになる。・・・うまくいっても君は消滅してしまうんだよ。それとも、消滅覚悟でやってみるかい?・・・ははっ、ははははっ、あっはははははっ・・・」
「植木」を見下ろし、勝ち誇る「アノン」。彼の笑い声が頭の中に響く中、「植木」は「アノン」もろとも消滅への道を選択しようとしていました。その鬼気迫る表情を哀しそうに見つめる「森あい」。彼女はあらん限りの声で叫びます、「死ぬな!」と。
「・・・あんたの考えていることくらい・・・見え見えなんだから。・・・いつもいつも、自分ひとりでなんとかしようとするな!・・・みんなが助かればそれで良いとか、そんなの・・・そんなのいい加減にしろバカ野郎っ!!・・・ひとりで駄目ならあたしだっている、みんなだっている!・・・あんたはひとりじゃない・・・だから・・・だから・・・消えないでよ・・・
※「森あい」の心の叫び、魂の叫びです。「植木」の持つ正義は「他人を守る」優しい正義、力強い正義。しかし、それを突き詰めて「自己犠牲」へと変わったとき、その行為を決して喜ばない人もいる、犠牲になった「植木」に悲しむ人もいると、彼女は涙ながらに訴えたのです。・゚・(ノД`)・゚・。。

「心配しなくても、植木くんはどうせ・・・もう何もできないよ。けど、念には念をいれておこうかな。・・・魔王は使い手の想いを力にする神器。ならばロベルト同様、その想いを弱めてやれば、その威力も弱くなっていく。・・・君の想いが何か、さっきやっとわかったよ。君の魔王が爆発的に強まったのは、守りたいという想いがあったから。・・・ということはつまり、その守るべき対象を消してしまえば、その力は失われるということだよ。くろがねっ!!」
「植木」と「森あい」の距離、「植木」と自身の距離。彼の助けが間に合わないことを計算してでの「くろがね」射出。避けることのできない必殺の神器が、無防備な「森あい」を襲います。叫ぶ「植木」のなか、負けるものかと目を見開き、歯を食いしばって立ちつくす「森あい」。その眼前に「くろがね」は到達し・・・。
「・・・ちょこざいですわ」
右手一本、手の甲に仕込んだビーズを爆発させ、「くろがね」の軌道を逸らし「森あい」の危機を救ったのは「鈴子・ジェラード」。動けないはずの「鈴子」の救援に驚く「アノン」に、「ブーメランカッター」の刃が襲いかかります。「セイクー」の片羽根を切り裂いたのは、「佐野清一郎」の一撃
でした。
「羽根は取ったで・・・行けっ、植木ぃいいっ!!」
仲間の思い、仲間の行動。「森あい」の言葉に力を与えられたのは「植木耕助」だけではありませんでした。彼らの助力を無駄にしないと「セイクー」で飛び上がった「植木」。彼の最後の「魔王」が「アノン」に向かって牙を剥きます。
「まだセイクーは一枚残っているぞっ!・・・ええいぃっ!」
背中に残された一枚の羽根で回転力を産みだし、「植木」の攻撃を羽根の喪失だけで防いだ「アノン」。無くなったチャンスに俯いて悔しがる「佐野」。
「・・・ふっ、これで魔王は無くなった。そして君の『才』も残りひとつ・・・僕の勝利・・・っ・・・魔王じゃない、ただのくろがね!?」
見開いた目が「恐怖」を伝えます。「アノン」の瞳に映し出されたのは今度こそ「魔王」を掲げた「植木耕助」の姿!

「まさか・・・残りの『才』はひとつ。・・・そんなことをすれば、君が消滅してしまうんだぞ
※「森あい」の言葉に力を貰い、「鈴子」が「アノン」の魔手から「森あい」を守り、「佐野」が創り出したチャンス。これを「植木」が無駄にする男だったら、私たちは最終回まで彼を応援し続けてはいません。

「植木・・・」
---
「泣いても笑っても、明日の四次選考が最後だ。頑張ろう、みんなとあえて良かったって、ちゃんと思えるから」
---
目を開いても思い出すのは、昨晩の語らい。「森あい」が思い出したのは「植木」の言葉。
「ありがとう・・・みんなとあえて良かった。・・・・・・・・・魔王っ!!!」
小さな声でしたが、彼女の耳には届きました。遠い距離でしたが、彼女の目には見えました。笑顔を浮かべ、皆に礼を言いながら、「アノン」に向かって最後の攻撃を振り下ろす「植木」。
「馬鹿なぁああぁっっ!!」
叫ぶ「アノン」の悲鳴の中、「魔王(コバセン)」はその拳を「アノン」へと叩きつけます。そして、真っ白に広がっていく世界・・・

※「植木」・・・・゚・(ノД`)・゚・。

まるで火山の噴煙のように、黒い煙が「道」の前に広がります。無言のまま、その光景を見やる「森あい」。声をかける「佐野」の言葉も彼女の耳には聞こえません。
「・・・いやあ、ようやってくれたわ、植木の奴。あの羽根さえ切り取れば、なんとかなると思って駆けつけたんやけど・・・植木の奴、まさか魔王の前にくろがねを入れるとわのう。・・・『魔王をかわされた』と思ったときは、ほんまどうなるかと思ったが・・・どないしたんや、森?
反応のない「森あい」を不思議そうに見やる「佐野」。それまで動きの無かった「森あい」ですが、「植木はどこにいった?」という「佐野」と「鈴子」の言葉に、身体を震わせていきます。
「・・・私、結局・・・植木の『才』・・・守ってあげられなかった」

涙をこぼす「森あい」の姿。その言葉に「佐野」と「鈴子」もようやく事態を把握します。
「あいつ、アホかっ・・・アノンを倒したからって、自分が消えてしまったら・・・何も意味がないやろがっ!
すすり泣く「森あい」達。沈んだ空気の中、「バロウ」が気絶した「ヒデヨシ」を抱えて到着します。
「ちょっと・・・来るのが遅かったようだね。僕も・・・力になれたらと思ったんだけど」
「ヒデヨシ」のお陰で無事に辿り着くことができたと話す「バロウ」。ならどうして「ヒデヨシ」が傷つき、気絶しているのかと問う「佐野」に、彼は「道」の下に到着してからの経緯を説明します。
---
「ようしバロウ、ここで降ろしてくれ。いくぞ、ぶっちゃけ俺の騙し技のオンパレードだっ!・・・ぐはああっ!!
気合いを入れて飛び跳ねる「ヒデヨシ」に高速で降り注ぐ未確認飛行物体。哀れ、彼はその下敷きに・・・。
---
「たぶん、植木くんのくろがねだったと思うのだけれど、まさかヒデヨシくんが、その流れ弾に当たって気絶するなんて・・・
らしいというか「ヒデヨシ」の最後にあきれるばかりの「佐野」と「鈴子」。しかし、その言葉を聞いた「森あい」が、「コバセン」の言葉を思い出して振り返ります。
---
「・・・能力者以外を能力で傷つける度に『才』は減る。だが逆に、能力者をひとり倒すことに『才』はひとつ追加されるんだよ
大笑い!!!σ(^0^)σ

慌てて黒煙の向こうを見つめる「森あい」。まだ事態を把握できない「佐野」と「鈴子」が彼女を不思議そうに見つめます。そして・・・
「・・・よっ」
ボロボロになりながらも、姿を見せた少年に、彼女は涙をこらえきれません。けれどもこの涙は「悲し涙」ではなく「うれし涙」。

「あれっ、そういえば、俺・・・何で消えてないんだ」
「セイクー」で空中に立つ「植木」に向かって飛び込んでいく「森あい」。「植木」の傷の痛みに構わず抱きしめる「森あい」に、いつしか「セイクー」の羽根が消えてしまいます。
「痛いっ、いてててて・・・バカッ、落ちる・・・おちるぅううぅっ!!
身を乗り出して心配する「佐野」と「鈴子」の前で、ふたりの姿は見えなくなってしまいました。
「もしかして・・・大変かも・・・」

※かくして「植木」と「森あい」は、遠いお空の星になりましたとさ、おしまい。(おいっ!

「・・・負けちゃった。でも本当は途中で・・・君に勝てないことはわかっていたんだ。君の魔王が僕の魔王を破ったときにね。・・・僕の夢は、君の正義を崩せなかった。それが僕の敗因だよ」
まるで月のクレーターのように、同心円状にできた巨大なくぼみ。その底で横たわったままの「アノン」のもとに、皆が駆けつけていました。
「なあ、お前が魔王に託した『夢』って、なんだったんだよ
のぞき込む「植木」の顔を見つめる「アノン」。続いて問いかける「森あい」。
「・・・そうだよ。・・・あんたが言っていた『完璧なる人生を創る』とか『誰ひとり立っていないまっさらな道を創る』とかが『夢』だなんて、あたしにはどうしても思えない」
戦いが終わり、さっぱりとした表情を見せた「アノン」は、ゆっくりとその口を開いていきます。
僕が本当に願っていたこと・・・それはね『化け物のように強くなってしまった僕を否定し倒してくれる』・・・そんな存在の出現だった。それが叶わないのならば、いっそのこと全部滅ぼし、自分ひとりになってしまおう。いつしかそれが、僕の『夢』になってしまった
彼の独白を黙って聞き続ける一同。そして全ての言葉が終わったとき、「植木」が彼の『夢』を否定します。
「・・・そんなの『夢』でもなんでもねえよ。・・・叶ったときに、一緒に喜び合える誰かがいるから『夢』なんだろ
※やはり「アノン」の夢は「自分を倒してくれる強き者を見つけ出す」ことでしたね。そして、「植木」に倒され、自身の「夢」を否定されることで、彼は呪縛から解き放たれた気がします。「僕に君たちのような仲間がいたら」と「アノン」の言葉は続きますが、今後「植木」達が「仲間」になるのではと、私は期待します。

戦いの終わりを聞きつけ、「神補佐(そういえばいたなぁ)」とともに姿を見せる「バロウチーム」の残りと「マリリンチーム」の面々。
『こうして、長いようで短かった私たちの戦いは終わった・・・』
見事「アノン」を倒し、バトルに勝利した「植木チーム」。「神補佐」は1本の筆と木札をチーム一番の成長者「植木」に差し出します。
「では、この木札に好きな『才』を書き込んでください」
嫌々ながらも、ひとつの「才」を書き込んだ「植木」。
仲間達の追求にも、彼はその「才」を口に出そうとはしません。
そして次の神様には全員一致で「犬丸」が選ばれました。「天界獣(テンコ)」も友達となる仲間達を見つけ、冤罪も晴れて天界に残ることとなります。「アノン」も偽「マーガレット」と地獄界へ追放され、「神様(今では元ですが)」も治療獣で一命を取り留めて、大団円とはまさにこのこと
---
「人間界行きの便がでまーす」
「神補佐」の言葉に集まってくる能力者バトル出場の人間達。その中に、意識を取り戻した「ロベルト・ハイドン」の姿もありました。
「植木くん・・・ぼ、僕は・・・」
どこか気恥ずかしそうに「植木」に声をかける「ロベルト」。
その言葉に「植木」は「やったな」と声を返します。
「・・・お前が人間を憎む気持ちを無くしたと聞いたとき、なんか・・・嬉しかった」
またひとり、「植木」に友達ができたようです。

【他の人達のエピローグ】
 ・マリリンチーム:「森あい」とメールのやりとりをするほどの仲に。
 ・バロウチーム:「バロウ」は仲間達と仲直り。「キルノートン」は未だ「メガネ好き」みたい。(^^;)。
 ・李崩:修行の旅に。泣いていた・・・!?

そして・・・。

ヒデヨシ「ぶっちゃけ、役に立てたかわからないけれど、仲間に誘ってくれて嬉しかったぜ」
 →「植木チーム」の中で英雄扱いに。その理由は、本人には教えていません。
鈴子・ジェラード「今度、家に遊びに来てね」
 →もう一度「ロベルト」に想いを伝えたけれど、なぜかうまくいかなかった様子。彼女が振った!?
佐野清一郎「ほなな、ええ温泉見つけたら、また連絡するわ」
 →高校受験後、4月まで世界温泉巡りの旅に。入学後は地理学を専攻。
植木耕助
 →勉強に、運動に、学生生活を邁進中。成績も戻り、女子の人気も復活。
森あい
 →普通の学生生活にちょっと退屈気味!?

普通の生活が戻り、平和でもあり退屈でもある学生生活を続ける「植木」に「森あい」。今日も一日の始まりです。
「みんな、今日は新しく赴任してきた先生を紹介する」
新しくやってきた先生の声に、空を見上げていた視線を教壇へ戻す「森あい」。
「・・・まずお前らが学ぶべき事は、昔、どこかの偉い学者が残してたこの言葉だ。『少年よ正義を抱け』。・・・なんだ笑うな、俺が創ったんだから
特徴的な姿、何よりその声。驚く「森あい」と、まだその登場を知らずに眠りこける「植木耕助」。彼の鞄には一枚の木札が結ばれていました。
そこに書かれた言葉は・・・「再会の才」

「うえきの法則」、終了~っ!!
笑いました、泣きました、この一年間、本当にありがとうございました。

毎回、相当な文章量になってしまいましたが、実に感想を書くのが楽しかったです。
このブログをご覧頂いている皆様の中でも、「うえきの法則」は人気の高いコンテンツでした。
レンタルDVDやセルDVDで「うえきの法則」を見返していただくときに、ちょっと他の人の感想が気になりましたら、本ブログを訪れてみてください。
それでは、また別のコンテンツで!(^_^)!

| | コメント (0) | トラックバック (2)

うえきの法則_TV50

第50話「植木VSアノンの法則」

第26話「恐怖!アノンの法則」にて初めて視聴者の前に姿を現した「アノン」。「植木耕助」最大のライバルである「ロベルト・ハイドン」を一呑みにしてしまった衝撃的なシーンは今でも忘れることはできません。あれから半年、ついに、ついに「植木」は「アノン」と決戦の時を迎えたのです。最後にして最大の戦いが、今・・・始まります。

47thステージ
 チャンピオン:彼は誰でもない・・・まさにUNKNOWN「アノン」
 挑戦者   :究極のエコロジストLv.2「植木」
 ステージ  :道

「来なよ。どこまで強くなったか、テストしてあげる
十つ星天界人同士の戦いは、地上だけが舞台ではありません。飛行神器「花鳥風月(セイクー)」を使いこなし、まずは空中戦からスタート。獲得したばかりの「セイクー」を自在にこなす「植木」に驚きながらも、ファーストアタックは「アノン」の空中蹴りが炸裂!・・・しかし「植木」も負けてはいません。「李崩」との特訓で得た「天界力」を練り込む力にて、「セイクー」の機動力を最大限にまで拡大。顔面にきつい一発をたたき込みます。
「これでお前の超スピードとも互角だ、アノン!・・・名付けて、李崩直伝『天界力のコントロール』!
ネーミングセンスはともかく「アノン」に与えた精神的な衝撃は抜群。余裕を一瞬無くした「アノン」は、「ロベルト」の能力「理想を現実に変える能力」による五つ星神器「百鬼夜行(ピック)」にて「植木」の「ピック」を破壊しにかかります。
「俺だってもう、あのときのおれじゃない!・・・レベル2、リバースッ!!
逆に「リバース」にて「アノン」の「ピック」を消し去った「植木」。そのまま「ピック」は「アノン」の土手っ腹に直撃・・・かと思われた瞬間、彼は右手から再度「ピック」を呼び出し、「植木」の「ピック」と相撃ちに持ち込むことに成功します。
「ふふっ・・・理想的な神器じゃなくて、普通の神器にしたのさ。これで君のレベル2は何の意味もなくなる。僕の神器を無効化することはできなくなった。・・・まあ、見ての通り、神器の力はかなりダウンしてしまうけれどね。・・・テストはここまでだ。君は本当に強くなったんだね。だから僕は・・・本気を出させてもらう
※序盤は互角!・・・かと思われましたが最初に宣言していたとおり「アノン」は「植木」の力を試すために手を抜いていた様子。負けるな「植木」!

本気宣言をした直後から、「アノン」の身体の回りに黒いオーラがまとわりついていきます。辺りの大気をも黒く変色させるオーラは瞬く間に彼自身を包み、周囲の空間を暗黒が支配していきます。
「十つ星神器・・・『魔王(まおう)』」
かつて「ロベルト」が「アノン」との戦いで繰り出し、最近では「神様」VS「マーガレット」の戦いでも利用された、十つ星神器「魔王」。「アノン」は黒いオーラを持った神器を「生物神器」と呼び、全長十メートル、骸骨の顔に一角獣の角を持った黒色の羊へと姿を変えさせました。
魔王は使い手の想いを力に変える生物神器。その姿形は使い手の持つ強さの象徴、そしてその威力は、使い手の想いの強さに比例する・・・僕の想いの強さ、見せてあげるよ」
ただ直進し、向かってくるだけの「魔王」。しかし「植木」の直感は、これが危険な存在だと彼に告げていました。大きく身をかわす「植木」、けれどもその身体にまるで電気でも喰らったかのような衝撃が走ります。そして「植木」の直下を通り過ぎていった「魔王」によって、まるで砂山のように崩される「道」や、森の木々、大地達。
「う・・・うそ・・・」
まるで隕石が墜落したかのような惨たらしい傷痕を天界へ残した「魔王」、その威力に戦いを見守る「森あい」も驚きのあまり言葉を失います。
「僕の魔王はね・・・僕の夢への想いの強さを力としているんだ。・・・ちなみにロベルトの魔王は人間への憎しみの想いの強さを力としていた。けど、彼の魔王は僕に傷ひとつつけることができなかった。君と出会ったことで、その憎しみの心を無くしてしまったんでね。・・・本当、馬鹿だね」
笑顔で「ロベルト」を、人間への考えをあらためた彼を馬鹿にした「アノン」。そのひと言が「植木耕助」に、かつてない怒りを呼び起こさせました。
「・・・何がバカなんだよ・・・人を憎む心が無くなって・・・何が悪いんだよ・・・お前のそのねじ曲がった根性・・・俺が叩き直してやる・・・魔王っ!!
開かれた両手の平からほとばしる緑色の雷光。大気中の水分が瞬時に蒸発し、まるで霧がかかったかのように周囲が霞みます。そして登場した「植木」の「魔王」は・・・「コバセン」!?
ま、まあ人間(天界人だけど)を見た目で判断してはいけません。気を取り直した「植木」により「魔王」出陣・・・しない。
「まあ、まてまて。とりあえず一杯飲んでからだろう。・・・あんまり急ぐとろくな人生を送れないぞ。だいたいなんでもっと強そうなビジュアルにしねえんだよ、これじゃあ只のおっさんじゃねえか。・・・俺だってテンションあがんねえよ、これじゃあ」
思わず「魔王」に謝る「植木」。そして魂の抜けてしまった「森あい」。
「し、死んだぁ・・・」
※さきいかをくわえて缶ビール片手だし・・・w(^^;)。

同時刻、某所。茂みを歩くサルが一匹・・・もとい「ヒデヨシ」がひとり。
「迷ったぁ・・・どこだ、ここは?・・・だいたいぶっちゃけ、どこをどう逃げればいいんだよ
ようやく開けた場所へたどり着いた「ヒデヨシ」。そこに涙を浮かべたひとりの少年を見つけます。
「あっ、お前はバロウ・・・
---
見た目が「コバセン」でも想いの強さなら負けるはずはない・・・と「魔王(コバセン)」を「アノン」へと特攻させる「植木」。「森あい」の応援もあり、再度「アノン」が登場させた「魔王(黒羊)」と正面衝突!・・・するもあっさり消滅。
「だめだ・・・完全にパワー負けしている。俺の魔王じゃあ、アノンには勝てないのか・・・?」
冗談抜きで忘れていました「ヒデヨシ」。「魔王(コバセン)」といい、Aパートはギャグっぽくなっていないかい?・・・まあ面白かったけれど。(^^;)。

「バロウ・・・お前、何をやっているんだよ・・・こんなところで。仲間は・・・お前のチームの連中はどこに行ったんだよ
「ヒデヨシ」の言葉に視線を変える「バロウ」。つられた彼がそちらを見てみると、その方向には「道」が見えました。
「・・・戦いに行ったのか」
その言葉に顔をあげない「バロウ」。彼は「ヒデヨシ」に語ると言うよりも、「アノン」を信じた自分自身に怒りをぶつけるかのように独白します。
「僕は・・・僕は人間になりたかった。人間になれば母さんときっと一生絵が描ける・・・そう思ってこのバトルに参加したのに・・・。結局僕は・・・奴に利用されただけだって、やっと気がついた。バトルでアノンを優勝させたって、僕が人間になることなんかできなかったんだ・・・もう一度、もう一度母さんと一緒に絵を描くなんて・・・できなかったんだ
立ちつくし、泣きはらす「バロウ」を見て、「ヒデヨシ」の心に湧き出す想いがありました。思わず彼は「バロウ」を怒鳴りつけます。どうしてお前はもう一度「アノン」と戦い、奴を倒さないのか・・・と。
「仲間と力を合わせれば、お前だってアノンの野郎を・・・」
思い悩んでいる心の内を突いた「ヒデヨシ」の言葉に、普段冷静な「バロウ」も反発します。そして彼の言葉に、今度は「ヒデヨシ」が押し黙る番となりました。
「・・・君だってそうだろう、君だってアノンに勝てないとわかっているから逃げようとしているのでしょう!?
『仲間を信じていないのは誰なのか』『仲間を見捨てたのは誰なのか』
「道」に対して背を向け、逃げ出してからずっと心に抱えていた問題。「ヒデヨシ」の中の何かが、「バロウ」の姿を見た何かが、彼なりの解答を導き出そうとしていました。

「・・・あっはっははっはっはっ・・・このヒデヨシを見損っているんじゃねえよ!・・・俺はなぁ、何をかくそう、ぶっちゃけ・・・お前を連れ戻しに来たのよ!
予想しない「ヒデヨシ」の言葉に、きょとんとした表情を見せる「バロウ」。
「まったく情けないな・・・今のお前の姿を見たら、母ちゃん、きっと一生口をきいてくれないな。・・・戦う前から諦めちまって、仲間と一緒に戦おうともしない奴にはな。・・・お前は母ちゃんに色々なことを伝えようと、ずっと頑張ってきたんだろう?・・・ならそれで良いじゃないか。今のお前がやるべきことは、今まで一緒に戦ってきた仲間の元へ走ることだろう?
「ヒデヨシ」の言葉に、暗かった自身の気持ちが少しずつ明るくなってくるのを「バロウ」は感じていました。このまま「道」から外れていても、何も解決しないことは彼もわかっていたのです。
「ダメだよ・・・今更仲間だなんて、都合良すぎる
悔し涙とは別の涙を浮かべながら、最後に残ったわだかまりを吐露する「バロウ」。しかし、そのわだかまりも「ヒデヨシ」はあっさりと崩してくれます。
「安心しろ。俺の方がよっぽど仲間失格なんだ。・・・俺なんか、仲間見捨てて逃げて来ちまった。俺のダサさに比べりゃ、お前なんて、ぶっちゃけなんてことはねえよ。・・・まあ細かいところは気にするな。行くぞバロウ、あそこまでライカで負ぶっていってくれ」
「ヒデヨシ」の笑顔に、彼の言葉に救われた「バロウ」。顔をあげた「バロウ」にはもう、うつむいていた頃の面影はありません。背中に「ヒデヨシ」を背負ったまま、六つ星神器「電光石火(ライカ)」は「道」へと空を駈けるのでした。
「行くぞ、アノン!!」
「ヒデヨシ」の本領発揮・・・ですね。世の中について良い嘘があるとすれば、それは「人を幸せにして、活力を与える嘘」ですよ。(^o^)。

「どうやら、植木くんの魔王じゃあ、僕は倒せないみたいだけれど・・・どうするの?」
「アノン」の言葉に、「セイクー」にて天高く昇る「植木」。そのまま猛スピードで「植木」は「アノン」を連れたまま、「道」からどんどん離れていきます。
『・・・できるだけ、森たちから離れるんだ。あんな近くじゃ、アノンの魔王の巻き添えを食ってしまう』
空中戦第2ラウンドは、互いの神器、そして「魔王」の撃ち合いとなりました。一つ星の神器「鉄(くろがね)」を何発も繰り出す「アノン」に「魔王(コバセン)」で対抗する「植木」。その威力は「くろがね」を次々に打ち砕いてはいきますが、やはり「魔王(黒羊)」には全く歯が立ちません。
『同じ神器でなんでこうも差があるんだよ・・・俺が魔王に込めた想いって・・・
自分自身が「魔王(コバセン)」に込めた想い、その正体がわからずに苦戦する「植木」。「ピック」、八つ星神器「波花」、「くろがね」、三つ星神器「快刀乱麻(ランマ)」・・・繰り出してくる「アノン」に手傷を負わされながらも、彼は心の中で考え続けます。
『ダメだ・・・考えれば考えるほど、わけがわからなくなってきた・・・目もぼやけてきたし・・・つうか、想いってなんなんだよ、いったい・・・』
「ロベルト」の失敗は「ピック」だけでとどめを刺そうとしたこと。そう語る「アノン」は、痛めつけ、逃げられなくなってから「魔王(黒羊)」にてとどめを刺すことを宣言します。
「そろそろ潮時かな。・・・君も知っていると思うけど魔王は弾数に制限があり6発しか撃てない。神様のぶんは父さんとの戦いで全段撃ち尽くした。ロベルトのぶんは僕と戦ったときに2発、そしてさっきの3発で僕の魔王は残り1発。・・・君はずいぶん無駄撃ちしたねぇ・・・それでもあと2発残っているはずだけど、関係ないよね。・・・君の魔王は無力、そして君はもう僕の魔王を避けることすらできない。これが正真正銘・・・最後の魔王だ!
「アノン」との差、「魔王」に込めた想いの差、能力者としての実力の差、戦いのセンスの差・・・数限りない理由が、「植木耕助」に「諦め」の一手を突きつけます。観念したかのように目を閉じて空中へ立ちつくす「植木」。そこに聞き慣れた、そして今、もっとも聞きたくはない声が聞こえてきます。
「植木ーっ!」

巻き添えにしないために「セイクー」で離れたはずの「森あい」。彼女の声が「植木」の耳へと届いてきました。振り返る彼の目にも「森あい」の姿はしっかりと見えます。そして、その場所は自分と「魔王(黒羊)」との直線上。
『やばい・・・このままじゃあ森に当たる・・・佐野や鈴子や、李崩達も・・・』
自分が背負っている仲間達の姿、ライバルの姿を思い浮かべたとき、「植木」の身体は自然と動いていました。
「魔王ぉおおおおっ!」
満身創痍で放った「魔王(コバセン)」の一発
、眼前に迫りつつある「魔王(黒羊)」の巨大さと比較して、あまりにも小さな光は・・・それでも「魔王(黒羊)」の眉間を捉えていました。
「仲間は俺が・・・守るぞおおぉおっ!!」
『・・・魔王の威力は、使い手の想いの強さに比例する・・・』
瞬く間にひび割れ、「魔王(コバセン)」によって貫かれていく「魔王(黒羊)」。
数十メートルの巨体が、わずか数秒で崩壊していきました。そして、なおも威力増す「魔王(コバセン)」は「アノン」の肩を、生えた翼をかすめ、彼自身に恐怖という名の感情を植え付けていきました。
「植木耕助」の正義、ここに炸裂!!

『そうか・・・そうだよ・・・俺の想いは・・・』
「魔王(コバセン)」に込めた想いに気がつき、満足そうな表情を浮かべる「植木」。しかし、その表情は「アノン」の拍手によって崩されます。
「Great!・・・僕と互角に渡り合えたのは、君が初めてだよ。・・・ご褒美をあげる
その身体を一瞬はねさせた直後、「アノン」の口が広がり、ひとりの少年が吐き出されます。意識のないまま、真っ逆さまに墜落していく少年の姿を「植木」は忘れようはずもありません。
「ロベルト・・・ロベルトッ!!」
間一髪「ロベルト」を抱きかかえた「植木」は、「アノン」の意図を考えます。「ロベルト」を手放すということは「能力者」ではなくなるということ。
「理想を現実に変える能力」を捨ててでも彼が手に入れたいものとは・・・。
※ピッコロ大魔王(最初の爺の方)を思い出しちゃいました。・・・うっぷ。

「『才』っていうのは、まあ才能のことだな。・・・つまり、あいつは『ゴミを樹に変える能力』で能力者以外を傷つける度、自分の『才』をひとつずつ失っていく。それが俺が言った、罰って言う奴だ」
---
かつて「コバセン」から聞かされた「能力者」の掟を思い出す「森あい」。それは相手が「能力者」か否かで発動する掟。「天界人」でも「地獄人」でも、その掟は変わりません。
「能力者でなくなったアノンを能力で傷つける度に、植木の『才』は減っていく。もしそれで『才』の数がゼロになったら・・・植木が消滅しちゃう」

「神様」を取り込んだ際にも変更できなかったバトルの大原則。それが今、「アノン」にとって有利なルールになったと彼は言います。
「・・・なぜなら、君の神器は全て神候補から貰った『樹の能力』を元にして出している。つまり、君の攻撃全てが『能力』を使っていることになる。・・・ということは、君はもうこれで『才』の数しか僕を傷つけられない。僕を仕留めるチャンスが限られてしまったということだ。・・・さて、君の『才』は残りいくつかな?
「植木」の残り「才」は18個。つまり残された攻撃のチャンスは18回ということ。これだけの間に「アノン」にダメージを与え、動きを封じ、1発しかない「魔王(コバセン)」で仕留める。・・・あまりにも低い可能性に賭けるしかない状況に「植木」は追い詰められたのです。
『・・・一瞬、一瞬だけでいい・・・奴の動きを封じることができれば・・・』

「道」へと降り立ち「ロベルト」を降ろす「植木」。心配そうに彼を見つめる「森あい」に「ロベルト」を託し、彼は飛び立ちます。
『残りの「才」数がいくつだろうが、やるしかない・・・やるしかないんだ!』

さて、こうなると鍵を握るのは「バロウ」&「ヒデヨシ」になりそうな予感。もう一度おさらいをしておきましょう。
 バロウの能力:過去の映像を現実に変える能力
 ヒデヨシの能力:声を似顔絵に変える能力(10km以内)

どうです、何か見えてきましたか? (^^;)
それでは、奴の活躍も期待しつつ、最終回を待て!!

| | コメント (0) | トラックバック (3)

うえきの法則_TV49

第49話「十ツ星の法則」

「アノン」との戦いのため、まずはそのスタート地点を目指す「植木耕助」。どういう意図があるのかは置いておいて、「マーガレット」も「植木」に協力。なんと自らの封印を解き「天界獣」へとその姿を変えていきます。果たして彼の力を借りて「植木」は「十つ星」へとなれるのか・・・?

「僕の覚醒臓器で、十つ星にしてあげるって言ったんだよ」
「天界獣」になったとはいえ、その正体は「マーガレット」。彼の呼びかけを「森あい」は「植木」を喰らうための罠だと判断。「植木」に「入っちゃダメ」と注意しますが、彼自身の判断は「森あい」とは真逆なものでした。
「よし、入るぞー」
自分の忠告を聞かない「植木」に腹を立てる「森あい」でしたが、「マーガレット」の胃の中へ飛び込む彼の決意を耳にしたとき、彼女は自分自身の考えをあらためることになります。
「・・・今の俺じゃあ100%、アノンには勝てない。・・・優勝できなきゃ、アノンを倒せなきゃ、コバセン達を助けられない。だから、もっともっと強くならないといけないんだ
その決意は、「森あい」が今まで何度も目にしてきた「植木」の生き方でした。他人のことになると平気で死地へと飛び込み、自分の利を考えない彼に、危うさを感じつつも惹かれていた「森あい」。見守る側の大変さを愚痴りつつも、彼女は「植木」へ今度もついて行くことを決意します。
「・・・その代わり、絶対に強くなって出てくるのよ!」
※「植木」の生き方は、はっきり言って下手な生き方です。でもその生き方の素晴らしさは、見てきた私たちの心を打ってきました。・・・それはまた「森あい」も同様。彼女の決断に納得です。(^_^)。

46thステージ
 チャンピオン:彼は誰でもない・・・まさにUNKNOWN「アノン」
 挑戦者   :レベル2!でもまだ地味目、頭脳で勝負!?「佐野清一郎」
       :爆弾娘でめがねっ娘「鈴子・ジェラード」
       :ツッパリロックンロール「バン・ディクート」
       :漢と書いて『おとこ』と読む「ディエゴスター」
 ステージ  :道

「佐野清一郎」、「鈴子・ジェラード」、「バン・ディクート」、「ディエゴスター」・・・。並み居る4人の能力者を相手にバトルをスタートさせる「アノン」。ゼロ距離で爆発する「鈴子」の爆弾も、畳みかけるように襲い来る神器も、変幻自在の「ブーメランカッター」も「アノン」は楽々と避け続けていきます。
「ふふっ・・・今度は僕の番だよ」
僅か一瞬。「アノン」の攻撃に次々にダメージを負っていく仲間達。「佐野」は彼の攻撃を自身で受け、あらためて「アノン」を倒す難しさを感じます。
「どうやら、通常攻撃で奴を倒すのは不可能や。・・・血の滲むような特訓の上に編み出した、新必殺技『マグネティック・スクリュー・チョーガ・ ザンビル』や!
そして「バン・ディクート」と「ディエゴスター」も、「佐野」と同様の思いにかられ合同の必殺技をぶつけることを決意。
「マグネティック・・・スクリュー・チョーガ・ ザンビルッ!」
「生きた神器・・・見えざる神器・・・神器合体っ!」

※マ、マグネティック・・・なんだって? と、3回も聞き直しましたよ。あってるかなぁ。(^^;)。

「な、なんであんたがここに・・・」
「道」の直下、上へと登る4つの階段で「森あい」が悩んでいた時、彼女に声かけるひとりの男が出現。怯える彼女に、男はひとつのお願いをします。
「IQ179のキルノートンが折り入って君に頼みがある。・・・僕をもう一度、メガネ好きにしてください」
涙を流してまで真剣に頼む「キルノートン」。その真剣さに「森あい」も彼の心情を理解。思いの丈をひとつの言葉に乗せて叫びます。
「へ、変態だぁあああぁっ!」
そのまま「キルノートン」の真意「メガネ好きにして問答無用で皆の所へ引っ張って欲しい」も聞かずに走り逃げる「森あい」
。「キルノートン」との追いかけっこは視聴者への一服の清涼剤です (笑。
※いや、それはわからないって。普通にお願いできないのか「キルノートン」は!「このまま皆の所へ助けに行くのは、僕の臆病な心が許さない。お願いだからメガネ好きに変えて、無理矢理にでも連れて行って欲しい」とかさぁ。(^^;)。

全力を尽くして戦いきった「佐野」達4人。息を切らして床へと倒れ込む彼らを「アノン」は冷たい視線で見下ろします。
「・・・君たちの成長には、期待していたのになぁ。まだ全然早かったみたいだね」

絵にも描けない超必殺技「マグネティック・スクリュー・チョーガ・ ザンビル」と「生きた神器、見えざる神器」も通用せず、万策尽きた「佐野」達4人。しかし、それでも彼らには唯一の希望がありました。
「あとひとり・・・キルノートンがいれば、奴の力が合わされば無敵の合体神器が完成するのに・・・」
---
「もう・・・君に頼るしかないんだ。それもこれも、あの10年間の生き方のせいなんだ・・・」
10年前、人々に避けられ孤独に生きてきた「キルノートン」。彼はその生活の中でひとつの「才」に気がつきます。
僕には計算の才があったんだ。・・・それから僕は、全ての事柄を計算し先を見据えるようになった。人との付き合い方も、計算で完璧にこなし、中学時代には人望を集めた。だが・・・」
所詮は計算で手に入れた友情。真に人を愛さずに築き上げた「キルノートン」に本当の友人など生まれようもありません。
「結局最初から僕は・・・ずっとひとりだったんだ。・・・そう、あいつらと出会うまでは
「バン・ディクート」と「ディエゴスター」との出会い。初めての心許し合える仲間、「キルノートン」は彼らによって救われます。
「自分と同じ境遇で、自分の気持ちを一番わかってくれる奴らだった。・・・なのに、なのに僕はあいつらを見捨てたんだ!・・・今、僕があいつらと共に戦っても、100% アノンには勝てない・・・そうやって計算のみ生きてきた過去が、あの10年間が僕の身体をあいつらから遠ざける・・・。戦いたい・・・あいつらと一緒に戦いたい!・・・でも、僕の身体が言うことを聞いてくれない・・・だから・・・頼む・・・僕をメガネ好きにして・・・バンとディエゴのもとへ引っ張ってくれ
土下座してまでも懇願する「キルノートン」の姿に、ようやく誤解を解いた「森あい」。彼女は彼の願いを了承し、「道」へと連れて行くことを約束します。
---
「やはりな・・・Bの階段で正解だった」
今まさに「佐野」へとどめを刺すために手刀を振り上げた「アノン」。その背中に、かつて別れた友の声を聞いて振り返る「バン」と「ディエゴ」のふたり。そう、そこに立っていたのは「キルノートン」と「森あい」。これで限定条件が解除。煌めく瞳の漢(おとこ)が3人。「キルノートン」を覆う蒼いオーラ、「バン」を覆う紅いオーラ、「ディエゴ」を覆う白いオーラ・・・ついに禁断の必殺技が発動!
「無敵の合体・・・!?」

と、そこへ放たれた「アノン」の一つ星の神器「鉄(くろがね)」。必殺技へと集中してきた「キルノートン」を直撃。彼、ここに沈黙・・・。
「速攻やられたぁあああぁっ!!」

※あえて「偽ぶりっ娘ポーズ」をとらせて、彼自身の意志により「道」へと連れてきた「森あい」。GJですよ!・・・まあ、禁断の必殺技は不発でしたが。orz

「ステージクリア・・・天界レベル九つ星にランクアップ!」
「マーガレット」も驚くスピードで「九つ星」の試練をクリアした「植木」。彼は息を切らせながらも、まだ「アノン」には勝てないと「十つ星」への試練を「マーガレット」に要求します。
「・・・わかった。だがこれだけは言っておく。・・・死ぬなよ
意図しなかった言葉にちょっと驚く「植木」。彼は「マーガレット」に満々の笑みで頷きます。
「ああ。・・・お前・・・意外と良い奴だな」
---
「・・・父さんに聞いて、君たちの合わせ技は知っている。僕に通用する代物じゃあないよ。残念だけれど、君たちの底は見えた。・・・もう、消えてもらうよ
「アノン」の死刑宣告とも取れる言葉に沈黙する「佐野」達。しかし、「森あい」だけは彼の言葉に震えながらも、真っ向から反発します。
「来てくれる・・・きっと、きっと植木が強くなって来てくれる。絶対・・・消えてなんかやるもんか
興味深そうに「森あい」を見やる「アノン」。何やら思うところがあったのか、彼は「森あい」を一番手に指名します。
「ふうん・・・確かに君の能力が一番やっかいだからね。・・・君、一番最初に消えなよ
「森あい」へと飛びかかる「アノン」。その最後の一歩を止めたのは「佐野」の「ブーメランカッター」でした。
「森・・・お前のお陰で目が覚めたわ。・・・やっぱり、最後の最後まで諦めたらあかんわな
「アノン」が恐れたのは「森あい」の「相手をメガネ好きにする能力」でしょうか?・・・まあ、確かにそれもあるかもしれませんが、一番実戦向きではなく、体力も能力者の中では最低ランクの彼女。その彼女が振り絞る勇気・・・それが呼び起こす他者の力を、「アノン」は恐れた(あるいはわかっていて利用した)のかも知れません。

既に戦えないほど傷ついた能力者達。だが彼らにはまだ「第四次選考」に参加できる権利があります。奇襲、力業(ちからわざ)、策略・・・持てる能力をフルに使い、「アノン」へ攻め入る勇者達。しかし、彼の圧倒的な能力の前に、ひとり、またひとりと能力者は倒れていきます。
「マ・・・マックス・・・」
「燃え尽きた・・・ぜ」
「くろがね」の前に壁へ叩きつけられた「バン」と「ディエゴ」、三つ星神器「快刀乱麻(ランマ)」にて斬られた「佐野」、八つ星神器「波花」にて絡め取られた「鈴子」・・・目の前で倒れていく仲間を目にして、怯え震える「森あい」。
「・・・8時間40分か。・・・結構粘ったね」
ついに「アノン」の手により、首を絞められ、持ち上げられる「森あい」。彼はそのままゆっくりと「道」の端へと歩きながら、彼女に感謝します。
「ふふっ・・・君たちには礼を言うよ。僕の夢に付き合ってくれて。・・・僕の夢はね、平凡かも知れないけれど・・・幸せになることなんだ
小さい頃から「幸せ」について考えてきた「アノン」。「モリビトの一族」、その末裔として育てられてきた彼の「幸せ」とは、与えられたレールに従い、ただ生きていくだけなのか・・・。
「・・・でも気がついたんだ。自分で歩く道は、自分自身で切り開くものだって。だから僕は・・・全てを滅ぼすことに決めたんだ。何者にも崩されない、何者にも妨害されない・・・完璧なる道を創るために。僕の前には誰ひとり立ってはいない、どこまでも伸びるまっさらな道。・・・そんな道を歩けるなんて、これ以上の幸せはないだろう?」
無邪気な笑顔で「夢」を語る「アノン」。彼の考え方を聞かされた「森あい」は、首を絞めながらも「アノン」の言葉を否定します。
「間違っている・・・あんた・・・間違っているわ」

一歩、また一歩と足を進め、ついに「道」への断崖へと歩み来た「アノン」。その手を離せば、「森あい」は真っ逆さまに地上へと落下します。
「障害のない人生こそ、幸せの極みだよ。誰だって一度は憧れる夢さ」
「森あい」に残された時間はあと僅か。それでも彼女は「アノン」へ問い尋ねます。それならどうして「自分を倒した人が優勝」などというルールに設定したのか・・・と。
「・・・正直、不安だったのかも知れないな。本当に僕にそんな道を創る力があるのか・・・もしかしたら、僕でも敵わない人がひとりくらい居るんじゃないのか・・・。こんなルールにしたのも、君たちが成長するのを待ったのも、全ては僕の力を確かめるため。僕の『夢』を止められる者など、ひとりも居ないことを証明するため・・・だ
ゆっくりと放されていく「アノン」の手。首を絞める圧迫感から解放された「森あい」を、今度は絶望的な落下感が襲います。目の前に見えた「道」がどんどん遠ざかっていく間隔・・・遠くなっていく意識・・・。世界は無音へと変わっていきました・・・。
「夜明けか・・・」

深夜より開催された「第四次選考」。短いようで長かった戦いもついに終わりを迎えようとしていました。昇り来る朝日に目を細める「アノン」。その中に・・・太陽の中にひとつの小さな影が映し出されました。まるで鳥のように羽を広げた小さな影は、真っ直ぐにこちらへと向かい・・・。
「・・・?・・・はっ!」
その正体を見極めた「アノン」の瞳が大きく見開かれます。早朝の澄んだ空気の中、風切り音とともに落ち行く「森あい」へと目指す影。その両手は優しく彼女を掴み、ゆっくりと「道」へ彼女を降ろします。
「・・・セーフ。・・・悪い、遅くなった。まだ飛ぶの慣れていないし・・・
目の前に立つひとりの少年。幾度となく見てきたその表情、済まなそうに謝り、額の汗をぬぐう彼は「森あい」が待ち焦がれた存在。
「植木・・・私・・・私、信じていたよ」

目の端からこぼれ落ちる涙を、彼女は拭こうともせずに「植木」を見つめます。そして、彼もまた「植木」が来ることを信じていたひとり。満足そうに「植木」を見つめて、声をかける「アノン」。
「飛行神器『花鳥風月(セイクー)』」か・・・。そのぶんだと、十つ星にもなったようだね」
「森・・・危ないから下がって。・・・こいつは俺が倒す」
ついにふたりの最終決戦・・・スタートです。

最後、泣けましたぁあああっ。・゚・(ノД`)・゚・。。飛んできましたよ「植木」。オープニング曲でわかってはいましたが、ここで来ますか、来ますよねー。(何を言っているんだ、俺は。
1年間にも及ぶ「うえきの法則」。その集大成となる戦いが始まります。もう何も言うことはありません。次回「植木VSアノンの法則」、お楽しみください。

| | コメント (2) | トラックバック (3)

うえきの法則_TV48

第48話「第四次選考の法則」

人は神に勝てるのか?
別に哲学的な言葉ではありません。そう、視聴者の方ならご存じの「植木耕助」達、能力者バトル参加者へ与えられた命題。それこそが「神様」となった「アノン」との戦いなのです。神と戦い、勝利すること。それができないとき人類は・・・。

「お前、初めからこのバトルを乗っ取るつもりだったのか・・・」
父「マーガレット」の言葉に、自分の夢を叶えるためと答える「アノン」。彼は新たに手に入れた神の能力「亜神器『天地創造(テンソウ)』」を解き放ち、天界に「道」を創ります。
「・・・皆さん、起きてください。スケジュールを変更しまーす。・・・只今より四次選考を開始します
※かくして「第四次選考」、闇夜のスタートです。

表舞台へと登場した「アノン」に驚く彼の仲間「バロウ」とそのチームメイト、そして「植木」に「森あい」。彼の正体を未だ知らない他の参加者も、いきなり仕切り始めた「アノン」に驚きを隠せません。
「・・・それは、僕が神の身体を乗っ取ったからさ。・・・もうわかるよね、僕はロベルトでも神でもない。その正体は・・・アノン。地獄人、モリビトの一族の生き残りさ。このゲームはたった今、僕の支配下に落ちたんだよ
正体を明かした「アノン」は「第四次選考」のルールを説明します。そのルールは単純明快「一番最初に僕を倒してくれたチームが優勝」というもの。
「倒してくれた」というのが気になりますねぇ。・・・彼は自分自身を誰かに止めて欲しいのでしょうか。(?_?)

「・・・ただし、僕と戦うためにはふたつの条件がある。僕の立体映像の足下・・・空中庭園が見えるだろう。これが君たちと僕が戦うための舞台、『道』だよ」
【アノンと戦うための条件】
 ・12時間以内に『道』へ辿り着くこと。
 ・一度でも落ちた段階で失格。

さらに、彼は続けます。誰ひとりとして「アノン」を倒せなかった場合には、人類を滅ぼす・・・と。
「天界人も、地獄人も、人間達も・・・僕の『夢』のためにも滅んでもらう」

「アノン」の裏切りに怒り狂う「バロウチーム」の「バン・ディクート」、「彼は漢(おとこ)ではない」と非難する「ディエゴスター」。「アノン」へ勝負を挑む者達もいれば、その強さに素直に諦める「キルノートン」のような者もいます。そして彼の裏切りに、夢を絶たれ呆然とする「バロウ・エシャロット」、その強さに逃げ出してしまった「ヒデヨシ」のような者も・・・。
※「バロウ」と「ヒデヨシ」がこのままとは思えませんが、「アノン」はまさに「化け物のような強さ」ですから、無理もないかなぁ・・・。(>_<)。

「これが、我々の未来だったというのか、神よ・・・」
残された「神様」の帽子を持ち上げ、一族のやり方に、自分自身の歩みに疑問を持ち、苦悩する「マーガレット」。
「・・・何がどこでどう間違ってしまったというのだ。・・・しかし、私は私の役目を果たすだけだ
---
一方、「神様」と「マーガレット」の戦いを、そして「アノン」が飲み込むまでの一部始終を目撃していた「佐野清一郎」と「鈴子・ジェラード」は、他者に先駆けて、いち早く「道」へと辿り着いていました。「アノン」の強さを目撃していただけに慎重な「佐野」は、しばらくここで彼を見張ることを決めます。
「誰だい、そこに隠れているのは?・・・出てきなよ。君が僕の最初の相手だ
「アノン」の声に、あっさりと「佐野」達がばれてしまったかと思いましたが、その視線は彼らとは全く逆の方向。そして登場したのはひとりの男、そう「植木耕助」のライバル「李崩」。
「最初?・・・最後の間違いであろう」

※「李崩」登場!・・・ということは、彼と「植木」の決着はお預けかな?

44thステージ
 チャンピオン:彼は誰でもない・・・まさにUNKNOWN「アノン」
 挑戦者   :拳一本、能力無用のクンフー男「李崩」
 ステージ  :道

鍛えられた拳を次々と「アノン」の身体にたたき込む「李崩」。しかし「アノン」は彼の技術に感心しながらも、余裕の表情で体をかわしていきます。「李崩」自身をじっくりと研究するかのように避けることに専念していた「アノン」。その拳がついに動いたとき、彼の反撃が始まりました。
「・・・じゃあ、こっちも行くよ」
拳の重さ、スピード、動きの読み・・・能力を使わずとも「李崩」の先を行く「アノン」。その実力差は傍観している「佐野」達にもよくわかります。
「・・・やばいで植木、アノンの強さは半端やない。はよ来い!」
---
「森あい」と一緒に「道」へと向かい走る「植木」。その眼前に現れたのは、彼がまだ直接は会ったことがない男でした。
「誰だ、お前?」
足を止めた「植木」と「森あい」の前に立ちつくす男。彼はボロボロになった服と身体に似合わないデュランダルな声で(おい 自分の正体を告げました。
「マーガレットと・・・申します。・・・正確には、その身体を拝借している、アノンの父親・・・なんだがね」
じっくりと、まるで品定めをするかのように「植木」を見つめる「マーガレット」。「何しに来た」と問う「植木」に対して彼の返した言葉は・・・。
「植木くん、君にはここで消えてもらおうか」
※彼に残された役目、それは「植木」を消すこと?・・・いやいや、そうは思いませんね。彼は「神様」との約束・・・「未来」を護るため、そして息子の「夢」を叶える手伝いのため、「植木」をひとつ成長させる気では・・・と思うのですが。(^^;)。

「・・・君には散々僕の計画を踏みにじられたからね。・・・やはり、真っ先に消しておくのはロベルト同様、人間界に落とされた天界人の君だったようだ」
「神様」が「アノン」に乗っ取られた以上、「神候補が能力者と戦ってはいけない」というルールは機能しないと語る「マーガレット」。その言葉に、「植木」は「森あい」の手を取って走り出します。
「どけ!・・・お前なんか関係ない、俺はアノンをぶっ倒しに行くんだ!
「植木」の前に立ちはだかり、彼の言葉を意に介さない「マーガレット」。彼は「植木」に本気を出させるために、まず「森あい」をその手にかけようとします。傷ついたとはいえ「神様」とも互角の戦いを繰り広げた「マーガレット」に叶いようもはずはない「森あい」。ついに「植木」が神器で攻撃開始!

45thステージ
 プレイヤー:究極のエコロジストLv.2「植木」
 エネミー :自らの役目、未来への道「マーガレット」
 ステージ :道・・・途中の森

五つ星神器「百鬼夜行(ピック)」を放つ「植木」ですが、「マーガレット」は彼との距離を考え、攻撃を仕掛けてくる神器を絞っていました。あっさりと「ピック」をかわしたかと思うと、まさに「神速」で「植木」の背後に回り、正拳一発を放つ「マーガレット」。続けざまに出された三つ星神器「快刀乱麻(ランマ)」の切っ先を、立ち上がろうとした「植木」の鼻先へと突きつけます。
「・・・所詮、お前はこの程度か?」
軽い失望と共に、刃を止めたままの「マーガレット」。
無言で睨む「植木」に対して、彼は「地獄人」としての戦い方を話し始めます。
我々地獄人には天界人の神器みたいな武器はない。・・・だが、それを補って余りある超身体能力があるのだよ。・・・それに加え、僕は十つ星天界人を取り込んである。もちろん、アノンも同じだ。・・・言っておくが、アノンはこの僕よりも遙かに強いよ。僕すらに勝てないのに、よくアノンを倒すなどと吼えられたものだな。・・・その程度の力でどうやって勝つ、どうやってアノンを倒すんだ?」
思いの強さが戦いの強さとは限らない。実力の差を見せられ、自分の地力を痛感した「植木」は、対「アノン」に勝利する可能性の低さに気がついてしまいます。
俺は・・・全然弱いじゃないか・・・仲間ひとり守れない程度の力で・・・俺は何をしようというのだ・・・』
※暗い・・・ここまで落ち込んだ「植木」は初めて見たかも知れない。(T_T)。

「・・・誰ひとりアノンを倒さなければ、『未来』はない。・・・お前達がアノンを倒さなければ『未来』は守れないんだ
突然、刃を退いた「マーガレット」の言葉に、「植木」は驚きながら彼の表情を見上げます。今までにない、達観した表情で天を見上げる「マーガレット」。彼はひとつの質問を「植木」に問いかけました。
「お前達、まさかバロウ達が自力で六つ星や、八つ星になったと思っているのか?
短期間で天界人が星をあげる。・・・その困難さはかつて「天界獣(テンコ)」が「植木」に語ったとおり。そしてそれに対する唯一の回答も・・・。
「天界獣の・・・覚醒臓器」
「植木」の言葉に頷いた「マーガレット」は、自分たちが「モリビトの一族」と呼ばれている理由を話し始めます。それは、遙か昔に祖先が身体に取り込んだ「ある生物」を彼らが護り、受け継いできたから。
そう語る「マーガレット」の背中がふくらみ、顔が変形し、姿はどんどん大きくなっていきます。「植木」達が見知った「あの生物」へと姿を変えていく「マーガレット」。そしてその姿はついに・・・。
「て・・・天界獣」

「モリビトの一族」が抱く「天界人」への恨み。それは巨大化し、言われなき罪に囚われた「テンコ」の思いと、同じものかも知れませんね。(T_T)。

押し続ける「アノン」に対して、クンフーだけで対応する「李崩」。実力差はあるものの、彼はこのバトルを鍛錬の場と見なしているため能力は不要と答えます。
「・・・だったら能力を使いやすくしてあげるよ」
いささかプライドが刺激されたのか、初の神器を披露する「アノン」。しかし「李崩」は既に神器への対処方法を身につけていました。
【李崩による戦闘講座-初級編】
 ・飛び道具への対処方法:円の捌き
 ・直線的な攻撃の回避方法:小円の動き
 ・鋭利な刃物への防御方法:硬気功
「・・・やるねぇ」

再びクンフー同士の戦いとなった「アノン」VS「李崩」。「もう少し本気を出して戦いたい」とうそぶく彼の言葉。しかしその強さの前に、「李崩」は否定することはできません。
『・・・こいつ、化け物か・・・』
※最初の組み手を見て、「あっさりと負けるかも」と思っていましたが、謝ります。流石に第二次選考シード選手、「李崩」は強い!

「どうした、もう終わりかい?・・・だから能力を使えと言ったのに・・・」
自分が会得した自身の力のみで「アノン」と戦い続けた「李崩」。しかし、彼の体力は流石に限界へと近づいていました。
「・・・これが・・・最後の勝負アル!・・・最終奥義・・・真・巌窟王!・・・受けられるものなら、受けてみよっ!!」
かつて「植木」に挑み、敗れ去った必殺技を「アノン」へとぶつける「李崩」。両手、両足の殴打で地面を掘り進み、肩を掴まれて敗れ去った必殺技を「李崩」はさらに昇華させました。全身をオーラと化し、肩をも回転させながら「アノン」へと突き進む「李崩」。今度こそ一撃を加えられるのかぁっ!
「・・・惜しかったね。・・・さようなら」
右手一本、点ひとつの弱点「頭」をつかみ取った「アノン」の拳に、彼の肉体は壁まで吹き飛び、ついに力果てます。

「・・・植木・・・約束を・・・守れなかったアルな・・・」
その場で倒れ込み、気絶した「李崩」。その姿にあらためて「アノン」は歓心を得ます。
「凄い男だ。最後まで信念を曲げず・・・本当に能力も天界力も使わなかった」

第四次選考を発表したときのような笑みも浮かべず、真剣な表情で「李崩」を見やる「アノン」。
・・・そしてここにもまた、「李崩」の戦いに心を動かされた能力者がいたのです。

「やっぱり性に合わんわ」
目と鼻の先に悪の元凶がいるのに・・・こそこそ隠れてはいられませんわ」
「アノン」の戦いを見張り、その弱点を探す・・・当初の目的を捨ててでも「アノン」との戦いを選択した「佐野」と「鈴子」。
「・・・たったふたりじゃあ、暇つぶしにもならないな」
その言葉に怒りを募らせる「佐野」。そこに「バン・ディクート」、「ディエゴスター」のふたりが駆けつけ、異色の4人ユニットの誕生かぁっ!?

「アノン」の「夢」、「倒してくれた人に」という言葉、ライバルを成長させるための第三次選考、父「マーガレット」の役目、そして最後の「李崩」との戦い・・・。
どうにもこうにも「アノン」という存在に疑問符が湧いてきました。
きっと皆さんも最後の「鈴子」の言葉、「悪の元凶」に違和感を憶えたことと思います。
「より強い者と戦う必要がある」という「アノン」の「夢」、「誰もが望む、他愛もない夢」・・・。まて、次回・・・ですね。

| | コメント (0) | トラックバック (2)

うえきの法則_TV47

第47話「神になったアノンの法則」

「植木耕助」達が三次選考突破の祝賀パーティを楽しんでいた頃、世界の趨勢(すうせい)を決める大切な一戦が、ここ天界で行われていました。天界代表「神様」VS地獄界代表「マーガレット」による争いは、ほぼ互角。互いに切り札ともいえる、十つ星神器「魔王」を打ち合いますが・・・。

そんな戦いが行われているとはつゆ知らず、戦い前の最後の夜を過ごす「植木」達。流石に緊張するのか、今夜は誰もが眠れぬ様子。
「森、泣いても笑っても・・・明日の四次選考で最後だな。頑張ろう。・・・みんなと会えて良かったって、ちゃんと思えるかい?
水を飲みに来た「植木」は、読書で時間をつぶす「森あい」に声をかけます。まるで今生の別れのような彼の言葉に「これからも会おうと思えばいつでも会える」とあきれながら返す「森あい」。もっとも彼女も「アノンに勝つことができたら・・・」と注釈をつけますが。
「それもそうだな。・・・森、これ、お前にやるよ」
以前、実家で受け取ったお守りを渡す「植木」。やはり一番危険なのは戦いの素人「森あい」だと彼は忠告します。
「神様のご加護があるぞ・・・へへっ」
「あの『神様』のご加護でしょう」と半信半疑で受け取る「森あい」でしたが、「勝とうな」との言葉には「うん」とひと言、頷くのでした。
---
「明日はついに四次選考か・・・。今日はみんな頑張っていたなぁ・・・」
満月が輝く夜空の下で今日の戦いを思い出す「ヒデヨシ」。「鈴子・ジェラード」や「佐野清一郎」の戦い、「森あい」や「植木」の戦い・・・。彼らは今日、持てる力の全てを出した戦いを繰り広げました。そして、仲間を見つめ直すと言うことは、自分自身も見つめ直すと言うこと。
「俺は・・・口だけか・・・」

直接バトルで役に立てない自分自身を恥じ入る「ヒデヨシ」。彼の脳裏には、いつも自分を応援してくれる「たいようの家」の子供達が浮かびます。
「ちくしょうっ・・・一体何をやっているんだよ・・・俺は・・・」
---
「ここまでほんま長かったけど、いよいよ明日が最後やな・・・。よっしゃ、一発気合いを入れていこうか、鈴子!
ファイティングポーズを取り、気合いを入れ直す「佐野」。彼の言葉に「鈴子」は「そうですわね・・・」と気のない返事をします。
「・・・ロベルトのことか?」
心の中で考えていたことをずばり当てられて驚く「鈴子」。
彼自身は恋愛には疎いのですが「じっちゃん」に教わった「一度好きになった者は、何があってもなかなか嫌いにはなれない」という言葉を「佐野」は口にします。
「大丈夫やて、心配するな。ロベルトは絶対取り戻してやる。あのアノンとかいう奴をぶっ倒してな
「・・・はいっ」
※「佐野」と「鈴子」、良い雰囲気かな・・・と思いましたが、彼女はまだ「ロベルト・ハイドン」を忘れられない様子。それにしても、ニブい「佐野」が気づくのですから、「佐野」の方はちょっと脈あり?

同時刻、ふいに訪れる巨大な地鳴り・・・。
「何の音ですの!?」
辺りを見回す「鈴子」に、「佐野」はひとつの方向を指さします。
「あっちの方や!」
走りゆく彼らの前方に見えるのは、太陽が地に落ちたかというほど巨大な光。やや離れた「ヒデヨシ」からも視認できるほどの閃光の正体は、大質量のエネルギーがぶつかった跡でした。
「これは・・・もともと岩山だったところが削られて、谷になっていますわ
「・・・何がどうなったら、こないになるねん。・・・あぶないっ!」
上空より降り来る赤い光に「鈴子」をかばう「佐野」。そのまま地面へと激突した光は、岩山の跡にまたひとつ深い穴を設けます。そしてそこから現れたのは・・・彼らも見知るひとりの人物でした。
「あれは・・・神・・・」
続いて降り来るは青い光「マーガレット」。
神器を競い、戦いあうふたりの姿を「佐野」と「鈴子」はただ眺めることしかできません。
「こいつらが・・・ここをこんなに変えよったんや・・・」
神器・・・肉体戦・・・十つ星神器「魔王」・・・神器・・・肉弾戦・・・。いつ果てるともない戦いを繰り広げる「神様」と「マーガレット」。

「わかるものか・・・。我ら一族がどのような仕打ちを受けてきたのか・・・お前などにわかるものか!・・・未来など、くそ喰らえだぁっ!
※あの「マーガレット」が感情をむき出しにして戦っています。流石に「神様」・・・というべきか、それでも互角な「マーガレット」の方が凄いのか。

十つ星神器「魔王」も撃ち果たした両者。お互い、並の神器では相手を傷つけることすらできません。
「結局勝負つかずか・・・。過去のために生きてきたお前と、未来に生きてきた俺・・・。どちらが正しかったかわからずじまいの、骨折り損じゃのう
ガハハ笑いをする「神様」に対して、フフフ笑いをする「マーガレット」。彼はそのまま、この戦いすら茶番だとあざけります。
ふざけるな。最初から本気で勝負しようとすら思っていなかったくせに。・・・神器を使えなくする、神アイテムがあることは知っている。確か『止めるくん』だったよな。それを使っていればこの戦い、最初から僕に勝ち目はなかっただろう。・・・この期に及んでまだ僕を変える気でいたとはね。僕は今までの生き方が間違っていたとは思わない。過去があるから現在があるのだからね。哀れな末裔と笑いたければ、笑え。・・・これがモリビトの一族、私の宿命なのだから。・・・・・・だが、今を楽しく生きるためには、未来も必要なのかもな。・・・ということにしておいてやる、一応引き分けだしね」
まるで天界と地獄界の戦いのように、永久に続くかとも思われた両者の戦い。ふたりの勝負の結果は「引き分け」として決着がつきました。・・・そう、このふたりの戦いは・・・ですが。
「ふう・・・これで四次選考も無事かのう・・・」
去りゆく「マーガレット」を見ながら、息を吐いた「神様」。そこに三つ星神器「快刀乱麻(ランマ)」を引きずってひとりの少年が現れます。そしてその少年は・・・。
「違うよ・・・父さん」
慣れ親しんだ声に振り返る「マーガレット」。彼の視線に映ったものは・・・「ランマ」にて肩口から上半身を切り裂かれたひとりの男の姿。白目を剥き、生気がない表情の男、それは先ほどまで死闘を繰り広げていた相手。そう「神様」でした。
「生きるために必要なものは力さ。・・・神様、四次選考は僕が引き継ぐよ」
「ロベルト」が「マーガレット」に裏切られ、「アノン」に襲われた夜を思い出します。あのときと同じように、「アノン」は「マーガレット」が思いを変える可能性を予見していたのでしょうか?・・・万が一のために気を練り、チャンスを待ち、いざ事となったら迷いなく実行する。実に恐ろしい少年です。(T_T)。

「ありがとう、神様。・・・あなたの役目はここまでですよ」
目の前で倒れている男が「神様」だと信じられないかのように、唖然とした表情を浮かべる「マーガレット」。そんな彼にいつもの表情のまま、「アノン」は淡々と語りかけます。
「ごめんね、父さん。僕は最初からモリビトの一族なんてどうでも良かったんだ。・・・この際だから言うけれど、僕は父さんやご先祖様みたいに、代々続いてきた家柄や仕事なんて継ぐ気はないから。・・・だって僕には、僕の夢があるんだもの。・・・誰もが望む、他愛もない夢さ。・・・これが『止めるくん』か、僕が貰っておくよ」
「アノン」は「神様」の懐から「止めるくん」を取り出すと、僅かに息のある「神様」を起こして宣言します。四次選考は若干ルールを変えて僕が引き継ぐ・・・と。
「・・・いただきまーす」

---
「神様」がルールブックというのであれば、自分が「神様」に変わればいい。そんなことは簡単さ。だって僕は「モリビトの一族」だもの。
---
その場を見守る・・・いえ、視線を逸らすことさえできずに立ちつくす「佐野」。彼はかつて「アノン」が言っていたことを思い出します。
「僕は地獄人アノン。取り込んだ者の能力を使うことができる。
ロベルトの理想を現実に変える能力も、そして神器も・・・」
見ているだけでお腹がいっぱい・・・。うっぷ。(>_<)。

自身の夢を叶えるためには「より強い相手と戦う必要がある」と話す「アノン」。三次選考をそのまま進めたのも、相手をより強くするためだったと彼は話します。
※そしてこの会話を「佐野」に聞かせているのも、全て自分の思惑通りと彼らに思わせ、怒りのパワーでより強くさせるため?

「流石神様だ・・・道を創るのには丁度良い、おあつらえ向きの能力を持っているじゃないか。・・・亜神器『天地創造(テンソウ)』!」
その言葉通り、瓦礫を巨大な「道」へと創造しなおした「アノン」。
続けて「止めるくん」に備わった映写機を利用し、夜空に自分自身の姿を映し出します。
「え・・・っと、皆さん、起きてください。スケジュールを変更しまーす。・・・繰り返します。スケジュールを変更しまーす。明朝より、四次選考を行う予定でしたが・・・只今より四次選考を開始いたしまーす

かくして「神」亡き世界へと化した「うえきの法則」。全ては「アノン」の思惑通り、彼の「夢」を叶えるために物語は進んでいきます。叶えるためには「より強い相手と戦う必要がある」という彼の「夢」。その正体を視聴者は知るよしもありませんが、ひとつだけ確実に言えることがあります。それは「アノン」の「夢」を止めるのは一人しかいないということ。「植木耕助」!お前に賭けたぁっつ!!

| | コメント (0) | トラックバック (2)

うえきの法則_TV46

第46話「神と少女と未来の法則」

2週間ぶりのおまたせ「うえきの法則」! 全ての発端となった25年前の出来事。「植木春子」と神様との出会いが、今回のバトルのきっかけだったと言います。さてその気になる内容とは・・・。

ときは25年前。先代から引き継いだ神様業も「モリビトの一族」との争いに頭を痛めていた「神様」。気晴らしに訪れた人間界で、ひとりの女子高生「植木春子」と出会います。
(誰が原因かはおいておいて)不良に絡まれたところを助けて貰った「春子」は、恩返しと「神様」を様々な場所へ連れ回します。
 【神様とのデート-1970-80年頃の流行にのせて-】
  1.お気に入りのカレー屋さんで食べられないほどのカレーをご馳走。
   ※ハウス食品によると1980年初頭にかけてカレーの消費がピークを迎えました。
  2.動物園で来日したばかりのパンダを観賞(「春子」、パンダに襲われる)
   ※「カンカン」「ランラン」が来日したのが1972年。1980年には「ホアンホアン」が来日しています。
  3.流行していたボーリングをプレー(「春子」、ガーターの連続)
   ※ボーリングブームが訪れたのは1970年前後と言われています。
  4.カップルの憧れ、遊園地のコーヒーカップ(「春子」酔って気分が悪くなる)
  5.プリクラ代わり?証明写真をふたりで撮影(「春子」調子に乗りすぎて4コマ漫画の落ちとなる)
  6.人気絶好調ピンク○○○○の武道館コンサート(神様を父と偽り、ピンク○○○○と記念撮影)
   ※「S.O.S」は1976年、「ウォンテッド」、「UFO」は1977年ですね。
もはや当初の目的を忘れ、「神様」を彼氏(興味は小説書きのみ。「源五郎」?)代わりに引っ張り回す「春子」に疲れ果てた「神様」。隙を見て「春子」のもとを逃げ出しますが、そこに聞こえてくる悲鳴。目をやると、踏切の真ん中に立ち往生する老婆の姿が。
遮断機は下り、電車も近づく中、老婆は既に諦めムード。踏切前の人々も迫り来る電車に助けることができません。
「昨日、孫のひろしが作っておったジグソーパズルを壊したから罰が当たったんじゃ・・・」
そんな様子を見ながらも、動くことのできない「神様」。
『人の生死に関わることに神は介入してはならん・・・それが天界のルールなんじゃ・・・すまん』

「神様」さえもが諦めかけた瞬間、凄いスピードで走り抜けていくひとりの女性の姿が。そう、「植木春子」はためらうことなく踏切を飛び越えて線路へと入ります。
※どうやら三次選考の日は「植木春子」の命日だったようですね。久しぶりに「植木源五郎」と「植木翔子」が登場していました。

「おばあちゃん、今取ってあげるからね、大丈夫だよ。そんな昨日のことを気にして、おばあちゃんが死んじゃったら、きっとひろしくんも悲しむよ
挟まった足を外しながら、老婆を説得する「春子」。彼女は言います。たとえケンカをしていても、いつかは仲直りができるかも知れないと。
「私ね、将来看護師さんになるの。そのために本を読んだり、勉強したりしているだけで・・・明日のことを考えているだけで、それだけで毎日が楽しいんだ。・・・明日もおばあちゃんが元気でいるってわかっただけで、私も楽しく生きられるんだから!
「春子」の言葉に衝撃を受ける「神様」。彼女はただポジティブシンキングしているのではなく、明日を信じているから、未来を信じているからこそ前向きでいられるのだと「神様」は気づかされたのです。
「・・・たっく、この自己中娘がぁっ!」
「春子」の考え方に、生き方に心動かされた「神様」は、自然と身体が動いていました。まさに電車がふたりを撥ねようとした瞬間、飛び出し、その命を救った「神様」。ルールを破り、自ら天界の罰を受けることに苦虫をかみつぶした「神様」へと向けられる「春子」の笑顔・・・。
---
「その時・・・俺はわかったんじゃ。あの地獄人『モリビトの一族』に与えてやらねばならぬもの。・・・それは才でも領土でもなく、未来なのじゃと
※つまり「モリビトの一族」には信じられる未来がないから、過去に囚われて罪を重ねている・・・と

恩返しをするといいながら、逆にまた助けられてしまった「春子」。夕方の公園で、彼女は「神様」に頭を下げます。
「いいよ、もう。『・・・それにひとつ、大事なことを教えて貰ったしのう。過去に囚われたものを正しき道へ導いてやれるのは、未来に向かって生きている、ガキどもだけかもしれんってことを。・・・そうじゃ、次の神を決めるときは、こいつぐらいのガキ達とモリビト達を戦わせて決めよう。連中が狙っている「空白の才」を優勝賞品にすれば、密かに参加してくるじゃろう』」
考え事をしていた「神様」へと差し出される「春子」の手。そこにはちょっと派手目なサングラスが握られていました。
「・・・本当は彼氏にあげるために買ったんだけれど。・・・ははっ、似合っています、似合っています!」
サングラスを頭へ引っかけて喜ぶ「神様」。彼は代わりにと、自分が身につけていた十字のピアスを差し出します。
「なら俺からは、このピアスをやろう。ありがたく思えよ」
---
「というわけで、このバトルが始まったんじゃ。・・・だが俺の目論見は、意味を成さなかったようじゃのう。・・・地獄人を四次シードにしたもうひとつの理由。それは未来のために戦うガキ達の姿を見て、過去に囚われることの愚かさに気づいて欲しかったんじゃが・・・それもここまで。関係ないガキどもを地獄人の犠牲にするわけにはいかん。奴らには、俺自らが引導を渡す
※自らの復讐心で事をなすことの愚かさ、ましてや先祖達が受けた屈辱を晴らすための復讐心で事をなす愚かさ。それに気がつく人達が多ければ、世界各地で行われている紛争のいくつかは、平和的に解決できたかもしれませんねぇ。

「・・・お待ちしておりましたよ、神様」
「神様」の登場に驚きもしない「マーガレット」。背を向けたまま「神様」を出迎えた彼に、「化かし合いはもう止めよう」と「神様」は話しかけます。
「マーガレット・・・いや、モリビトの末裔よ」

千のように細い目を開き、「神様」の表情を伺う「マーガレット」。とぼけても無駄だと理解した彼は「完璧に演じたつもりでしたが」と「神様」の眼力を褒め称えます。
「さすがは、歴代の神の中でも最高峰の智略家と謳われるだけのことはあります」
「マーガレット」の言葉に「流石、俺」と喜び、調子に乗る「神様」。その姿を見て再度褒め称える(?)「マーガレット」
「・・・そして同時に、最高峰のお調子者と謳われるだけのことはある」
怒り狂う「神様」を無視して、「マーガレット」は話を続けます。
「しかし、そのせいでまんまと騙されました。確かに・・・思い起こせばあまりに不自然だったかも知れない。あなたほどの神が、人間界に子供を落とした僕やパグに気がつかないなんて。・・・しかも、時効が成立する10年もの間
※つーか、時効があるのか、天界にも。(^^;)。

「モリビトの一族」が暴走した際に、人間の子供だけでは防ぐことはできないと、保険の意味もあって「天界人」の子供の参戦も黙認していた「神様」。あえてルールに穴を設けていた「神様」と、ルールを逆手にとって手駒を増やした「マーガレット」。頭脳戦、智略戦ではほぼ互角の戦いに「神様」は終止符を打つと宣言します。
「そのマーガレットの身体、返して貰うぞ」
実力行使を宣言した「神様」に対して「できるものならね」と応じる「マーガレット」。能力者同士のバトルとは比べものにならない戦いが、今切って落とされます。

43thステージ -番外編-
 天界代表:「やる時はやる。・・・滅多にそんな時はこないけど」神様
 地獄代表:「地獄人だけれど天界人。雰囲気がマジでデ○ランダル議長」マーガレット

まずは「植木耕助」達とは比べものにならないほどの巨大な三つ星神器「快刀乱麻(ランマ)」で斬り合う両者。互角と見るや、「マーガレット」は搦め手の八つ星神器「波花」を繰り出し、変幻自在の攻撃へとチェンジ。負けずに「神様」も六つ星神器「電光石火(ライカ)」にて攻撃を避けつつ接近戦へと持ち込みます。
「喰らえぇっ、ピック!」
五つ星神器「百鬼夜行(ピック)」によるゼロ距離射撃を放つ「神様」に対して、その攻撃を予測していた「マーガレット」は直前で回避。超巨大な四つ星神器「唯我独尊(マッシュ)」にて逃げ道ごと「神様」を一呑みします。
「ぐおぉおおっつ、ガリバー」
まさに喰われる瞬間に七つ星神器「旅人(ガリバー)」にて「マーガレット」も囲い込む「神様」。両者の箱形神器にて結果は相撃ち?・・・いえいえ、ほぼ同時に周囲を多う神器を切り刻んだ両者は、肉弾戦へと突入します。
「でぇええぇぃっ・・・ふんっ・・・くうっ・・・わからんのう・・・なぜそこまでして天界の乗っ取りに執着する?・・・過去にこだわる?
クロスカウンターにて吹き飛ぶ両者。お互いに決め手を欠く攻防は、しばし睨み合いに変わります。
「俺は昔、ある娘から未来を・・・未来を信じる大切さを教えられた
「ふん・・・そいつを見習って、僕たちを未来を信じて生きろ・・・とでも
表情ひとつ変えずに鼻で笑う「マーガレット」に、真剣な表情のまま言葉を返す「神様」。
いや・・・死んだよ、12年前・・・事故でな
※流石に中学生の天界人とは比べものにならないほど巨大な神器による応酬。ただ読みあいによる攻防がないぶん、試合のおもしろさには欠けますね。

「はい、お母さん。今年はチキンカレーよ」
母の命日には、毎年カレーを捧げてきた「植木」家。丸テーブルにカレーライスを4つ乗せて、「源五郎」と「翔子」は「春子」の遺影を前に想い出を語ります。
「本当、母さんはカレーライスが好きだったなぁ。作るカレーも絶品だった」
父の言葉に頷きつつも、少し寂しげな表情を浮かべる「翔子」。そう、母を除いても、まだテーブルには空きの席があります。
「でも、耕ちゃんがいないお母さんの命日って、初めて
「別の世界に行っているんじゃあ、仕方がないさ。・・・さあ、冷めないうちに食べよう」
---
「・・・ずいぶん前向きなお袋さんやったんやな。くよくよしとったって、何も始まらへん。人間、前向きじゃないとあかん」
そして天界。こちらも「森あい」特製のカレーライスを前に、「植木」が自分の母親「春子」のことを仲間へと話していました。四次予選を前にしてひとときの休息を楽しむ「植木」達。母のことを話す「植木」の顔は、嬉しそうでもあり、誇らしげでもありました。
※相変わらずの「森あい」料理。見た目はちょっと・・・ですが、味はきっとGood!なのでしょう。

「あいつにとって30年弱だったが、きっと幸せな人生であったと俺は思う。それはあいつが未来を見つめて生きていたからじゃ。・・・そればかりか、あいつの思いは受け継がれ、多くの人間達を未来へと導いておる。お前だってできるはずじゃ。今を生きるために必要なものは過去じゃない、未来なんじゃっ!
「神様」の言葉に耳を貸さない「マーガレット」。彼は言います。自分たち「モリビトの一族」の、天界にかける思いは並ではないと。
「ならば仕方あるまい。未来のために生きてきた俺と、過去のために生きてきたお前、どっちの生き方が正しかったのか、今ここではっきりさせるしかないのう
互いに最終奥義を繰り出すべく気を溜める両者。未だ明かされてはいない神器が今、呼び出されようとしていました。
「だあああぁあああっ! 十つ星神器・・・魔王っ!!
天を貫くほどの巨大な気の塊が、今ふたりを包み・・・周囲を眩しい光の球が覆います。巻き込まれて、消えていく土柱の数々。そして残ったものは・・・

前半は「神様」と「春子」のラブラブ(?)デートでしたね。残り話数を考えると、こういうほのぼの話はラストかもしれないなぁ。
さて、ついに「マーガレット」と「神様」が激突したわけですが、意外なほど実力伯仲。「神様」といえども特別な天界人・・・というわけではなさそうですね。選挙で選ばれるわけではないでしょうが、総理大臣や大統領と同じようなものなのかな。
それでも最後は、流石に十つ星神器「魔王(まおう)」。その激突は、まるで「オトメ」同士の争いを思い起こさせるほどの威力(おい。
・・・それにしても気になるのは次回タイトル。「植木」じゃないけれど、「神になったアノンの法則」って、どういう意味だ?・・・やっぱりそういう意味!?

| | コメント (0) | トラックバック (3)

うえきの法則_TV45

第45話「過去からの攻撃の法則」

いよいよ明らかになった「植木耕助」レベル2! エコロジーアニメらしく、「リバース」にて「相手の能力を元に戻してしまう能力」は現代日本にピッタリです。さて、あとはこの能力が「李崩」「アノン」に通用するかどうか・・・ですが。(既に「バロウ」は眼中に無し。(^_^;)。

「植木」のレベル2、その恐ろしさに気がつく能力者達。「バロウ」が放った神器もその能力の前に、「過去の映像」へと戻されてしまいます。
「・・・なるほど、消しちゃうんだ。・・・できれば、僕の過去も消してほしいくらいだよ
「バロウ」の言葉が気にかかる「植木」。しかし、深く考える間もなく「バロウ」は次々に攻撃を仕掛けてきます。
「威風堂堂(フード)、レベル2!」
巨大な壁にて「バロウ」の神器を映像へと戻していく「植木」。しかし、様々な方角から責めてくる神器全てを防ぐことは「フード」にはできません。
「甘い、甘いよっ!・・・僕は過去だけではなく、目的のために全てを捨てる覚悟はできている
今までは自ら禁じてきた、八つ星神器「波花」などの自分と一体化する神器を使ってでも「植木」を倒すという目的に全てを賭ける「バロウ」。
「・・・もっとも優先すべきは目的を達成することなんだ。たとえ・・・この忌々しい神器を使い続けることになろうとも」
※「冷徹」以外の感情を見せることがなかった「バロウ」。それが「植木」のレベル2の正体を知ってからは別人のように「焦り」など他の感情が見え隠れしています。これも彼の「過去」に原因がありそうですが・・・。

神器を放つたびにフラッシュバックのように蘇る、忌むべき過去の記憶。モノクロの映像の中で、幼き「バロウ」は既に一つ星の神器「鉄(くろがね)」を使いこなしていました。パジャマ姿の彼が放ったその銃弾は、ひとりの女性を貫きます。
「・・・泥棒だと思った。だって母さんは絵の仕事で遅くなるって言っていたから・・・。その日、僕は・・・母さんの声と音と、全ての感情を奪い・・・自分が化け物だと知ってしまった
それは「事故」・・・そのひと言で言い表すにはあまりにも酷い現実でした。自らの母親を神器で打ち抜き、全ての感情を奪ってしまった「バロウ」。母親が好きだった絵を描いて見せても、その瞳にはもう何も映りません。
「・・・母さん、以前言っていたよね。良い絵には人の心を揺さぶる力がある・・・って。でも、僕の絵は・・・母さんの心には全然届かない・・・」
毎日、毎日絵を描き続ける「バロウ」。「もっと上手な絵を描けば、必ず母さんの心には届くはず」。晴れの日も・・・雪の日も・・・雨の日も・・・。
---
いつしか時は流れ、幼き「バロウ」は少年へと成長していました。
幼き頃とは比べものにならないほど上達した絵を母親に見せる「バロウ」・・・しかし、その瞳は何も語ることはありません。
そして、彼の前に再び運命の夜が訪れます。
---
「・・・おい、盗るものを盗ったら、とっとと引き上げるぞ
「まずい、人がいるぞ・・・顔を見られた!?
深夜、誰もが寝静まった夜にかすかな声が聞こえます。ただならぬ予感にベッドから飛び起きる「バロウ」。彼が母親の部屋に飛び込んだ時、今まさに強盗が母親の首を絞めようとしていました。
「母さんから・・・離れろぉっ!」
無我夢中で神器「くろがね」を放つ「バロウ」。その銃弾は母親の首にかかっていた強盗を吹き飛ばし、彼女の命は救われます。
「母さん・・・母さん!」
暗闇に目が慣れぬまま、母親を揺り動かし、声をかけて安否を確認する「バロウ」。ようやく目が慣れてきた彼の目に、感情が・・・恐れが戻った瞳でこちらを見つめる母の顔が映ります。そして、その恐怖に怯える視線は・・・「バロウ」の神器「くろがね」を見つめていました。
高鳴る鼓動・・・蘇る過去の記憶・・・。気がつくと「バロウ」は、雨の中、外へと走り出していました。
『・・・僕が母さんの本当の子供じゃないってことは・・・とっくに気がついていた。・・・それでも僕はずっと母さんと暮らしていたかった。・・・本当の親子のように!・・・でも、それは無理な願いだったんだ。だって僕は・・・化け物だから!!
神器をしまうこともなく走り続ける「バロウ」。雨に素足が滑り、転んでも彼は立ち上がることも忘れて泣き叫びます。・・・そこへかけられる優しい声。
・・・バロウくんだね。事故で寝たきりのお母さんを看病している・・・」
「バロウ」は言います。「僕に近づかないで・・・僕は化け物だから」と。優しい声の主「偽マーガレット」は・・・その周りの人達は続けて「バロウ」に言葉をかけます。「大丈夫。我々も君と同じ・・・化け物だ」と
「我々はきみの力が必要なんだ。力を貸してくれれば・・・どんな望みも叶えてあげよう。君の望みは・・・なんだい?
望み・・・希望・・・彼の願いは、昔からたったひとつ。小さな、小さな・・・でも心から願い続けてきたことは、たったひとつ。
「母さんと一緒に暮らしたい・・・僕の描いた絵で母さんを戻してあげたい。人間に・・・なりたい」
※これは確かに・・・重い。「うえきの法則」に登場する能力者達は、皆が悲しい過去を持ち、乗り越えようとしている者達の集まりですが、今回のも重いよぉ。・゚・(ノД`)・゚・。。

「僕は、人間になる」
忌々しい過去・・・忌むべき神器を使ってでも、その目的へと突き進む「バロウ」。
彼はその能力をフルに使い、過去の自分の映像を次々と現実に変えていきます。十数もの神器が降り注ぐなか、「波花」レベル2でその全てを叩き落とそうとする「植木」。
「ひとつ・・・取りこぼしているよ」

「波花」の隙間を抜け「植木」へと勢いよく突き刺さろうとする「バロウ」の五つ星神器「百鬼夜行(ピック)」。しかし、それは過去として存在する「バロウ」自身を打ち砕こうという、「植木」の作戦でした。
「過去を消すんだ、バロウ!」
チームメイト「キルノートン」の言葉に頷く「バロウ」。彼は自らの過去を・・・。
「もちろんさ、過去なんて・・・・・・・・・」

動きが止まった「バロウ」。彼の瞳には「過去」というキーワードから呼び起こされた想い出が見えていました。それはまだ元気だった母親が、青空の下でキャンパスへと向かう姿、にこやかに何かを話しているその姿、自分へとウインクするその姿・・・。
『母さん・・・』
「ピックゥッ!・・・これで・・・終わりだぁああぁあっ!
硬直する「バロウ」に気づくこともなく、過去の「バロウ」へと「ピック」を叩きつける「植木」。壁に叩きつけられる映像・・・それは幻となって消え、代わりに衝撃を受けるのは現在の「バロウ」。しかし、彼は痛みを感じることもなく、衝撃に倒れ込みながらも思い起こしていました。悪夢ではない、過去の日を・・・。
「バロウ」の過去を「植木」が知っていれば、気がついていれば、この戦いはまた別の結果になっていたかも知れませんね。彼には「バロウ」の思いが、痛いくらいに共感ができたのではないでしょうか。

「何を描いているの、バロウ?・・・お母さんに見せてごらん」
母親の言葉に、うまくないからと躊躇する幼き「バロウ」。それでも持ち上げたその絵には、クレヨンで描かれた母親の姿がありました。

「お母さん。・・・やっぱり下手だよね」
ちょっとうつむきながら、それでも母親の顔を見上げる「バロウ」。そこには笑顔で、目尻にうっすらと涙を浮かべた母親の顔がありました。今までで一番嬉しそうな母親の顔が・・・。
『あのとき・・・母さんとっても大切なことを言ってくれたような気がする
「植木」の攻撃に倒れ、薄れゆく意識の中で両手を前へと広げる「バロウ」。
「過去の映像を・・・現実に変える能力・・・」
その広げた手の中に、浮かび上がるあのときの母の姿、幼き自分の姿。母親は自分の目の高さまでしゃがみ込み、頭を撫でながら話して聞かせたのです。
「うまい下手なんて関係ないの。心のこもった絵なら、必ず見た人の心に伝わるものなのよ」
母親の言葉に、自分が「巧さ」ばかりを求めて「心」をこめることを忘れていたことに気がついた「バロウ」。
『僕の絵が母さんの心に届かなかったのは・・・僕が化け物だからじゃ・・・なかったんだ
「ありがとう・・・バロウ」
その言葉ともに、彼の能力はゆっくりと消え、「バロウ」は安らかな笑顔で倒れ込むのでした。

※・゚・(ノД`)・゚・。。

「五試合目勝者、植木耕助!・・・よって三次選考最終戦は・・・植木チームの勝利じゃあっ!
「神様」の言葉とともに、三次選考は全て終了。3勝1敗で並んだ「植木チーム」と「バロウチーム」が四次選考進出を決定。
ようやく目を覚ました「バロウ」のもとに駆け寄るチームメイト達。そしてその姿を見ながら「植木」は彼に話しかけます。
「俺には・・・目的のために全てを捨てる覚悟なんてできねえし、したくもねえ。・・・けど・・・」
彼の元にもまた駆け寄る仲間が、「佐野清一郎」や「ヒデヨシ」や、「鈴子・ジェラード」や「天界獣(テンコ)」や「森あい」がいます。
「・・・何も捨てない覚悟なら、とっくにできているんだ」
笑顔で話す「植木」の言葉に「バロウ」もまた・・・。

※「全てを捨てる覚悟」と「全てを守る覚悟」。どちらも大変な覚悟が必要です。でもこの戦いのあと、「バロウ」の覚悟はちょっと変わったかもしれませんね。(^_^)。

選手が去った会場でゆっくりと息を吐く「神様」。そしてその近くにて表情を見せずに佇む「神補佐」。
「・・・終わっちまったな、三次選考」
いつもの馬鹿笑いをし、不真面目が歩いているような姿は・・・微塵も見られません。
「ここまでは、あなたの思惑通り、事を荒立てることなくやってこられました。・・・でもこの先、いかがなさるおつもりなんですか・・・あの地獄人達を
「神補佐」の言葉にも黙り込んだままの「神様」。さらに「神補佐」は言葉を続けます。
あなたは本来、二次選考までだった予定のバトルを急遽変更。二次選考をくじ引きとして、三次選考、四次選考を設けた。・・・最初はどうせ神様の気まぐれとばかり思っていましたが・・・あの話が本当なら納得がいく
そう、「森あい」が「アノン」のことを「神補佐」に訴えた時、彼はひとつの可能性に気がついたのです。
「あなたは三次選考で余計な犠牲者を出さないようにするため、イカサマのくじで四次選考のシード権を与えた
「神補佐」の追求にとぼける「神様」ですが、やがてその事実を認め、真意を語り始めます。
「・・・お前にも話しておくべきかもしれんな」

---
【25年前の天界】
神様は30才(独身)、趣味は「ディスコでフィーバー」でした。(おい
「あんた、先代から引き継いだ仕事も全然手をつけてないだろう」
当時の「神補佐」に不真面目さを追求された「神様」は、「好きでなったんじゃない」と、神様選抜の理不尽さ(当時は勅命)を訴えかけて誤魔化します。しかし、仕事をしない本当の理由は別にありました。
「先代から役目を引き継いだばかりのわしは、大きな問題を抱えとった。それがあの地獄人達、モリビトの一族のことじゃった・・・」
その昔、天界人と地獄人との間で行われてきた抗争。それを和解させたのが、その当時の神様と地獄界の長でした。
「・・・互いに干渉しないことで平和が訪れ、争いの歴史も記憶の彼方に消え去った。・・・しかし、モリビトの一族だけは違った」
過去のしがらみにとらわれて、争いを止めようとしない「モリビトの一族」。彼らは持って生まれた能力「他の者の身体を取り込んでその能力を得る」を使い、「空白の才」を手に入れるために機会を待ち続けていたのです。
その対策に頭を悩ましていた「神様」は、気晴らしに人間界へ訪れ、ひとりの変わった女子中学生と知り合います。ナンパ男を回し蹴りして退けるくらい変わった少女の名前は「植木春子(林原めぐみ!・・・ここに持ってきたか)」。
「25年前のそいつとの出会いが、このバトルを始める全てのきっかけじゃった・・・」

今日の「うえきの法則」は早いなぁ。やっぱり面白いと時間が短く感じるね・・・と思っていたら、なんと「神様」と「植木」の母親(であろう人)との出会いが。・・・「神様」、女子中学生に手を出すのは犯罪ですぜ (突っ込み箇所が違う。
冗談はさておき、やはり「マーガレット」達の悪巧みに気がついていた「神様」。被害を最小限にする最善の手が、あの「くじ引き」だったわけです。そして意外にもすっとぼけ演技派だった「神候補」。なかなか役者ですな。そしてそして、今語られようとしている本バトルの発端、それは「植木耕助」の母親が関係している!?
これは来週も見逃せませんよ・・・って、来週は休みかいっ!

| | コメント (0) | トラックバック (4)

うえきの法則_TV44

第44話「植木・レベル2!の法則」

「天界獣(テンコ)」いわく「全ての神器を失った」状態の「植木耕助」。サブタイトルとあわせて考えると、それこそが「レベル2」をGetするための試練に他なりません。生みの親から与えられた最初で最後のプレゼントに、彼は見事答えることができるのでしょうか。

「・・・お前がレベル2になる唯一の方法。・・・それは、神器を捨てることだ。一度しか言わないから良く聞け」
 【レベル2になるには】
  ・レベル1の天界力を完全にコントロールして、心から強くなりたいと願うこと。

「おっちゃん(=パグ)」が教えてくれた方法は一見、簡単に見えますが、「植木耕助」にはちょっと難題でした。なぜならば彼は「神器の天界力」+「神候補からもらった樹の天界力」を持っているので、完全にレベル1の天界力を使いこなさずにここまで勝ち上がってきたからです。
「・・・それなら、ふたつの天界力を同時にコントロールできるようになればいいってことじゃねえか」
「テンコ」は「パグ」に提案しますが、この案はあっさりと却下されます。
「ふたつの天界力を同時に、完全にコントロールできるのは、ほんの一握りの天才だけ。・・・たとえば、そうロベルトのような
結局「パグ」の言うとおり、一時的に「神器」を捨てて「樹」の天界力を完全に使いこなす道を選択した「植木」。しかも残された時間はあと僅か。
「・・・可能性があるとすれば、実戦。マジな戦いの中で能力を磨けば、あるいはレベル2になれるかもしれない」
かくして「植木」は対「バロウ」戦を神器なしで戦い抜くことになったのです。
※なかなかの知識力、そして「植木」から「テンコ」に一時的に天界力を移動する能力を持つ「パグ」。神様を目指していただけあって、なかなかの実力者ですね。

たとえ「植木」がピンチになっても「神器」を戻すことはできない(今回の方法は1回だけのバクチのようなもの)「テンコ」。その話を聞いた「森あい」や「鈴子・ジェラード」「ヒデヨシ」は「いくら何でも無茶苦茶だと」この方法に反対しますが、「テンコ」は聞く耳を持ちません。
「・・・俺は、耕助を信じる」
その卓越した戦闘能力と、残された「ゴミを樹に変える能力」で「バロウ」の攻撃をかわそうとする「植木」。しかしレベル2の「佐野清一郎」さえもが敗退した「バロウ」の実力は並大抵のものではありませんでした。樹で作成したレールで一つ星の神器「鉄(くろがね)」の軌道を変更するも、次から次へとあらゆる方向から襲ってくる「くろがね」に為す術もない「植木」。彼の情けない戦いぶりに「バロウ」も失望します。
「・・・なんで神器を捨ててまでレベル2を得る必要があるの。ここで負けたら、それこそ君は目的を達成できなくなる。・・・それって本末転倒じゃない
とどめとばかりに繰り出された四つ星神器「唯我独尊(マッシュ)」による一撃に、「植木」の命運も尽き果てたか
※流石に「バロウ」相手に実戦でレベル2になるのは辛いですね。もっと早くおみくじルーレットで選ばれていれば・・・というところでしょうか。

「・・・君たちの目的は、確か地獄界にいる神候補を助けること・・・だったよね。でも植木くんは本当にその目的を達成する気・・・あったのかな
「植木」の戦いへの姿勢を批判する「バロウ」。彼は言います。自分だったら「八つ星天界人」として「アノン」の優勝へ尽くし、その褒美として「コバセン」他を助けてもらうと。
それがより簡単に、確実に目的を達成する方法じゃないか。・・・それができなかったから植木くんはここで敗れ、目的が達成できなくなった・・・でしょ」
決して強がりでもなく、傲慢でもなく、淡々と「植木」の負けを、その間違った戦い方を批評する「バロウ」。その言葉に反論できない「植木チーム」・・・しかし、彼の名を呼ぶ声に、「バロウ」の「マッシュ」を成長する樹で破壊して「植木耕助」は再び立ち上がります。
「・・・まだだ。・・・まだ俺は負けちゃいないし、お前に勝って絶対レベル2になってみせる!
その言葉こそ力強くはありますが、既に息絶え絶え、ボロボロの「植木」の姿に「テンコ」は「バロウの言うとおりだ」と半分諦めモード。何より、彼の能力、同時に数カ所から神器が襲い来る秘密を誰ひとり解き明かすことができていません。
※「ヒデヨシ」の「神器をコピーしている」という推測も外れ。やはり役回りが違うようです。・・・最近「ヒデヨシ」活躍していないなぁ。(^_^;)。

「・・・デジャヴ・・・やろ。・・・悪い、うっかり寝てもうたわ。・・・『過去の映像を現実に変える能力』。それがお前の能力やろ
あれほどの攻撃を喰らいながら「寝ていた」のひと言で立ち上がった鉄人「佐野」。彼は「くろがね」の最初に放たれた軌道と、2度目の軌道が同じ事から「バロウ」の能力を見事に看破してのけました。
言うなればこれは、デジャヴする神器なんや。・・・こいつは自分と一体化した神器を出していない。それこそが、こいつが過去像を現実化している最大の証拠や」
【2種類の神器】
 ・自分と一体化して放つ神器:
  三つ星の神器「快刀乱麻(ランマ)」、五つ星神器「百鬼夜行(ピック)」、
  六つ星の神器「電光石火(ライカ)」、八つ星神器「波花」
 ・打ち出す、突き出すなど自分と離して扱える神器:
  くろがね、二つ星の神器「威風堂堂(フード)」、マッシュ、七つ星神器「旅人(ガリバー)」
その見事な推理力にシャッポを脱いだ「バロウ」。「佐野」の予想通りだと認めますが、未だ戦いが「植木」不利なのは変わりません。
※流石「佐野」。普段は不器用一直線といった彼ですが、こと戦いに関してのセンスは「植木」と双璧を成しますね。(^_^)。

さて、同時刻の地獄界。看守から「植木」がレベル2になるために神器を封じていると聞きつけた「犬丸」はさっそく「コバセン」へと報告。しかし、あたふたする「犬丸」を後目に「コバセン」は実に落ち着いた様子。「植木耕助」がレベル2になることを、心底信じて疑わないようです。
「・・・面白くなってきやがった。なにせあいつのレベル2はこのバトルを根本から覆すからな」
意味を尋ねる「犬丸」の質問をはぐらかす「コバセン」。やっとの思いで聞き出したその答えは・・・。
植木の『ゴミを樹に変える能力』は、そもそも他の奴らの能力とは根本的に違うんだ。気がつかなかったか?・・・あいつの能力は最弱と言ってもいいかもしれない、だがな・・・」
※うわっ、引っ張る~。確かに「植木」の能力はちょっと異質。でも「犬丸」さん、「佐野」の「手ぬぐいを鉄に変える能力」も、相当弱いですよ。はい。

防戦一方・・・いや、既に防戦すらできていない「植木耕助」。その戦いを見守ってきた「植木チーム」ですが、既に見るに見かねる状態になってきました。
「テンコ・・・お前、植木を信じろと言ったが・・・けど、そんなものはクソ食らえだ。・・・違うだろうが!・・・目の前で仲間が苦しんでいるのに、そんなに器用に気持ちをコントロールしている場合じゃないだろう!・・・そんな綺麗事よりあいつの命の方が何百倍も大事じゃねえのかよっ!
「ヒデヨシ」の言葉、さらに「佐野」の言葉、・・・そして「テンコ」自身の気持ち。「植木」の大ピンチに叫ぶ「森あい」と「鈴子」の声に、ついに「テンコ」の決意は固まりました。
「約束破った責任・・・一緒に取れよおっ!」

放たれた光の束、仲間の思いと「神器」の天界力が合わさった光が、「植木耕助」へと向かいます。
「ダメだ・・・間に合わないっ」
その光が届く前に「バロウ」によって放たれた多量の「くろがね」、「マッシュ」が「植木」を襲います。そして次の瞬間、両手を伸ばして「ゴミを樹に変える能力」を発動する「植木」。彼を中心に様々な光が舞い踊ります。まるで台風にも似たそれが・・・。
---
「いいか?『手ぬぐいを鉄に』『相手をメガネ好きに』『ビーズを爆弾に』『声を似顔絵に』・・・つまり、AからBへと一方通行に変化させるのが、バトルにおける・・・能力の本質だ。だが植木の能力は少し違う。・・・たとえばゴミを樹に変えても、その一部をゴミとしてまた樹を作ることができる。・・・唯一あいつの能力だけが一方通行ではなく、リサイクルしているんだよ
「コバセン」が説明する「植木」の能力の違いに気がつき、思わず声を上げる「犬丸」。そう、彼のレベル2は・・・。
「・・・あいつのレベル2とは、そのリサイクルの流れを相手の能力にも及ぼすことができる。相手がいくらAをBに変えようと、それを強制的に、またAへと戻してしまう能力。・・・言うなればリバース。・・・まさにこのバトルの本質を根本的に覆してしまう能力
---
すんでの所でレベル2を発動させた「植木」。その「リバース」により「バロウ」が出現させたデジャヴ・・・過去の神器の映像から作られた現実の神器は、再び過去の映像へと戻されてしまいました。
ぶっちゃけ「最・終・兵・器」。『鉄は手ぬぐい』に『爆弾はビーズ』に『似顔絵は声』に『メガネ好きは』・・・あれ?。まあともかく、かつてない次元の能力誕生!

「最近思うんだけどよ、植木がこの能力を選んだのは、偶然や気まぐれではなく・・・『ゴミを樹に変える能力』の本当のすごさを、あいつは直感みたいに最初から感じていたんじゃないかな

「うえきの法則」を象徴するリサイクルマーク。それがここに生きてきました。いうなれば『能力者をただの人』へと戻してしまうのが「植木」の能力。それはまさにバトルの本質を変える能力です。この勢いで「バロウ」もノックアウトして、目指すは「李崩」、そして「アノン」、さらには「マーガレット」だぁっ!!
・・・ところで最後のプレゼント告知、声は「井上和彦」ですよね。アフレコ監督としてクレジットされている彼の声を聞くことができるとは・・・なんかラッキー

| | コメント (0) | トラックバック (1)

うえきの法則_TV43

第43話「ぶりっ娘ポーズの法則」

奇しくも頭脳派同士の戦いとなった「佐野清一郎」VS「ディエゴスター」
攻撃の読みにかけては相手が一枚上手と判断した「佐野」は、超磁力を利用した一か八かの賭けに出ます。一見、破れかぶれに放ったかに見えた「ブーメランカッター」の乱射。「ディエゴスター」はあっさりと見切り、「佐野」が仕掛けた鉄の「スーパーボール」も不発・・・かと思われましたが、それも作戦。本来の目的は地面に突き刺さった多数の「ブーメランカッター」による「ディエゴスター」の足止めでした。
「・・・せめて足だけでも封じようというわけか。だが所詮、私の神器が見えぬ以上・・・ぬっ!ここは、無効化エリアの縁
見事、能力無効化エリアの手前ギリギリで「ディエゴスター」を封じた「佐野」。互いの能力が封じられた以上、勝負を決するのは腕力のみ!?
※自分の能力を完全に理解して、なおかつ能力に頼り切らない戦い方をする。結構似たもの同士の戦い。持久戦か、アイデア勝負であっけなく決まるのか?

「なんだ、あの加速!?」
なんとなんと、足に巻いた鉄の手ぬぐいと、同じく地面に乱射した(かのように見えてレール状に放っていた)「ブーメランカッター」をレベル2で超磁力に変化させ、「リニアモーターカー」の原理で「ディエゴスター」へと特攻していく「佐野」。能力を無効化されてもそのスピードを解除することはできず、六つ星の神器「電光石火(ライカ)」以上の超スピードで「ディエゴスター」を壁へと叩きつけます。
「俺が純粋な力だけで勝負するわけないやろ?・・・お前にひとつ、ええことを教えたるわ。これはある人が言うとった、ありがたい言葉なんやけどな・・・知恵と力、両方を兼ね揃えてこそ、真の漢(おとこ)となりうるんや
勝利を確信し、仲間の元へと帰ろうとする「佐野」。しかし、その背中に鬼のような気迫が襲いかかります。そう、あれほどの勢いで壁に激突した「ディエゴスター」でしたが、ノックアウトまでは至りませんでした。ならば・・・と再度「リニアモーターカー」を発動させて「ディエゴスター」にとどめを刺そうとする「佐野」でしたが、次の瞬間、目の前のブロックが消し飛びます。
「・・・私の見えざる神器がお前を狙っている。そこから一歩でも出た瞬間・・・今度こそ、私の全てを込めた力で・・・貴様の命を容赦なく絶つ!
本予選特別ルール「能力無効化エリアに10秒以上いる場合は敗退」をもちろん理解している「佐野」。しかし「ディエゴスター」の気迫に、その場から一歩も動くことができませんでした。
※かくして、この勝負「佐野清一郎」の敗退。原因は・・・「佐野」の言葉通り「勝利への執念」ですかね。確かに「佐野」は、ちょっと捻り過ぎだったような・・・。セリフは格好良かったのだけれど。(^_^;)。

一方、久しぶりに姿を見せた「アノン」の父親、偽「マーガレット」(面倒なので、今後は「マーガレット」と表記)。彼は「植木チーム」VS「バロウチーム」の結果はわかっていると予選を見ようともしません。「アノン」に全幅の信頼を置いている「マーガレット」は、紅茶をたしなみながら「アノン」と語り合います。我らの目的が達せられる時は近い・・・と。
「・・・もうすぐ・・・もうすぐ果たせるのだな。・・・我が一族の、長きにわたる役目が・・・」
「・・・そうだね」
※本当「池田秀一」は、こういう悪役をさせると天下一品ですね。登場シーンは少ないのに記憶に残る。使いどころを間違えると他の役者を喰ってしまいそうです。(^_^;)。

41thステージ -VS バロウチーム-
 植木チーム:「洗脳系・・・と書くと凄そうだけれど、微妙な能力」森あい
 バロウチーム:「バロウチーム永遠のNo.2。知能指数は高いけれど・・・」キルノートン

いよいよ明らかにされた「相手をメガネ好きにする能力」の限定条件。
「ぶりっこポーズ(両方の拳を口元に、右足を後ろにあげたポーズ)を相手にさせること」・・・。え~・・・その・・・・・・・・・できるかっ!
という視聴者&「佐野」の不安は余所に「ヒデヨシ」が作成した「ぶりっこポーズ」を相手にさせる虎の巻「手首をこすると、いい香りがするよ」「右足で、うんこ踏んでますよ?」を持って意気揚々と戦いへと挑む「森あい」。さっそく「キルノートン」に試すと、あっさり成功!?
というわけで、この勝負「森あい」の勝利・・・には、まだ早い。なんと「森あい」が自分のメガネを人質(物質?)にギブアップを命じても「キルノートン」は拒否して見せます。
「メガネ好きさ・・・。いや、メガネ好きだからこそ、自爆なんかできないんだよ。・・・だって、倒れたひょうしに傷つけてしまうだろう。この僕のメガネをさ
ならばと会場から「佐野」が「メガネを外して自爆しろ」との指示。ところが、その戦法は使えないと「IQ179」を誇る「キルノートン」は語ります。
「僕は戦う相手に応じて、前もって作戦を用意しておくタイプの人間なんでね。・・・メガネを外して自爆しろ?・・・そいつは無理な相談だ。なぜなら・・・メガネを接着剤でくっつけちゃったから!
※はい、皆さん。せーので・・・・・・バカかぁっ!

さすが、天才と何とかは紙一重・・・の「キルノートン」。自分自身のメガネも大切な彼は、それが傷つくかも知れない自爆などありえないというわけです。しかしこのままでは試合は膠着状態。「森あい」は自分のメガネをリュックに入れて、壊してでも相手のメガネを奪いに行く作戦を試みます。・・・が、「キルノートン」は拳で「森あい」の顔面を殴打、直後にリュックの紐を掴み、彼女が倒れ込むのを防ぎます。
「・・・それも作戦の想定内だよ。こうして掴んでしまえば殴り放題。君の作戦は裏目に出たね」
このままリュックを奪われてしまうと、「森あい」に神器の雨あられ!?。恐れた彼女は無我夢中で「キルノートン」を振り払いに行きますが、そのうちの一発が彼のメガネをたたき割ります。
「ビィアンカァッちゃーん!」
(メガネの名前は「ビアンカ」というらしい)
つるを残して砕け散った「ビアンカ」を嘆き悲しむ「キルノートン」。その姿を見た「森あい」は、今度こそと自分のメガネを人質に取ります。
「・・・君の行動は想定内だよ。・・・果たして本当に最後の盾となるメガネを折れるかい?
「キルノートン」の問いかけに、「えいっ」とあっさりメガネを折る「森あい」。しかし「キルノートン」はその行動さえもが「想定内」と「森あい」を追いすがります。
※そうか「ビアンカ」か。確かに花嫁で選ぶのは「フローラ」よりも「ビアンカ」だよなぁ (<ドラクエVかよっ

二度も大切なメガネを失った「キルノートン」は、そのショックに気絶するに違いない。「森あい」の狙いは「キルノートン」の愛に破れ、かえって彼に本気を出させてしまいます。
「・・・君には、僕の神器で最高にむごたらしい最後を与えてあげるよ。・・・君を守るメガネは、もうひとつもないんだよっ!
飛びかかってくる「キルノートン」に観念したかのように立ちつくす「森あい」。もはや「逃げろ」と叫ぶ仲間達の声も聞こえないのか・・・。
「百個買ってきました」

その場でリュックを広げて、数え切れないほどのメガネを「キルノートン」へと見せつける「森あい」。
「・・・わかったでしょう? 私にはメガネのストックがいくらでもあるの。ひとつやふたつ折ったところで、痛くもかゆくもないのよ」
流石にこの行動は「想定外」だった「キルノートン」。「ここで自爆を宣告されても防ぐ手段は残されていない」と悩む彼に「森あい」は「10秒時間をあげる」と、頭ほどはある岩を持ち上げます。
「・・・10秒数えたらメガネどもをぶっ壊す。その前に自爆するか、メガネどもをかばって岩の下敷きになるか・・・好きな方を選びなさい
「森あい」の言葉に最後の希望を抱く「キルノートン」。彼ほどの知能指数があれば、10秒間に対策を考えることなど雑作もないこと。灰色の脳細胞が今最適解を見つけ出す・・・暇はありませんでした。
「じゃあ数えるわよ。1・・・2345678910!」

一気に数えきった「森あい」。「想定外」の連続、愛しきメガネを数十個失った悲しみに、膝を崩し号泣する「キルノートン」。そこへとどめの岩石攻撃が炸裂!
「・・・全部が想定内じゃあ人生つまんないでしょう」

※うわぁ・・・完勝。大笑いさせて頂きましたよ、この戦い。本当、最高です「森あい」。(^^)/

「では、四試合目のルーレット、スタート!」
もはや「バロウ・エシャロット」しか残っていない「バロウチーム」。対するは・・・なんと「佐野清一郎」。これぞルーレットの妙。気絶していないメンバは、何度でも選ばれてしまいます。ほとんど連戦となってしまった「佐野」はこうなることを予期していたのか、淡々と試合会場に向かいます。
「・・・植木、我ながら情けない話だが、最悪・・・あと一撃でも神器を喰ろうたら、動かれへんだろう。・・・そうなったら、無効化エリアに放り込まれて、あっさり10秒ルールで俺の負け。五試合目は避けられない。・・・良く聞け、植木。俺が奴の能力の正体くらいは暴いてきたる。今、このチームでバロウに勝てるのは、お前だけや。最後のルーレット・・・お前が出ることを信じようや

42thステージ -VS バロウチーム-
 植木チーム:「レベル2!でもまだ地味目、頭脳で勝負!?」佐野清一郎
 バロウチーム:「最強のマザコン!?・・・好きな言葉の真実は?」バロウ・エシャロット

「佐野」の狙いを知った「バロウ」。彼は自分の能力を見破っても意味がないと豪語します。そして放たれる神器は、一つ星の神器「鉄(くろがね)」。あっさりと交わす「佐野」に対して、「バロウ」は「ライカ」にて場所を移動し、再度「くろがね」を打ち込みます。
『・・・こいつの神器にはもともと正体がないから・・・探るなど意味がない?』
鉄の盾で「くろがね」を防いだ「佐野」。しかし、そこへもう1発の「くろがね」が、別の角度から彼を襲います。
『・・・あかん・・・もう立たれへん・・・せやけど、わかったで。・・・なるほど、そういう能力か・・・。確かにこれはやっかいな能力や・・・。時間との戦いということか・・・。能力の正体は暴いた。あとは・・・植木が最後のルーレットで出るのを・・・祈るだけや』
同時に2発の「くろがね」が「佐野」を襲った理由。正体を見破った「佐野」に対して「バロウ」はゆっくりと近づき、既にダウンしている彼へと、容赦なく打ち込みます。
「だから言ったじゃないですか。いくら能力を見破ったって、伝えられなきゃ意味がないですよ・・・って
「バロウ」の行動に怒りを抑えきれない「植木」。そこへ告げられる第五戦のルーレット結果。そう、運命の神様は「バロウ」と「植木」による戦いを選択しました。無言で会場へと降りていく「植木」。
「どうするの?・・・あいつの能力がわからないんじゃあ・・・いくら同じ『八つ星天界人』でも、植木の方が不利じゃあ・・・ちょっと植木!
「森あい」の言葉にも振り返らない「植木」。そこへ「天界獣(テンコ)」が声をかけてきます。「もう植木耕助は八つ星ではない」と。
「ええっ、じゃあ・・・」
笑顔を浮かべる「森あい」に対して真剣な表情を崩さない「テンコ」。彼の顔に輝いていた「八つ星」を示す光は今、ひとつも残っていません。
「・・・あいつはもう、全ての神器を失っちまったんだよ」

「森あい」の戦いで笑わせてもらったかと思えば、「佐野」の戦いでバトルの厳しさを知り、「植木」の次の戦いへ引き込まれます。さらに視聴者へと告げられる衝撃的な「テンコ」の言葉。そして新エンディング。・・・実に見事な展開です。1年間という最近のアニメでは珍しい長期展開も、いよいよ最終コーナーへ突入。視聴者とともに、戦え「植木」!そして失われた大切なものたちを、今ここに呼び戻すのだぁっ!

| | コメント (1) | トラックバック (1)

うえきの法則_TV42

第42話「バロウチームの法則」

「バロウチーム」は全員天界人!・・・「植木耕助」や「ロベルト・ハイドン」が強いのは「天界人」だからじゃねぇ?・・・と15%ほど考えていた視聴者に対する挑戦とばかりのこの設定 (考えすぎ。 果たして彼らの強さは如何に?

「さっそく森さんの能力について説明します。・・・これを、メガネ好きにしたい相手にやらせてください
「よっちゃん」が持ってきた「犬丸」からのビデオメール。「相手をメガネ好きにする能力」を発動するための限定条件が明らかになりましたが、本人も周囲も浮かない様子。
「・・・あんな限定条件、どうやってクリアしろっていうのよ・・・」
「森あい」の言葉に「佐野清一郎」も「俺もお手上げ」と諦めムード。暗雲漂う「植木チーム」ですが、試合は待ってはくれません。
「第1試合、鈴子・ジェラード VS バン・ディクート!」

※気になりますね~。「メモリー」は「あんな限定条件」をやったということですよね。さてさて、この選考中に見られますか。

身につけている仮面とマントを取り去った「バン」。出てきたのはリーゼントを決めた気合いの入ったツッパリ不良!? (古っ
「ちんたらやるのは性に合わねぇ・・・ハナからマックスで行くぜっ!」
そして飛び出したのは五つ星神器「百鬼夜行(ピック)」!
「・・・僕たちは全員、天界人なんですよ」

【天界人バロウチーム】
 ・バロウ・エシャロット(河原木志穂):八つ星天界人
  好きな言葉「おかあさん」
 ・キルノートン(千葉進歩):六つ星天界人
  好きな言葉「予習復習」
 ・ディエゴスター(大川透):六つ星天界人
  好きな言葉「漢」
 ・バン・ディクート(竹本英史):五つ星天界人(ピックを使えることから予想)
  好きな言葉「喧嘩上等」

リーダーである「バロウ」は語ります。自分たちはマーガレットを神にするために集められた天界人で、その使命はロベルト以外の全てを排除することだと。
「今はもう・・・あいつはロベルトなんかじゃない!・・・あいつは・・・」
「ロベルト」の正体を指摘しようとする「植木」。しかし、「バロウ」はその言葉を遮ります。
「・・・わかっていますよ、彼が何者なのか。・・・わかったうえで僕らは彼に協力しているんですよ。僕たちの目的を果たすためにね」
利害関係の一致・・・ですか。でも「アノン」と「マーガレット」が、素直に成功報酬を支払うとも思えないんですけどね~。(^_^;)。

39thステージ -VS バロウチーム-
 植木チーム:「爆弾娘でめがねっ娘」鈴子・ジェラード
 バロウチーム:「ツッパリロックンロール」バン・ディクート

試合開始から神器を連発する「バン」。その全てを「鈴子」は避けることも、攻撃することもできません。なぜならば!・・・神器に可愛い顔が浮かび上がっているから (爆!
「・・・神器に顔がついているなんて・・・まさかあなたの能力は」
「おうよ!・・・俺の能力は『無生物を生物に変える能力』。・・・つまり、俺の神器は能力と一体化した・・・いわば『生きた神器』!」
「鈴子」の追求にあっさりと自分の能力をばらす「バン」。しかし、わかっていても「鈴子」は攻撃をすることができません。
「・・・鈴子はバカがつくほどの動物好き!・・・特に可愛い系には・・・」
「佐野」の言葉通り、可愛い神器に爆弾を打ち込むなど、「鈴子」には不可能。「バン」の見事な作戦と言えましょう (・・・いいのか、それで。
神器を可愛がる「バン」に、うらやましそうにする「鈴子」が!・・・久しぶりに「萌え~」(^_^)。

「僕、御主人様の役に立てるのなら、嫌われたって構いません」
健気な「神器」の言葉に胸を打たれる「鈴子」。「バン」を慕い、精一杯の攻撃を続ける「神器」を、彼女は攻撃することができません。
「・・・こうなったら、避け続けるしか・・・きゃあぁっ!」
自らの目で見て、何度でも仕掛けてくる「神器」を避けるのは至難の業。「鈴子」は次々に攻撃を喰らい、幾度となく地面へ倒れます。
「もう立ちあがらんでいい!」
仲間の声を聞きながらも、何度も何度も倒れては立ち上がる「鈴子」。既に肉体はボロボロでしたが、彼女の確固たる意志が、彼女の両足を立たせるのです。
『・・・あたしだけが何の役にも・・・だから、だから・・・勝機を見つけるまでは何度でも立ち上がってやる。・・・私は・・・もう・・・二度と負けたくはない
※前回の「マリリンチーム」戦で一番に倒れてしまった「鈴子」。後から仲間の戦いを、その苦しみを聞いた彼女。この戦いに賭ける思いは相当なものです。

「そんなへっぴり腰で勝てるかよ・・・。戦いを舐めてんじゃねえぞ!・・・だからお前は雑魚だってんだボケッ!・・・ミジンコだミジンコ。・・・お前みたいな奴のことを言うんだろうなぁ・・・何の役にも立てない足手まといってのをよぉっ!」
地面に伏したまま「バン」に暴言を浴びせられる「鈴子」。彼女の中で、何かが・・・切れました。
「今・・・なんて言いました」
ゆっくりと起きあがった「鈴子」に、再度「雑魚」と呼び「神器」をけしかける「バン」。彼女は可愛らしい「神器」を・・・平手打ちで叩き落とします。
「黙れケダモノ!」

先ほどまでとは別人のような言葉遣い、雰囲気に気圧される「バン」。さらに「鈴子」の攻撃(口撃?)は続きます。
「・・・雑魚・・・それってもしかして私のことですの?・・・その素敵なヘチマ頭、むしって豚に喰わせますわよ
目がイっちゃってます。怖っ・・・マジ怖っ・・・「鈴子」が壊れたぁあああっ・・・。(>_<)。

「俺の神器をビンタ一発で・・・なんなんだよ、その手は
未だ地面に倒れたままの「神器」を見やる「バン」。鍛えられた天界人の「神器」を一撃で葬るその威力は・・・。
「ああ、これ?・・・ジェラード財団の技術の粋を集めて作って頂いたんです。ビーズが爆発した時の力を推進力に利用して、強烈なビンタを放てるようにしたんです。・・・これで私のビンタはミサイル並。接近戦でも大丈夫ですわ」
「ミサイルってお前・・・。俺の神器は生き物だぞ、可哀想だとは思わないのか!?
「バン」の抗議を相手にしない「鈴子」。そこへ起きあがってきた「神器」が再度挑みかかってきますが・・・今度は天高くぶっ飛ばされてしまいます。
「・・・顔のついた棒きれを生物とは言わない」
※さあ皆さん、「植木」達と一緒に、せーの「お、鬼だぁああぁっ!」

「・・・ところで先ほどから気になっていたんですけど、あなた学年は?
今度は「バン」の方を見やる「鈴子」。舐められたら負けだと「バン」は胸を張りながら(それでもちょっとビビりながら)答えます。
「ぁあぁん?・・・中2だ、コラアッ」
その態度・・・それが彼の命取り
でした。
「あらそう・・・私は中3ですの。・・・目上にタメ口聞いているんじゃねえよっ!オラッ!オラッ!オラッ!!
ミサイル級のビンタを立て続けに「バン」へと放つ「鈴子」。哀れ顔は歪み、唇がタラコ状にふくれあがりながら・・・「バン」はその場へと崩れ落ちるのでした。
「勝者・・・鈴子・ジェラード」

※そうかぁ・・・切れると一番怖い人だったのね、「鈴子」って。(((( ;゜Д゜)))ガクガクブルブル

「よ、ようやったな、鈴子。・・・こ、これで、まず1勝や」
青ざめながらも「鈴子」を迎え入れる「佐野」や「植木」達。当の本人はようやく正気に戻ったようで、首をかしげながらの凱旋です。
「あの・・・なんか途中から記憶が飛んでいるのですが・・・どうやって私は・・・あの方を倒したんですの?」
その問いに(正直に)答えようとする「ヒデヨシ」の口を押さえつける「佐野」。
「お前は無意識のうちに、本来の力を発揮した。・・・それだけのことや
今ひとつ納得できない「鈴子」でしたが、他のメンバ達の絆は一層深まったのでした。(チャンチャン
---
「バン」が再び出場して負けることになれば、自分たちの目的を果たせないと、殴り倒して気絶させる「バロウ」。当然のように彼の行動に怒りを憶える「植木」。両者の戦いは避けられませんが、とりあえず第2試合目のくじ引きは淡々と行われます。
感情よりも理性を優先させ、目的のために最も効率の良い手段を選択する。「バロウ」の性格は、「植木」と戦う前の「ロベルト・ハイドン」にちょっと似ていますね

40thステージ -VS バロウチーム-
 植木チーム:「レベル2!でもまだ地味目、頭脳で勝負!?」佐野清一郎
 バロウチーム:「漢と書いて『おとこ』と読む」ディエゴスター

「第2試合、佐野清一郎 VS ディエゴスター!」
まずは様子見と手ぬぐいを鉄に変え「ブーメランカッター」として飛ばす「佐野」。対する「ディエゴスター」は手のひらを「ブーメランカッター」に向けて気合い一閃。・・・すると「ブーメランカッター」は手ぬぐいへと戻ってしまいます。
「な、なにをしたんや?」
さらに「佐野」に手のひらを向ける「ディエゴスター」。次の瞬間「佐野」は壁へと吹っ飛ばされます。
「・・・私の能力は『物質を無色透明に変える能力』。つまり、能力と一体化した私の神器は、いわば『見えざる神器』
無色透明の神器、さらにフィールドへと設けられた「能力無効化エリア」も使いこなす「ディエゴスター」。力押しだけではないこの男に、頭脳戦を仕掛ける「佐野」。360度ブーメランカッター、超磁力によるブーメラン急加速、そして反発する超磁力を利用した鉄のスーパーボール・・・。
「なるほど・・・2手先まで読んで、私の油断をついたか。・・・だが我々には、もう慢心も油断もない。無駄だったな」
次々に仕掛ける「佐野」の罠を、「ディエゴスター」はさらに1手先を読んで、避けていきます。彼を倒す方法を必死で考える「佐野」。
『奴の攻撃を封じて、こちらの攻撃を当てるには・・・』

対「バロウチーム」戦。本文中に書きましたが、リーダー「バロウ」の冷徹さは「ロベルト」を思い起こさせます。だからというわけではありませんが、タイマンバトルの本予選は「ロベルト十団」戦を思い起こさせますね。それから、意外にも真っ向勝負な人達が多いのも「バロウチーム」の特徴。皆さん能力を明らかにしてくれますし、能力対能力、頭脳対頭脳の戦いは見応えがあります。「植木」の戦いも良いですが、「鈴子」や「佐野」達仲間の戦いも、なかなか面白いですね。

| | コメント (0) | トラックバック (1)

より以前の記事一覧