12月12日、韓国・ソウルで尹錫悦大統領の弾劾を要求する市民によるデモの様子(写真:AP/アフロ)
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反尹錫悦デモに「反日スローガン」

 いま韓国では尹錫悦大統領に対する国民的弾劾集会が盛んにおこなわれている。このデモの様子を注意深く見ていると、自発的に参加している群衆のところどころに参加団体の旗が立っているのが分かる。そしてそこには過去のろうそくデモなどと同じように民主労総などの進歩系団体の名が目立つのだ。当然のようにそうした団体からの参加者は、反米・反日スローガンも掲げている。

12月14日、韓国・ソウルの国会前で尹大統領の弾劾案可決を求める人々。旭日旗と犯罪者のように黒い目線を入れられた尹大統領の写真が描かれたプラカードを掲げる参加者もいる(写真:Lee Jae Won/アフロ)
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 つまり尹錫悦大統領の弾劾を機に、尹錫悦政権の日本への融和的な外交を批判し、韓国国民の反日感情を刺激する扇動が再び始まったのだ。この状況から読み取れることは、今後の韓日関係だけでなく、韓米日の協力までもが暗礁に乗り上げてしまう可能性が出てきたということだ。

 共に民主党は早くも、「尹錫悦大統領は突発非常戒厳で日本の天皇に忠誠を誓った」という噴飯物の疑惑を組織的に提起し始めている。

 まず、1次弾劾案の国会通過が挫折した10日、四つ星将軍出身の共に民主党の金炳周(キム・ビョンジュ)議員は「信頼できる情報提供によれば、ヨ・インヒョン防諜司令官は3月の段階から戒厳施行計画である作戦名『忠誠8000』訓練を集中的に実施していた」と主張した。