人工知能(AI)の進展は、2040年代の社会にどのような影響をもたらすのか。「AI相互のネットワークシステム」 が形成され、自動的に連携する社会・経済とはどのようなものか。
総務省情報通信政策研究所調査研究部長 福田雅樹氏
この2月に発足した「AIネットワーク化検討会議」(旧称:ICTインテリジェント化影響評価検討会議)について、総務省 情報通信政策研究所(IICP)の調査研究部長の福田雅樹氏に話を聞いた。今回は後編である(前編)。
AIが雇用と経済へ与えるインパクトは大きい
――AIネットワーク化が与えるインパクトとは、どのようなものでしょうか。
こちらは、検討会議の構成員である松尾豊氏(東京大学大学院工学系研究科特任准教授)が描いたAIネットワーク化が社会・経済にもたらすインパクトの展望に関する全体像です。これらインパクトの展望も、最近のAIの分野の研究開発の急速な進展に伴い、一度示された予測がごく短期間のうちに幾度も見直されています。
検討会議においては、AIネットワーク化がもたらすインパクトの分野別展望も示しています。
AIネットワーク化が利活用される社会・経済の分野を公共(まち)、生活(ひと)、産業(しごと)の分野に区分し、更にこれらを16に細分化したうえで、16の分野ごとに、先行研究や構成員の意見を集約することにより、AIネットワーク化がもたらすインパクトの展望を2020~2040年代の時系列に即して整理しました。