Azure Stackとは何ですか?
パブリッククラウド「Microsoft Azure」とほぼ同じ部品を使って自社内にクラウド環境を作れる、Microsoftが現在開発中の基盤技術のことです。
【解説】 上記回答でなんとなくお分かりいただけたでしょうか?
Azure Stackを説明するとき、私はたまに、Microsoft本社が作った英語のメッセージ「Bring Azure to your datacenter」を使います。直訳すると「Azureをあなたのデータセンターに持ち込みましょう」とでも言いましょうか。
もっと直感的にわかっていただくために、スクリーンショットを並べてみました。 左はパブリッククラウドMicrosoft Azure、右は私が作ったAzure Stack(正式にはMicrosoft Azure Stack、MASと略すこともあります)のポータル画面です。ご覧のとおり、まったく同じ作りになっています。
Microsoft Azure(左)とAzure Stack(右)のポータル画面
Azure Stackは、Microsoft Azureのために作られたさまざまな基盤技術を皆さんが自社内のデータセンターで使えるようにしたもので、一般企業のプライベートクラウドやクラウド事業者の基盤技術として利用可能です。
例えば、仮想マシンや仮想ネットワーク、SQL Server/MySQL をベースとしたDatabase as a Serviceなどが利用可能です。もちろん、パブリッククラウドとプライベートクラウドで用意できる物理環境の規模が違います。エンタープライズサイズの環境にAzureの機能を実装するために、Azure Stackでは、クラウドストレージ機能を少数サーバでも実現するような工夫がなされています。
まだ開発中のため、現時点(2016年5月3日現在)では、Technical Preview 1というパブリックなベータプログラムを提供中で、物理マシン1台にテスト環境を作って試すことができるようになっています。仮想マシンや仮想ネットワークをただ作ってみるだけでなく、それらをテンプレート(コード)化して自動展開する「Infrastructure as code」なども、興味がある企業の方は是非試してみていただければと思います。
- 高添修
- 日本マイクロソフト デベロッパーエクスペリエンス&エバンジェリズム統括本部 ITアーキテクチャー推進部 エバンジェリスト