「Windows」PCの4台に1台では、古くなりサポートが終了したバージョンの「Internet Explorer(IE)」が使用されているとの調査結果が明らかになった。
Duo Securityの研究者が200万台以上ものデバイスを分析したところ、サポートが終了したバージョンのIEを使用し続けているWindows PCが、多数残っていることが判明した。これは特に「Windows XP」のPCに多く、これらのPCは、マルウェアやデータ漏えい、認証情報の盗難などの危険に晒されている。
Microsoftは2016年1月に、バージョン11よりも前のIEに対するサポートを終了した(一部例外がある)。このため、IE 8、IE 9、IE 10を使用しているユーザーの多くは、新しい脆弱性や攻撃方法に対して身を守れない状態になっている。
IE 7または8を使用しているWindows ユーザーは全体の5%未満だが、現在でもWindows XPを使用しているユーザーに限れば、この数字は跳ね上がり、まだ約半分がIE 7またはIE 8を使用している。
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Duo Securityのレポート「The Current State of Device Security」(「デバイスセキュリティの現状」の意)によれば、IEの脆弱性を回避する最も効果的な方法は、自動アップデート機能を備えているGoogleのブラウザ「Chrome」を使用することだ。
「GoogleのChromeは、自動的にアップデートが適用されるため、これを使用することで、簡単に環境を最新の状態に保ち、新しい脆弱性に対する保護を得ることができる。ChromeはデフォルトでFlash広告をブロックするようになっているため、マルウェアへの感染リスクも低減できる」と研究者らは述べている。
レポートには、Adobe Flashは「多くの致命的で頻繁に悪用されている脆弱性の影響を受けやすいことで知られている」と書かれている。2015年だけでも300種類以上の脆弱性が報告されているという。
研究者らはレポートで「古いバージョンのFlashを使用しているデバイスが企業のネットワーク上に1つでもあれば、そのデバイスが悪用されて企業のアプリやシステムでマルウェアを実行され、機密情報を盗まれる可能性がある」と述べており、Javaの72%、Flashの60%で古いバージョンが使用されていると指摘している。
このレポートは、FlashとJavaが最新の状態に保たれていない問題と、多くのマシンで古いバージョンのIEやWindowsが使用されている問題が組み合わさると、セキュリティに対して重大なリスクになると警告している。
「われわれのデータは、古くなった脆弱性のあるエンドポイントが数多く存在しており、企業のアプリやデータが、マルウェアや認証情報の盗難、データ漏えいなどのリスクに晒される可能性があることを示している」と研究者らは述べている。
ビジネス環境で使用されている、200万台以上のデバイスを対象とした分析に基づく今回のレポートでは、会社所有のデバイスではJavaを無効化し、Flashが実行されない状態にすべきであり、可能であれば、ユーザーが所有するデバイスでも同様のルールを適用することを推奨している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。