以前に比べ、バッテリーの持ちが悪い――。そうした疑念を感じていたら、それはバッテリーが“へたっている”せいかもしれない。
実際、2013年1月から使用しているパソコン「ThinkPad X1 Carbon」で現在の満充電容量を見ると、工場出荷時の状態に比べ約72%に減っていた(図1)。約1年11カ月で30%近く減ったことになる。バッテリーがへたってきているのだ。
バッテリーがへたるのは、内部の化学変化が原因だ(図2)。京都大学が2012年10月に発表した研究成果によると、時間の経過に伴い、正極表面にあるコバルトが化学変化を起こし、その部分にリチウムイオンを通しにくい膜ができる。リチウムイオンの移動が妨げられることになり、結果としてバッテリー容量の低下を招くことになる。