NECは,SAN(Storage Area Network)環境向けの運用管理ソフト群「WebSAM Storage ControlCenter」を,2008年2月7日に販売開始した。米EMCのストレージ管理ソフト「EMC ControlCenter」ファミリをベースに,新たにNECのストレージ「iStorage」を管理可能とし,NECの運用管理ソフト群である「WebSAM」ブランドとした。価格は227万円(税別)から。販売目標は今後5年間で130本。
WebSAM Storage ControlCenterは,SAN環境向けのストレージ管理ソフトである。NECのiStorageや米EMCのストレージを管理できるほか,業界団体のSNIAが策定したストレージ管理標準「SMI-S」に準拠したストレージの管理が可能だ。
米EMCのストレージ管理ソフト群であるEMC ControlCenterのうち,以下に示す主要3製品をWebSAMブランドに取り込んだ。(1)「SAN Manager」は,SANに接続されたサーバー機,スイッチ,ストレージの構成をGUI画面で管理/監視できる。(2)「StorageScope」は,容量設計のための,ストレージ利用率に関するレポートを自動生成する。(3)「Performance Manager」は,SANとデータ通信ネットワークを含めたネットワーク全体の性能を監視する。まずは,SAN ManagerとStorageScopeの2つにおいて,NEC製のiStorageを管理できるようにした。将来的に,Performance ManagerもiStorageに対応させる。
今回の製品企画は,2006年4月から続くNECと米EMCの協業の一環である。両社の提携では,単に米EMCのストレージや運用管理ソフトをNECが販売するというだけでなく,互いの製品を連携させやすくするソフトウエアの新規開発なども手がけている。例として,2007年6月には,システム資源の構成情報と依存関係をモデル化することでシステム障害の原因を自動的に切り分けるソフト「EMC Smarts」(米EMCが2005年2月に買収した米SMARTS製品)をWebSAMブランドに組み入れた製品を出荷している。