2010年 09月 20日
サスティナブルと観光産業「ウェスタンハーバー(マルモ市)」 THE WESTERN HARBOUR in Malmö
|
スウェーデンのマルモ市にある「The Western Harbour」は、サスティナブルライフを標榜する再開発地域だ。43acres(東京ドーム約4個分)の敷地には、2,436世帯(3117人)が住み、6,505人の従業員を抱える262のIT系企業が誘致され、9,000人の学生を抱えるマルモ大学がある。上写真はそのシンボルたる「Turning Torso」というマンションで北欧で最も高いとされる190メートル(54階建て)を誇る。
風力、太陽、地熱発電などを組み合わせ需要電力の100%を自給する。家庭からの生ゴミはデスポーザーで1ヶ所に集め、発生するメタンガスをバイオガスとして再利用を図る。地下90メートルから16℃の水をポンプアップし、ヒートポンプによる熱交換で地域暖房を行う。ゴミの収集は分別した上で敷地内路上にあるシューターに捨てれば、地下にあるベルトコンベアーで自動収集される。壁面及び天井の緑化が進められ、雨水利用も図られている。敷地内にある中庭には多様な巣穴を用意するなど生物多様性にも配慮する。敷地内運河には海水を引き込むことによって海との連動による落差を生み出し、はっ気と流れを演出している。
建築及び都市計画にも様々な工夫が見られる。海沿いに立地する建物は海風を防ぐために高く、そして内側には低層住宅を配置する。敷地のほぼ中心にありユニークな外観のTurning Torsoは、地域の魅力に大きく貢献している。あえて水平垂直を避けた街路計画(参照:Google map)と、多様なファサードをもつ住宅は、心地よい視線と景観の変化を生み出し、歩いていて楽しい。居住地内は原則自転車と歩行者のみとし美観と安全性の向上も図られている。自動車には地下駐車が用意される。海沿いには板張りのデッキが用意され、夏期には日光浴を楽しむ人で溢れかえる。
造船工場の跡地を使ったこの都市計画は、夏期には2万人ものビジターがあるというが、いまやマルモ市のアイデンティティになっている。サスティナブル地域が観光資源にもなりうるという好事例だ。
English Summary
THE WESTERN HARBOUR in Malmö, Sweden is sustainable city district. 100% renewable energy resources through the help of energy from wind, ocean, bedrock and sun, Comprehensive garbage separation solutions and use of household food waste to generate biogas, Prioritizing pedestrian and bicycle traffic and providing subterranean parking areas and so force.
Building are also essential element of it. Architects have contributed toward making this district more attractive thought diverse facade of architectures and safety alley. The modern building called Turning Torso which is the highest among Northern Europe is the symbol of it. Nowadays, THE WESTERN HARBOUR became the tourist attraction of Malmö city. It's great case being compatible with sustainable life and tourist industry.
参考資料
・15 Green Cities
・Sustainable City Development Malmö, Sweden
・A City Undergoing Sustainable Transformation
・Environmental Programme
・環境新エネルギー議員連盟 北欧先進地視察レポート
・IKEA FAMILY LIFE 2007
by isoamu
| 2010-09-20 20:05
| サスティナビリティ