今年はバブル期を超える56%の株高で終わったが、先日の記事で見たように、これは名目GDPと比較するとほぼ上限だ。ただ市場の主役はドル建てで買う外人なので、ドルベースで見てみよう。

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ドル建て日経平均(赤)とダウ・ジョーンズ(Yahoo! Finance)
図のようにドル建てでみると、日経平均の動きはダウ・ジョーンズにほぼ沿っている。ロイターによると、日本株買い・円売りの主役はヘッジファンドで、今年は国内の投資家が11兆円の売り越しだったのに対して外人が13.7兆円の買い越しだった。これは「円安→収益増→株高」という実体経済の関係ではなく、金利と為替による裁定だ。

日経平均は去年11月まで1年半にわたって過小評価だったのが、ドル高でDJと同水準まで回復した。4月からオーバーシュートして「ミニバブル」になり、5月末にDJと同水準に戻ったが、9月以降は一貫して上方に乖離している。今は5%ほど上ぶれしており、年明けから水準訂正される可能性もある。きょうの株価はドル建てで見ると、ミニバブル崩壊の直前とほぼ同水準だ。