でも、この引き継ぎというものを間違えて捉えている組織・人があるようです。
引き継ぎっていうのは、退職者とほぼ同等の職能があるから成り立つという前提がわかっていなかったりします。その職能がない人に業務を委任しないといけないのだとしたら、それは「引き継ぎ」ではなく「教育」です。
教育なのですからとうぜん、ドキュメントベースで短期間で終わる話ではない。教育・学習にはそれなりに時間がかかるし、何より学ぶ者の適性や意欲を読み間違えたら、いくらコストをかけてもリターンは得られません。それがうまく実現できなかった場合にはいったんサービスを停止するということの決断をする判断力もふくめてディレクションができる機能が組織には必要でしょう。
組織において専門化が進むほど、こうしたことは起こりやすくなるでしょう。そこは組織にとってはリスクです。
当たり前ですけど、そのあたりの人事面のリスクヘッジは大事ですし、そこをうまくディレクションできる機能が組織にないとつらいはずです。時間的な変化もふまえて適材適所の人事的ディレクションができる人が組織にいるかいないかで、このあたりのリスクの大きさは変わってくるのではないかと思います。適材適所にするには、「材」としての人と「所」としての現場の仕事をともにわかっていないといけないので、このマッチングにはかなり見る目が必要です。
これは結構大変な課題だな、と。
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