いずれアヤメかカキツバタ

 よく似て混乱を招くものたちではあるため、区別などを書いてみる事にする。finalventの日記で話題に上ったもので。

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大江戸ガーデニング ーマイノリティ編ー

 江戸時代の植物観賞は、今とは違う方向性だけど、それはそれはたいしたものであったようだ。当時作出された結構な量の品種が絶えてしまっているのが何とも悲しい。てなことをnight氏のエントリを読んでいて連想してしまったので書いてみる。

 各品種間のレーティングなどというものも相撲の番付を模した形で存在し、結構盛り上がったようだ。いくつかの植物種では現在も続いているね。また盆栽であるが、あれも凄い罠。

 当時愛でられた植物種(古典園芸植物)としては、各種木々の盆栽、富貴蘭(フウラン)、長生蘭(セッコク)、海老根、春蘭などの蘭の仲間、万年青や千両、万両など、観音竹、棕櫚竹などの椰子類、そして菊の類に加えてサボテンを含む多肉植物もあったようだ。あと各種山野草etc etc。これらは現在もそれなりのボリュームで存在しているものが多いが、今では細々としか続いていないものもある。松葉蘭、錦糸南天、それと変化朝顔。本エントリではこのマイノリティ三者を少しずつではあるが紹介したい。


○ 松葉蘭(参考画像:鉢植え自生1自生2Psilotum nudum

 名前に蘭とはついているものの、本家蘭とは縁の遠さここに極まれり、といった感のあるシダ植物の仲間であり、当然ながら花など咲きっこない。しかもシダ植物の中でも独自にマツバラン網というカテゴリ分けされる体たらく。根は無く代わりに仮根と呼ばれるものがあり、葉も存在しないという、極めて原始的な植物。さらにはさりげにレッドデータブックに入っていたりするお茶目さをも備える。草体に斑が入っていたり、形態が変化したものが愛でられたようだ。それはマニアな世界であったろう。でも好き。

○ 錦糸南天(参考画像:その1その2Nandina domestica ?

 琴糸南天とも呼ばれることもあるが、いわゆる南天の変異体のようだ。南天は難を転ずに通じることなどから、目出度い植物とされてきた(南天製の箸などもアリ)。吉祥をもたらすフリークスプラントとして愛でられた面もあったかも知れない。これを図譜で初めて見たときは通常の南天との姿の乖離にえらく驚いたものだ。私はこの三種の植物のどれも実際には見たことはないので、どこかでお目にかかりたいと思っている。

○ 変化朝顔(参考画像:その1、)Ipomoea nil or Pharbitis nil

 当時通常の朝顔も育てられていたようだが、それとは別に朝顔らしからぬ花を咲かせたりする品種が存在する。一般的な真ん丸の朝顔を想像してリンク先へ逝かれるときっと新鮮な衝撃が。これもいわゆる突然変異という奴なのだが、単純に見ていて楽しい。とりあえずすげえ見てみたいし、育ててみたい植物だ。


 つらつらと書いていて感じたのだが、江戸時代はこのようなフリークスに対して寛容な一面があったのかも知れないな。現在の感覚で判断を下すのは危険であるのでこれ以上論拠なしに書くことはしないが。


参考1:はてな 松葉蘭及び錦糸南天等を販売している業者又趣味家の方を御教授下さい。
 古典園芸植物入手可能なお店がいくつかリンクされている。
参考2:アサガオホームページ
 遺伝資源保存を主な目的とする研究機関なのだが、本年四月以降、趣味の方への種の配布を受け付けるとのこと。変化朝顔のみならず、結構な品種のアサガオの配布が可能になると思われるので、興味を持たれた方は直接問い合わせされたし。

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要らぬ蘊蓄

 さて、前エントリの要らぬ解説をしておきましょうか。
写真の引用もしてあることだし。

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ヒスイカズラ Strongylodon macrobotrys 
マメ科の植物。花の形がスイートピーみたいにマメですわな。
しかし、マメ科が全部こんな形をしていると思い込むと騙される。
詳しくはこちら

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ハブソウ Cassia occidentalis
これもマメ科。エビスグサ(Cassia obtusifolia)、決明(Cassia tora)と近縁。
この三種はハブ茶とかに使われるそうだ。
花の形がマメっぽくないところがナイス。種子はちゃんと豆の形をしているので悪しからず。
詳しくはこちら

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