マークス寿子さん、欧米か!
私、日本航空発行の「Agora」という雑誌を毎月読んでるんですが、今回のインタビュー記事は久々に笑わせていただきました。登場はマークス寿子さんですな。
この方、イギリスと日本を比べて、「イギリスはしっかりしていて日本はダメ」的な本を書いているらしいですが、今回の記事で「まあ読まんでも分かるな、内容は」という感じです。この雑誌にあるインタビューの骨子はこんな感じ。
・日本の子供は金を貰い過ぎ。イギリスは「幸せとお金は一致しない」と子供の頃から教えているから素晴らしい。 ・日本の母親は何故働くのか?そんなに遊ぶ金が欲しいのか?楽しくない仕事をするくらいなら子供と居る方が余程素晴らしく、今はイギリスもそうなってきている。 ・日本の子供は苦労していないから外に出ようとしない。イギリスでは自分で色々させるから独立の精神が出来ている。 ・格差は元々あるもので、それを認めて「それでも幸せだ」と生きるのがイギリス人。だから金だけで動かない。
はい、全部ウソです(爆)。
あのう、日本の母親が働くのが何で「遊ぶ金のためだけ」に働く場合が多い、と何故に決め付けるんですかね?「楽しくも無いのに金のために働く母親が多い」とのたまっていますが、じゃあ男性はみんな楽しく働いているのか?金のために働くのがそんなにおかしいですか?いやあ、じゃあマークスさん、あなたは自分の労働で金を得ていないんですか?というか、「私は凡百の女性と違って、意味のある仕事をしているのよ!」と自慢したいんでしょうか?確かにアホな親は居て、自分の遊ぶことばかり考えている人も居るでしょう。しかし、今働いている母親というのは、少なくとも遊ぶことなどは後回しにしていますよ。
そんなにイギリスが高潔な国ならば、あのタブロイド紙の下品な報道合戦は何なんですか?王室のだらしなさは?
また、そんなに格差を認めるんなら、日本のフリーター・ニートなんていうのは、マークスさんの理想かも。だって嫌いな仕事はしない人が多いだろうし、金もたくさんはもらえないはず。
この人、途中で「欧米」という言葉を挟んでいることも多いんですが、はっきり言って「欧」と「米」はかなり違います。イギリスの会社員や教員と、かなりの人数話しましたが、少なくともその人たちは「アメリカ嫌い」でしたね。少なくとも「欧米」と一括りにして話す御仁には疑いを持った方が良いですなあ。
これはこの人に対してよく指摘されるのですが、「マークス」っていうのは何で入れるんですかね?経歴に書いてんですが、マークス卿とは協議離婚しているわけで、やっぱりブランドが好きなのか?だとすれば、「日本人はブランド好き」というご自身の説を身を以って証明しているわけです。素晴らしい。
この手の人を良く「出羽の神」と言います。「~ではこうです」という「では」が多いからですが、別にイギリスでも色んな奴が居るわけで、彼女が言っているような理想郷ではないですよ。そんなに敬意の重要な国で、何でパンクなどNWOBHMなど出るんだ?
あ、例えば「敬老メタル」とか「尊敬パンク」とかどうですか(駄目か)。
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コメント
30年イギリス在住です。よくまあ、批判ばかりされること。呆れます。個人主義のイギリス人は他人が貴族を名乗っても知らんぷり。関心ないです。活躍して地位を得た英国関連の人へのやっかみは見苦しい。幸せではないのですね。御自身が。そうとしか思いません。彼女の本は一理あると思いますが。
投稿: へー | 2013年9月24日 (火) 23時56分
へーさん、コメント、しかも古いものに有難う御座います。
関心の無さ、はそうですね。フランスW杯の時に「そんなのやってるの?」と言ったフランス人の同僚がいましたが、かなりそういう感じがありますね。私ももう少しそういう境地になれたら、と思うのですが。
投稿: ドイツ特派員 | 2013年9月25日 (水) 20時44分
あのう…イギリスでは、離婚しても元の性に戻らないのが普通なのです。日本人の感覚ではちょっと不思議な気はしますが、結婚と同時に「イギリス人」になったマークスさんは、離婚される時も、普通にイギリスの習慣にならっただけだと思います。それぞれの考え方で批判するのは自由かもしれませんが、この点に関する批判は認識を改めた方がフェアではないかと考えます。
投稿: みき | 2016年5月20日 (金) 03時47分
みきさん、コメントありがとうございます。
この古いエントリーにご指摘いただいて感謝しかありません。基本の部分は変わらないものの、ご指摘いただかなければ知らなかったことです。その部分については記事も訂正したいと思います。本当にありがとうございます。
投稿: ドイツ特派員 | 2016年5月20日 (金) 18時16分