劇場版 空の境界 第六章 忘却録音 感想
※この感想は激しくネタバレを含みます。ご了承のうえご覧ください。
原作を読んで、劇場に見に行かれた方。地方に在住でDVD待ちだった方それぞれいらっしゃると思います。
以前ブログで書きましたが、六章は評価が割れます。3:7ぐらいで多い方がアンチ・期待外れという意見が多いです。
六章の感想ですが原作との違いなど確認しながらの感想にしようと以前から考えていました。長文になると思いますがお付き合いください。
↓より、あらすじ・原作との比較・感想です。
少しイジると絶対に凛に見えそうなロリ鮮花
鮮花「ウフッ」
これは監督の思いつきらしいです。
鮮花「兄さん!た・だ・い・まーーーーーーーーー!!!!!!!」
鮮花「これは、そんな健気な私の物語・・・だというのに」
既にこの辺りから萌えの空気を感じます。
新年の初日に鮮花が燈子の事務所に来て今回の依頼を受けるシーンがカットされている(元日に幹也が式に連れて行かれた事もカット
依頼内容が原作では「1年4組の事件を調べる(調査であって解決ではない)」→「妖精を操り生徒を不安に落とし入れている魔術師の発見と排除」になっている。妖精が手紙を送ってくる・生徒同士がカッターで切りつけあった。妖精の説明などカット。
こんな犬は原作にはいなかったぞ!!
式「天に召します我らの父よ。って奴」
鮮花「召してどうすんのよ」
この後のミサの話はカット。
最初の情報で四組の担当の葉山がクビではなく、行方不明の扱いになっている。また理事長の弟という設定は同じでも理事長が黄路家の婿である事は説明されない。
高等部の寮に火をつけたのが葉山であること。そして人が一人死んでいること、玄霧の学歴の説明カット。(映画では焼けたのが旧校舎だが原作は高等部の寮である
原作では「1年4組の事件」について聞くはずがいきなり「妖精の噂」の話になっている。原作で鮮花が職員室で調べ物をした後の玄霧との会話がここで使われている
黄路美沙夜の髪の色が黒では無い(藤乃と同じ)理事長の娘という設定に変わっている。
鮮花達が部屋を去るのではなく玄霧と美沙夜が部屋を出て行く。
「生徒に事情を聴くシーン」と「式・鮮花の中庭での出来事」の順番が原作と逆。
式が森の奥の旧校舎で妖精と接触するシーンの全カット・・・原作だと鮮花は眠っていないでボーッと立っている。
鮮花「式・・・私まさか」
式「奪われたな。妖精に」
鮮花「!?」
「性的な意味で」って言われたら私が失神してしまう(マテ
鮮花「どこの魔術師だか知らないけどコテンパンにしてやる!泣いたって謝ったって絶対に許さないんだから!!」
他の生徒もいるのに「魔術師」とか言うなwww
①部屋に戻って情報の整理と「妖精の見付け方」を聞く鮮花のシーンのカット(このシーンが好きだって人結構います
②4組の委員長、紺野文緒との会話のカット。③職員室での調べ物(葉山が12月まで登録され解雇された理由が住所不定のため)その後、④玄霧との妖精の話(上記に書かれている部分)のカット
①~④の代わりに理事長室での調べ物、橘佳織の事件について1年4組生徒に行った自重聴取の内部資料の発見に変更。食事シーンの追加
原作では①玄霧との会話後②「鮮花が一人で焼けた寮(旧校舎)を見に行く」③「黄路美沙夜との最初の対決」④「ナイフ争奪戦」の順番なんですが、④が最初に・・・
鮮花「分かりました、実力行使に出ます」
鮮花「ハァハァ・・・幹也の貞操が奪えないのなら代わりに貴方の貞操をいただくわ」
式「ちょwwwバカ!やめろ!!」
Take2
鮮花「分かりました、実力行使に出ます」
鮮花「なんでアンタはフィギュアやfigma化されてるのに私のフィギュアは販売されないのよ!!」
式「嫉妬かよ!?」
鮮花「白状するとね。私って特別な物が好きなの。っていうより禁忌ってものに惹かれる質みたいなんだ。だから好きな相手が近親なんてむしろ幸運な事だって思ってる」
式「この、ヘンタイ」
鮮花「なによ、異常者!」
このシーン鮮花の可愛さは阿修羅すら凌駕する可愛さだ!!!!
眠っている式の中での謎の会話・式と幹也の電話、式の依頼がカット。
教室が崩れていない(原作は最初から部屋の半分が無い状態
何故か鮮花にも妖精が見えている(妖精の材料が分かった時にしか見えなかった)二人の会話の内容が大きく変更されている。美沙夜と玄霧が兄妹であること。橘佳織は自殺であったこと。
鮮花の幼少時代カット。原作だと鮮花を起こすのは式。そして鮮花が頭をぶつける(中庭であったシーン)(場所も礼拝堂ではなく原作は寮である。場所が変わること自体オリジナル
幹也からの依頼である「橘佳織の体育の成績を調べる」がカット「森の調べる」に変更。
旧校舎が原作の高等部寮の形になる。
美沙夜が玄霧に相談を持ちかけるシーン・鮮花の推理カット。
「そうだね。式の心配の仕方は、みんなよりかなり曲がってるからね」が「仕方がないよ今の式の心配は鮮花の方を向いているんだから」にセリフが変わってる百合仕様?
※原作ではここが物語の重要な場面であり、1年4組の生徒が隠していた秘密。玄霧の過去について触れています。(カットされてますが
幹也が電話した場所が事務所でなく、ファミレスに変更。
橙子が玄霧について知ってる話のカット。なぜ封印指定にされた理由も語られない。
ここからはストーリーの流れが原作と完全に違います。原作では鮮花が幹也と電話をしている時に式が妖精に襲われ犯人を追って礼拝堂に行き、玄霧と対峙します。
ってか「偽神の書(ゴドーワード)」と呼ばれた言葉での攻撃がイヤホンをしているだけで防げるのは絶対におかしいと思います。
原作の順番だと「鮮花が電話中に式と玄霧の決着がつく」「電話の後、鮮花が玄霧の元で事件の真相を聞く」「旧校舎で美沙夜と対決」です。(この部分もかなり重要)
今回の事件の真相。葉山は薬物中毒であり、クスリの発作で倒れた所に居合わせてしまった橘佳織。佳織は葉山にクスリ漬けにされてしまい結果、自殺を図った。
美沙夜が佳織の件で葉山を問い詰めていた時に、麻薬中毒による心臓発作で葉山は死んでしまう。そして葉山の遺体を元に妖精が作られた。
この美沙夜の高笑いについて、奈々ちゃんは「こんなに高笑いするキャラは初めて演じた」と舞台挨拶で言ってました。
美沙夜「良くってよ・・・良くってよ」
美沙夜「黒桐さん!!!!」
この「良くってよ~」ってセリフがアフレコ現場で流行ったそうです。
原作だと妖精の素材が葉山であることを知った時以外は妖精が見えてないはずなんですけどね・・・戦闘を盛り上げるために見える仕様になってます。
式との戦いで殺されたの本編は右腕ですが原作は左腕です。
この戦いだと玄霧はザコキャラっぽく見えると思いますが原作じゃ攻撃手段はないにしろゴドーワードとしての力を十分に出してます。(本編だと式の視界が塞がれるのは一時的ですが原作では戦いの最中ずっと塞がれ、さらには直死の魔眼で見える線すら塞がれました
原作知らない人には「これ」が何なのか分からないと思います。これは美沙夜に憑いている妖精です。美沙夜が妖精を操れるのは、この妖精が憑いていたから。
鮮花「もぉぉぉぉぉぉ!!!!!」
鮮花「邪魔!!!!」
太ももハァハァ(*´Д`*)
鮮花「しつこい!!!!」
奈須きのこ先生が言ってた。「もうぶっちゃけ鮮花のカカト落としをコマ送りするためとか」ってwww
玄霧はどこへ・・・?まさか式の一撃で死んだとか?では無いと思いますが(ここだけは私も理解してません
自殺した橘佳織は生きている。原作では生きてません。
手を繋いでいますが、原作は腕に抱きついています。ってかこのデート自体が正月に約束をすっぽかした埋め合わせのはず。
式と幹也の散歩もカットです。
全体的な感想
原作を読まずに忘却録音を初めて見た人はあまり違和感を感じなかったと思いますが、読んでる人からするとツッコミどころが満載です。
原作と話が全然違う!!!!
矛盾螺旋のように話の順番を入れ替えるだけなら問題はないにしろ、ストーリーの重要な部分をカットして原作とは話を別モノにして一時間の作品にしてしまった事。
そして何より今までの流れはストーリーに力を入れていたのに対して、六章はキャラクターに力を入れてしまった監督曰く「鮮花祭り」萌えに走ってしまった事が一番のミスだったのではないでしょうか?
分かりやすく言えば今のガンダムの登場人物が全員美少年って流れと同じです。
鮮花に対しても「うるさい」「反応が大袈裟過ぎる」「原作のイメージが崩れた」なんて意見もあるぐらいです。
六章は滑った。とかまで言われると初日の上映後の拍手は社交辞令だったんだな。なんて思います。(監督もこの六章の内容には不安があったが拍手があって良かったとコメントしていましたし
私個人の感想は確かに原作との違いはあれど、これはこれで良かったんじゃないかな?って思います。
妖精が見える仕様も本来の六章ではあまり動きがない上、五章の後ではアクションに見劣りが出る。それを解決するための仕様だったのでは?
鮮花を可愛く見せ過ぎとも感じませんでした。むしろちょうどいいぐらい。
残念な事は主題歌の歌詞が玄霧の過去の話を元にしていたので、それを生かせる最後の締めにして欲しかったなってところですかね。
もし原作を読んでない人がいたら是非読んでもらいたい所です。きっと内容の違いに驚くと思います。
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