取られるばかりが税金だと思っていたら損をする。生活のあらゆる場面で、国や自治体から取り戻せるおカネは驚くほど多い。2016年を「もらえるものはしっかりもらう年」にする完全ガイド。
知られていない制度がある
世はあげて大増税時代。'16年は、増税増税の荒波が続々と押し寄せてくることになりそうだ。消費税の軽減税率が話題だが、結局は10%への増税時に、食品を中心に一部の項目だけ税率を「据え置く」に過ぎず、現在と比較して国民が「得する」要素はまるでない。
だが実は、私たちが自分から申請すれば、国や自治体から「取り返せる」おカネが多種多様に存在している。
補助金、助成金、還付金、そして税金の控除。私たちが自ら動かなければ戻ってくることのないおカネが、ちょっと役所に足を運ぶだけで、受け取れるのである。
詳細は4ページ目以降の一覧表を見てほしい。「家族が認知症になった」、「がんになった」、「孫が生まれた」など、日常生活で出会う場面別におカネの戻る制度をまとめたものだ。中には健康増進のためスポーツジムに通うなど、「そんな場合も返ってくるの?」と驚く項目もある。
見落とされがちなのは自分や家族が病気や介護が必要になった場合に利用できる制度だろう。
社会保険労務士(社労士)でファイナンシャルプランナーの資格も持つ井戸美枝氏は、こう話す。
「国のPR不足で認知度が低く、条件を満たしていながら申請していない人がたくさんいる制度はいろいろあります。なかでも、『障害年金』は、その代表例でしょう」
障害年金と言えば身体に障害を持つ人だけのものと思われがちだが、実は誰もがかかる可能性がある病気でも対象になる。
「うつ病や糖尿病、がんも受給対象になり得ます。直腸がんで人工肛門を取り付けたといった場合には、間違いなく該当するでしょう。障害年金は働きながらでも受給できる上、受け取る年金には税金もかからず、障害年金1級・2級であれば、受給開始以降は年金保険料が免除になります」(井戸氏)