「船中八策」の起草者
大阪維新の会
浅田均って何者?
「大阪維新の会と共闘を図る石原慎太郎氏の周辺でも『相当な切れ者がいるらしい』という声が出ている。国政進出の要として期待されているようです」(全国紙政治部記者)
年金制度のリセット、参議院廃止、首相公選など、大阪維新の会がまとめた〝船中八策〟には、刺激的な政策が並んだ。その起草者であり、来月開講する〝維新政治塾〟の運営をも担う男。それが、元・自民党府議団幹事長で維新の会政調会長、大阪府議会議長の浅田均氏である。
'50年生まれの61歳。京都大学哲学科からスタンフォード大学大学院へ進み、NHK局員を経てOECD(経済協力開発機構)という華々しい経歴は伊達ではないようだ。維新の会所属の府議会議員・森和臣氏は、彼の活躍ぶりをこう語る。
「発信力の橋下さん、野性的な行動力の松井さん、そして頭脳の浅田さん、この3人で維新は動いてる。浅田さんが東京で評価されてるのは、彼が各党をまわり、先々で維新の会の方針を的確に説明しているからでしょう」
政策を語らせれば理路整然。素人が多い維新の会の中では、見た目も政治家らしい落ち着きがある。いきおい、永田町の玄人たちには受けがいい。
「浅田さんのおかげで、維新は橋下だけじゃないと分かってもらえた」(森氏)
だが実は、父の地盤を引き継いだ二世府議でもある。そのせいか、「圧倒的に頭はいいが、指導力に欠ける」と評する声も上がっている。
「空気が読めへんというか、パーティでわざわざ英語やフランス語でスピーチしたりするんですよ。自意識過剰の学者タイプで、政治家じゃない。あのくらいの学歴なら、国政レベルにはゴロゴロおるくせに」(維新の会府議)
豊富な政策知識を活かし、とりわけ社会保障政策に関しては橋下氏から絶大な信頼を勝ちえているという浅田氏だが、別のある府議は「これから府議団の中で浅田ばかりが橋下の寵愛を受けるようなことになれば、党内の火種になりかねない」と牽制する。
橋下・松井の陰でノーマークだったが、徐々に頭角を現し始めた〝第三の男〟。本当に橋下氏が国政に出ないなら、総選挙の暁には、彼が代役として国会へ乗り込んでくるに違いない。
『週刊現代』2012年3月10日号より