「俺の嫁」を描かせてみた
7月にロサンゼルスで開催された「Anime Expo 2019」で「Waifu Vending Machine」が話題だった。人工知能が、利用者の好みに合わせて「俺の嫁」を描いてくれるシステムである。言うまでもないが、「俺の嫁」というのは、Wikipediaを借りれば、「主に男性が理想的な女性(架空のキャラクターを含む)に対して発する言葉」である。昭和言葉で言えば、タイプのアニメヒロインである。いやほんと、「タイプ」っていう言葉、こういうふうに使うと昭和言葉か。
これがネットで使えるというので、残念なアニオタである私は、「俺の嫁」を描かせみた。使い方は、とりあえず単純で、4段階、①16種類から「最初の好み」、②「色の傾向」、③「細部」、④「ポーズ」を選ぶだけ。一分もあれば、「俺の嫁」の完成である。
というわけでやってみた。というか、実際のところ、私はどんな「俺の嫁」が好きなんだろうという自分への関心もあった。アニメを見ながら、微妙に、ああ、これ好きだとか思っている心がある。ちなみに、私は『うる星やつら』の連載リアルタイム世代で、リアル結婚するまで自室にラムちゃんのポスターを貼っていた、この夏、62歳になる男性である。
1人目 アルビカピー
まず、あまり考えず、さらっと作ってみた。最初の「俺の嫁」がこれだ。名前があったほうがいいなあ。アルビカピーとしてみた。
なるほど、きらいじゃないな。好きかと言われると、好きのほうだが、「俺の嫁」感に乏しい。デナーリスを和コミックで描くとこんな感じかなとも思うが、デナーリスのような躍動感が出ない。ありがちなサブキャラである。なんだろ、「誰かの嫁」?
2人目 伊東咲
というわけで、次を作ってみた。名前は、伊東咲って感じ?
少女コミック風味が若干ある。これもきらいじゃないし、好きのほうだが、うーむ。違うなあ。髪の感じというか、ボーイッシュなのはいいが、ありがちな、優しいサブキャラ感が微妙に自分に響かない。こーゆーんじゃないというか、個性が弱いなあ。
というあたりで、このシステムの癖がなんとなくわかる。ほっておくと凡庸な甘酸っぱい、自販機飲料みたいな「俺の嫁」ができてしまう。もう少し、私の好みを反映してもらうにはどうしたらいいんだ、はぁ、はぁ、はぁ、息が荒いよ。
3人目 砂喰真弓
そして3人目がこれ。好きかというと、先の2人より引くんだが、微妙なメンヘラ感がちょっと心にうずく。ただ、少しダークな感じが出てきたみたいな期待がある。名前は、砂喰真弓って感じかな。
4人目 雪ノ下安芸
4人目は、ああ、やっちまった感がある。峰不二子風味が混じっているなあ。微妙に昭和っぽいかも。それと、私は、雪ノ下雪乃が好きなのだが、その好みが髪とかにちょっと出ているかな。で、名前は雪ノ下安芸。
というあたりで、やっぱしなんか自分の好みというのは、無意識のどこかにあるみたいだ。なんだろうか。
5人目 加藤慈
5人目は、さらにやっちまった感が、ぱねえ。加藤恵じゃん、これ。ともくーん。ってか、AIで冴えない彼女ができてしまうわけ、というか、俺、加藤恵、好きだろう。ごめんなさい。名前は、加藤慈。
6人目 牧瀬ジャンヌ
やばいなあ。5人いて、「俺の嫁」感、ねーじゃないかということで、もうやめようと思いつつ、ハーフダズンはあってもいいかと思って、最後の6人目。
おや、これは、けっこう好きかも。誰かに似ているよなあと思うが、そこまでわかるアニオタでもない。牧瀬紅莉栖かなあ。パーツ的にはそれっぽいが、主観的にはけっこう違うんだが。
それと、ようやく、動きそうなキャラ感が出てきた気がする。名前は、牧瀬ジャンヌ。
というわけで、やってみると、いろいろ思うことがあった。
まず、どうやら無意識に「俺の嫁」はいそうな気がするが、はっきりわからない、ということがわかった、というか、何かを求めている。キモいよ。
次に、普通に絵師さんって大変だなとも思った。アニメ見ていると、どれも似たようなキャラだなとか思うが、意外とそうでもないなあとも。キャラをどう作っているかという推測にもなった。
まあ、そのくらいなんだが、この「和風」感は、自分の民族意識なんかにもつながっているのかなとも、考えさせられた。
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