菅新首相会見から、「ある意味」を抜き出してみた
菅新首相を会見をぼんやり聞いていたせいか、何をおっしゃっているのか皆目わかりません状態になってしまった。
Pancake Bunny (2001)
ダメだ俺もうボケちゃったんだと思って、文字起こしされた会見を産経新聞「【菅首相誕生】会見詳報」(参照)で読んでみて、なんで自分がわからなかったか、わかった。「ある意味で」と菅首相が言われると、頭のなかで、「どんな意味で」と自動的に突っ込みが入り、そこが明示されないと、ペンディング状態になるのだが、そのペンディングの積み重ねで自分の脳みそのスタック許容量がパンクしていたのだった。
こんな感じです。
まずやらなければならないのは、サッカーでいえば岡田ジャパン、ある意味では、菅内閣と同時に、私が代表である民主党の体制をしっかりとしたものとして立ち上げなければならない。このように考えております。
岡田ジャパンに模されているのが、ある意味では菅内閣なのだから、もしかすると、九月には別の内閣になる。小沢氏もそう言っているし。「「選挙勝てば先頭に立つ」=9月の代表選に出馬?-小沢氏」(参照)によると、「私は立場上、動けなかったが、次につながる良い数字だ。あと90(票獲得)で首相が取れた。90なんて難しい数字じゃない」とのこと。
そのためには、この数日間、かなりある意味で、集中して、いろいろなことにあたってきましたので、一度、頭を休めることも含めて頭を整理して、多少の時間をいただいて、新しい体制づくりに入りたいと、このように考えております。
かなりある意味で集中するというのは、普通に集中するというわけではないということで、ヨガの倒立のポーズをしていたのかもしれないし、牛肉の貝割れ大根添えを食べながら集中していたのかもしれない。あるいは、かなりある意味でいろんなことにあたってきたのかもしれない。量子力学的だなあ。
まず、あの、一般的に申し上げて、これからの政策運営、あるいはいろいろな活動については、まず、しっかりした体制をつくった上で、私1人ではもちろんできるわけではありませんので、そうしたそれぞれの役割を担っていただくみなさんとよく相談をしながら進めていきたい。こう考えております。そういった意味でですね、必ずしもこの場で、すべてを私が1人でやるわけではありませんので、そのことについて、相談した上で決めることも多いということはご理解をいただきたいと。こう思っております。そういった意味というのは、菅さんが自分で責任を取らずに進めていきたいということ。
鳩山内閣との違い、というご質問でありますけれども、今日も朝の両院(議員)総会の席、あるいは、特に立候補したときの席でも申し上げましたように、鳩山総理からは日米の関係、日中の関係、日韓の関係をしっかりやってほしい、さらには地方主権国家、新しい公共、そして地球温暖化の問題、そういった課題についてしっかりやってほしいと。そういうことも言われているわけでありまして、そういったことについては、まさに鳩山内閣がやろうとして、着手をしたけれども、さらに進めなければならない問題を引き継いでいくという意味では、鳩山内閣と多くの点で、同じ民主党内閣でありますから、共通した方向性を持っていると。このように思っております。どういう意味かというと、この内閣は、鳩山政権が残した失態を引き継いでいくという意味なので、それはとても納得できる意見だと思う。でも、その割にまるでその文脈とは異なる新内閣として人事をがちゃがちゃいじっているのはなぜなんだろうか。トバイアス・ハリスさんの「菅首相に新内閣は必要ない」(参照)を参考にしたらよいのに。
と同時に、これもまた、代表選の立候補のときにも申し上げましたけれども、鳩山総理ご自身が政治とカネの問題、普天間の問題ということで国民のみなさんの理解が得られないということを自覚された中で、ああした勇断をもっての行動をされたわけでありますから、その点は逆に鳩山代表から、ある意味では、そういった問題を変えてほしいという期待でありますので、特に政治とカネの問題についてはきちっと襟を正した姿勢を示していかなければならないと思っております。ある意味では普天間問題と政治資金問題を変えるというのは、別の意味では変えないということなんだろうか。まあ、そのあたりが本音かな。これまで副総理だったけど普天間問題にはノータッチだったし、政治資金問題はブーメランになりそうだし。
普天間の移設問題は、基本的には日米間の合意を踏まえ、同時に、その合意の中にも盛り込まれておりますけれども、沖縄の負担軽減ということを重視をして、この問題、相当に大変な問題でありますので、しっかりと、ある意味では腰を据えて取り組んでいきたいと思っております。ある意味では腰を据える、ある意味では、尻を据える。あるいはある意味では腰を据えない。まあ、沖縄の負担軽減にはそれほど腰を据えないようだ。というのは、沖縄県知事や県民に会いに行くスケジュールの話はなかった。そういえば、口蹄疫の話もなし。
今も何度も繰り返して申し上げましたけれども、何か、この、どのグループをどうこうするという、そういう発想はまったくありません。そういう中で、この数日間は、ある意味で、代表選挙、首相指名というところまでですね、短い期間ではありましたが、集中的にそこにエネルギーを注いできましたので、いろんな意見を聞くことも、まあ、選挙はどうしても応援してくれるかどうかということが1つの判断にならざるを得ませんが、選挙が終わればまさにノーサイドですから、適材適所でどういう方がもっともふさわしいか、いろんな意見を聞いて進めていきたいし、まさにそのために若干の時間をいただきたいと思っております。なんど読み直しても、何を言ってるのか皆目わからん。ノーサイドを強調したいんだろうとは思う。「これからはノーサイドでいきましょう」だけでよさそう。
ま、選挙について、これまで小沢幹事長を中心に、もう相当程度、候補者の擁立はもうほとんどと言ってもいいかもしれませんが、進んでおりますし、いろいろな準備が進んでいることも承知をしております。そういう、進めていただいた今の状況を改めて、ま、私自身も把握をしなければならないと思っておりますが、何よりも、どういう方にですね、それを、ま、ある意味で引き継ぐのか、ある意味ではすでにそういう役目についている方に継続をいただくのか、まさにそれも含めて、この、ある程度の時間をいただいた中で、しっかりと決めていきたいと。ひと言でいうと、選挙についてなんも考えてない。あるいは、選挙については言いたくない。
私なりのイメージで申し上げれば、昨年の政権交代に、ある意味で託していただいた国民の皆さんの思いは、今の日本が大変、何と言いましょうか、活力があって、どんどん、この元気良くなっているというよりは、どんどん経済も低迷し、あるいは自殺の数も減らない。こういう閉塞感を打ち破ってくれないかと。ある時期、それを小泉さんに託するという結果も、2005年の選挙ではあったわけですけれども、それが、ある意味、国民の期待にかなわなかったなかで、昨年、民主党に政権を託すことによって、そうした閉塞感、閉塞した状況を打ち破ってもらいたい。私はそこが一番の思いだと思っております。ある意味で託したけど、別の意味で民主党に託していないというのは、そう。小泉政権もある意味国民の期待にかなわなかったけど、ある意味かなっていた。シュレディンガーの猫。
そういった意味では、まさに、政権がスタートして8カ月余り。最初の予算はやはり、9月の政権成立という、かなり時間的にも制約があるなかで、あるいはリーマンブラザーズの破綻(はたん)といったなかで、予想を超えた税収落ち込みといった制約のなかで作り上げた予算でありますから、来年度の予算は、基本的な考え方も含めてですね、これから20年。これまでの20年間の間違った政策を改める。ある意味では、本格的な第一歩がここから始まると。こう思っております。ある意味では第一歩だけど、先に述べていらっしゃったように、鳩山政権の失態を継ぐのだから第一歩にはならない。
農業の所得補償、1兆円という数字も挙げていただきました。私も民主党の農業再生本部長なども務めて、そうした議論の中から直接支払制度、そういったものがある意味で議論として浮かび上がって政策としてマニフェストに盛り込まれたということはその通りであります。ある意味でマニフェストに農家の直接支払いを盛り込んだが、ある意味ではそうではなくなる、と。
ギリシャの例は、ある意味でもちろんあれは外国が国債を買っていたということもありますが、結局マーケットがそれを信認しなくなったことで、ああした危機が訪れたわけであります。これは、ある意味ではなく、べたのその意味なんで、財政に弱い菅さんの面目躍如。
さらに日本は大変いい地政学的な位置にあります。まさに今やアジアは世界の、まさに発展地域であり、歴史的にももっともすばらしい発展を遂げつつある地域でありまして、その一角に位置している日本は、もちろん発展途上の国と今の日本の状況はいろいろ違いますけれども、少なくとも中国やインドやベトナムや多くの発展を続ける国々と、ある意味で補完関係になることができる。ある意味では補完関係だけど、ある意味では敵対関係。またある意味では、対中国の緩衝的な意味合い。いろんな意味がある。たくさんならべると無意味。
いまや中国に行っても、大きな事業はヨーロッパがドンドンとっているですね。なぜこんなことになったのか。私は小泉内閣時代の政治的な日中関係の経熱政冷とかという、ちょっと言葉が正確であるかどうかあれですが、経済は熱いけども政治は冷たいという言葉が同時ありましたけれども、実は政治が冷たければ経済も決して熱くはならないということをですね、当時の失敗の一つの原因であったと、このように考えております。そういった意味で、少し長くなりましたけれども、過去の失敗をきちっと検証していけば、将来に向かっての成長の道筋は必ず開けると、このように考えております。そういった意味というのは、政治が冷めても経済は熱いという状態は過去の失敗の検証で達成できると。そう、小泉政権を学ぶべし。
いずれにしても、先程来、申し上げていますように、新しい党の機構、態勢をどうするか。全員が参加できるための1つの大きな役割として、政調の復活が必要であり、そのことは必ずしも一元化に反するのではなくて、ある意味で、一元化をする中での幅広い裾野を形成するもになる。このように考えております。ある意味で政調は一元化には反しないと。それはそう。一元化というのは、道路問題で顕著だったけど、小沢一元化だったのだから。
まず社民党のことでありますけれども、実は、この間も、国対などを含めて、昨年の3党合意の中での政策について、もちろん普天間の問題については意見が合わないということで離脱されたわけですけども、それ以外の多くのところでは意見が一致してきているわけですので、それをどのような形で実現にこぎつけるのか。今日もあいさつに伺いましたら、特に派遣法の問題など、お互いに議論をし、苦労をし法案までこぎつけたものについて、ぜひ一緒に成立をさせようじゃないか、ということも福島党首からもお話をいただきました。そういった意味で、政策を中心にした協力関係、改めて党の態勢ができた中で、これまでの経緯も含めて、話し合っていきたい。そういう中では、広い意味での国会運営の協力ということもお願いするというか、少なくとも同じ法案については、同じような行動を、共に賛成する法案についての同じような行動をすることになりますので、そのこともお願いしていきたい。そのように考えております。社民党とは連立を解消したけど政策合意はできるし、国会運営に協調できるということ。それは歓迎。郵政国営化についても他党とよく協議していただきたい。
また、鳩山代表、小沢幹事長とのトロイカ体制についてでありますけれど、野党の時代にそういう表現がかなりあったことも、よく承知しておりますし、それぞれの役割分担でこの民主党を、ある意味、どなたかが代表であったりしましたけれど、1つの方向性を打ち出してきたことも事実だと思っております。ある意味事実であった。事実でないとも言える。意味の取り方で事実は変わる。そんなまさかね。
とまあ、いちいち突っ込みを入れてみたけど、実際はただの口癖なんだろうけど、言質を取られまいと緊張しすぎて、なんだかわけのわからない話になっているのは確か。
菅内閣は独自性を出すためではなく、鳩山内閣の失態を繕うことが課題だからそれほど意気込まなくてもよいのに。それに、鳩山政権のナンバーツーであったにもかかわらず、実際上なんもしてこなかったわけだから、その呪いのようなものがこれから襲うのではないかな。
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コメント
これは発狂するわ。ある意味で。
投稿: っs | 2010.06.05 16:31
量子力学的って
量子力学さんに訴えられても文句言えないレベル
投稿: | 2010.06.05 20:07
実際に日本で有効な主な批判方法がスキャンダルか言葉狩りしかないんだし仕方ないんでは。
「産む機械」の時もそうですが、文脈さえ聞けばちょっとした比喩だとすぐ分かるものを、延々と騒ぎ立てるマスコミがいるのだし。
投稿: | 2010.06.06 00:30
日本語なのに日本語訳が必要なレベル
投稿: | 2010.06.07 21:29
ホント、菅さん「ある意味」連発しすぎ・・・
ま、ある意味、軽い接続詞みたいなもんなんだろな。
投稿: のり | 2010.06.10 23:19
日本のトップってこういう人よくいるよなあ。如何に物事をボカして曖昧に済ませるか、ということに全神経を集中している人。今後の悲惨な結末が垣間見えるようだ。
投稿: | 2010.06.12 09:21
「ある意味で」で検索して上位にあって…自分も同じ事思ってました
ツッコミお疲れ様です
投稿: | 2010.07.15 23:52