バタ平泳ぎと背面平泳ぎ
暑いので与太話でも。水泳の話。その後も水泳を続けている。その後というと、「極東ブログ: バタフライが自然にできた」(参照)からか。最初が「極東ブログ: [書評]水泳初心者本三冊」(参照)、次が「極東ブログ: ゆっくり長く泳ぎたい、でも、それってクロールなのか?」(参照)。これで水泳シリーズその4かな。まあ、どうでもいいんだけど、振り返ってみると、たぶんけっこう上達した。
ゆっくり長く泳ぎたい! 誰もが編 |
平泳ぎは特に変化なし。というか、昔からこれはそれなりにできたし、あとは競泳用にスタイルを変えるかなのだけど、遠泳風にというのがいいかなと。ところが、これも水に慣れてくると、ストロークの手の抵抗がうざいのだね。まあ、最初ウォーミングアップとかシンクロ風に遊び泳ぎしているときは平泳ぎはするけど、これも飽きてきた。
背泳は2ストロークができるようになった。これはけっこう楽。と思ったが、キックのビートを増やすとそれなりに進む。ただ、思ったほど速度は出ない。ちょっと壁。
バタフライはその後、上達と言っていいだろう。一時期面白くてバタフライばっかりやっていた。身体全体をぐわんぐわんと水生動物のように動かすのが面白い。けっこうエレガントに動くので、水もばしゃんとか飛沫を上げることは少ない。というわけで、この点では、「ゆっくり長く泳ぎたい! 背泳ぎ&バタフライ編 ゼロからの快適スイミング」(参照)は採用しなかった。で、これもちょっと飽きてきた。
というあたりで、平泳ぎの水の抵抗が気になりだして、そういえば、「ゆっくり長く泳ぎたい! 背泳ぎ&バタフライ編 ゼロからの快適スイミング」(参照)にある話だが、昔の水泳では手を水面上で回したというのを思いだし、冗談半分にやっていた。ちなみに同書より。時代は今世紀の初頭。
その頃、平泳ぎの大きな欠点は腕を前に戻すリカバリー動作で発生する水の抵抗と考えられていた。これをなくそうと発案されたのが、リカバリー時に腕を水上に持ち上げた平泳ぎである。
そうなのだ。どうも平泳ぎ(ブレスト)はリカバーで無駄な抵抗力を作り出す。
その腕の動きがまるで蝶の羽ばたきのように見えたことからバタフライと名付けられた。このバタフライの発案により、平泳ぎには2つの泳法が存在することになった。従来のリカバリー動作を水中で行う泳ぎはオーソドックス式平泳ぎ、そして新しい泳法はバタフライ式平泳ぎと呼ばれることになる。
というわけで、20世紀前半ではまだ今日のバタフライはなくて、水上でリカバリーする平泳ぎがバタフライだった。
そして、1928年のアムステルダム五輪で、ドイツのラーデマッヘルがバタフライ式平泳ぎを行ったといわれている。
この新しい泳法は従来のものより速かったことは想像がつくだろう。その後、紆余曲折の末、1956年のメルボルン五輪からバタフライは正式種目に採用されている。
ということなのだが、最後のところがちょっと誤解されやすい。というのは、ラーデマッヘルのバタフライは平泳ぎだから足はカエル足だ。が、1956年のメルボルン五輪からバタフライはもう現在のバタフライになっている。
この間の変化も同書が触れているのだが。
現代のバタフライ泳法は日本の長沢二郎が創始者といわれている。バタフライ式平泳ぎはカエル足キックであったが、膝を痛めた長沢は、その痛みをしのぐため、カエル足に代わり上下に水を蹴るビートを時々挟んだ。これが思いのほか進み、1ストローク2ビットの”長沢式バタフライ”が1945年頃に誕生した。長沢のキックはドルフィンキックと名付けられ、後に彼は16の世界新記録を打ち立てることになる。
ということだ。
ここで、快適スイミング研究会は、だからバタフライは平泳ぎが原型だし、平泳ぎができる人ならできる、動作のタイミングは同じだ、としてできるだけフラットなバタフライを提唱するのだが、が、というのはこれが私はうまくいかない。
はっきりと言えるわけではなし、水の中の体感的にわかることにすぎないのだが、競泳ではないバタフライの推進力はストロークからではなく、胴体(コア)の浮力をウェーブで前後に移動することで身体を前に押し出す力を使っているのようだ。つまり、ある程度の上下ウェーブをつけたほうが初心者には泳ぎやすい。
だが、当然、快適スイミング研究会が言うように、フラットにしたほうがストロークとの関係では抵抗が少ない。
というあたりで、冗談気分で、ラーデマッヘルのバタフライとはどんなものだろうかといろいろ試行錯誤した。どうもこれはこれで完成した泳法がありそうだとなんとなく、わかってしまい、で、それなりに”バタ平泳ぎ”のフォームを完成させちゃいましたよ。これが楽で、かつそれなりに速い。
ただ、問題はあって、呼吸で上体が上がるときフラットが崩れる。これは通常の平泳ぎ(ブレスト)でもそうだけど、この状態から水上に腕を回すときにかなり無駄な抵抗が発生する。なので、呼吸のときは1回ストロークをお休みにして「気をつけ」ストリームラインで進み、足のキック後に水上ストロークに戻すと、驚くほど水の抵抗がない。ちなみに手のストロークは、「八」の字を掻く感じがよさそうだ。
なぜこの泳法が定着しないのだろう? 合理的で楽でそれなりの速度が出て? と考えたのだが、この泳法だと競泳の速度は出ないということかな。「気をつけ」ストリームラインで水の抵抗はなくてするーっと進むけど、この時速度が稼げない。
それとは別にこれも冗談で、背面平泳ぎをやっていたのだが、これ、普通に泳げる人なら誰でも冗談でできる馬鹿泳ぎなわけですよ。でも、ストロークに無駄が多い。というか、頭上前方にうまく手が伸びない。ということろで、あれ?と思った。顔の上で腕をX字にしてそれを開くように頭上にもっていけばいいのではないか。と、やってみると、ナイスです。広く深く水が掻けるし、これも、おやまぁというくらい楽に進む。
というわけで、面白がって、バタ平泳ぎとか背面平泳ぎとかやっていると、傍からは馬鹿みたいに見えるのでしょうが、でも、それなりに速度が出ているのはわかるはず。
まあ、とりあえず四泳法に飽きてきたので、変態泳法を加えて六泳法でもいいか、と。さて、これから競泳的にスタイルを変えるか、それとも、シンクロナイズドスイミングでも……いやさすがにそこまでは。
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コメント
前から水泳に対する取り組みがきっとあるんだろうなぁーと、その事に触れたエントリーが気になっていました。人物に興味があるといいますか。素人水泳って飽きちゃうんですよ。競泳ともなると極める面白さが又でてくるのですけど、その辺はとっくの昔の事。今となっては、趣味でいて、スリル感もあって、適度に疲れて、又やりたくなるような都合のいいスポーツを探す始末です。表記の泳ぎも実はね・・これは、飽きたというサインでしたが、同じ道を辿っているのでは!まさかに、シンクロナイズドスイミング(↑「ク」抜けですよ)はちょっとねー、同感です。
投稿: godmother | 2007.08.16 02:33
四泳法に飽きちゃった ならターン、行きましょうよ。
膝を胸に引き寄せて壁にタッチ、腕、体沈めてグーンと蹴る。
クイックがもう出来るなら、次は反動を使わずにでんぐりがえし出来るようになればもうバッチリですね。
止まらずに、とりあえず延々なんでもありですもん。
まだ探究心が満たされなければ、縦泳ぎをどうぞ。
四肢すべてバラバラな動きです。(本に載っているかしら)
昔からある泳法ですが、インストラクター資格試験などではこれで落ちる人がとても多かったようです。
(今も項目にあるかは解りませんが。)
こんな陽気にはプール入りたくなります。 うらやましすなあ。
またその後のビールが美味しいんでしょ。
いつもブログを楽しませて頂いているこちらとしては
“暑いので。以下 略。”
って、あらま残念。ま、暑いもんね。っといった感じで理解できるありがたい季節なわけですね。
では また。
投稿: anone | 2007.08.16 02:58
20代の大学生です。安部謹也氏の検索から入りました。正直、私たち世代にとって、「極東」とは、極東委員会から始まり、戦争、アメリカ統治など、いい意味には捉えてません。なので、最初は、とても偏ったブログなのかな、と思いました 笑。
安部氏の「世間論」つまるところ、どういった定義でとらえればいいのでしょうか。断片的すぎてよくわかりません。けれど、最近試験に出始めています。よかったら教えてください。
投稿: | 2007.08.16 14:23