本日の日経記事意味不明その1
本日の日経の1面トップ記事は、読めば読むほど意味がよくわからない記事です。
http://www.nikkei.com/article/DGXNASGC24H0A_U4A720C1MM8000/(三菱UFJ、契約社員を60歳まで雇用 1万人待遇改善 )
三菱東京UFJ銀行は約1万1千人の契約社員の雇用を60歳まで保証する。勤続3年以上で本人が希望する人を対象に2015年4月から実施。新たな休職制度などを設け、待遇改善も進める。13年に施行された改正労働契約法を先取りする動きだ。長く働ける環境をつくり、人材をつなぎ留める狙いからも、他の企業に広がりそうだ。
契約法20条に対応する待遇改善はわかりますが、見出しになっている「60歳まで雇用」とか、いわんや「契約社員の雇用を60歳まで保証」というのがまったく意味不明。しかもそれが「13年に施行された改正労働契約法を先取りする動き」といわれて、ますます頭の上に?が重なります。
そもそもこの現在有期契約を更新して雇用されている人々は、有期契約のままで「60歳まで雇用」を「保証」するというんでしょうか。それとも正社員とは異なる無期契約にするというのでしょうか。後者であれば改正労働契約法に沿ったものですが(既に施行されているので「先取り」ではあり得ませんが)、それではもう契約社員じゃないはず。
契約を半永久的に更新しながら60歳まで継続すると約束するから、契約法18条の無期転換権を行使しないでね、という申出ということなんでしょうか。でも、そもそも、60歳まで更新し続けるという約束はそれ自体雇用契約の一部になってしまうはず。とすれば、それは既に60歳終期付き無期契約ではないかという気もします。
考えれば考えるほど意味不明になっていく記事ですが、これは日経記者の記述のせいなのか、これだけではよくわかりませんね。
(追記)
読売新聞を読んだら,意味が明瞭になりました。
http://www.yomiuri.co.jp/economy/20140724-OYT1T50165.html?from=ytop_ylist(契約社員、3年で「無期雇用」に…三菱UFJ銀)
三菱東京UFJ銀行は、現在は6か月~1年程度ごとに契約更新している契約社員を、期間を定めず定年まで働くことができる無期雇用の契約社員にする方針を固めた。
単に、契約法では5年となっているのを3年で無期化するというだけのことですね。
多分、三菱UFJの「無期雇用の契約社員」という言葉が誤解のもとだったんでしょう。
しかし、これも変な言葉ですね。拙著でも、正社員も全て雇用契約を結んでいるはずなのに有期労働者だけ「契約社員」なんて言うのは変だね、と書いていますが、有期労働者を無期化しても、そっちは契約社員で、今までの正社員は無契約社員(?)なんですな。
まあ、無限定正社員の無限定さの根っこは、この自分は「契約社員」なんかじゃないと思い込んでいる「無契約社員」にこそあるのでしょう。
« 義理を欠くことの大切さ | トップページ | 本日の日経記事意味不明その2 »
コメント