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2013年11月18日 (月)

若者の血肉を貪る・・・ブラック企業ビジネス@今野晴貴

15414今野晴貴さんの『ブラック企業ビジネス』(朝日新書)をお送りいただきました。ありがとうございます。左の表紙にあるように、オビにでかでかと「若者の血肉を貪る真犯人」と書いてあります。

http://publications.asahi.com/ecs/detail/?item_id=15414

あなたもブラック企業問題の加担者かもしれない。なぜ悪辣な企業がこの社会に根をはり、増殖しているのか。背後には、ブラック企業を生み出す“恐るべき存在”があった。ベストセラー『ブラック企業』の著者が真の「黒幕」を暴く!

ベストセラー『ブラック企業』でちらりと書かれていたブラック士業の話を、一冊に拡大した本ですが、それとともに、ユニクロやワタミの顧問弁護士からの「脅し」を暴露して見せた、「倍返しだ!」本でもあります。

細かい目次は以下の通りですが、

はじめに

第1章 ブラック企業の背景には、決まって“彼ら"がいる
・1A弁護士の場合
・ハラスメントの実態
・送られてくる無意味な書類
・“彼ら"は効率的に賭ける
・2G弁護士の場合
・団体交渉をするのに「ふさわしい相手」?
・目的は、あきらめさせること

第2章 「ブラック士業」が違法労働を拡散させる
・裁判もビジネスになった!
・「脅し」が成功すればよし
・退職後の損害に賠償義務はあるか?
・2000万円の損害賠償を訴えられた事例
・違法行為に加担する弁護士の心理
・労働事件の「費用」の構造
・労働基準監督署に「不法侵入で訴えるぞ」
・ブラック社労士の言いがかり
・保険手続きが偽装されている?

第3章 私もワタミ・ユニクロの弁護士から「脅し」を受けた!
・ユニクロからの通告書
・メディアに告発されるユニクロの「ブラック」な体質
・なぜメディアを圧迫しないのか?
・すでに行われている「脅迫的訴訟」
・社内風土との関係
・成長か、さもなければ死か
・ワタミからも通告書が届いた
・2008年の過労自殺事件
・社長の発言から見える圧迫体質
・相次ぐ違法労働の報道
・「ワタミの介護」での死亡事故
・労災認定に「遺憾」
・過労自殺遺族への不誠実な対応
・被害者を「採用したのが間違い」
・スラップ訴訟の意味と定義
・アメリカで問題化したSLAPP
・大手人材会社:クリスタルのケース
・消費金融最大手:武富士のケース
・ノルマに堪え兼ねた社員からの告発

第4章 恐るべき「労働潰しビジネス」の実態
・個人加盟ユニオンは“最後の砦"
・牛丼チェーン大手・すき家のケース
・アルバイトは「業務委託」
・残業代は払う、しかし労働者ではない
・賄いを食べたアルバイトを刑事告訴
・目的は、「全社員」を黙らせること
・偽装倒産
・弁護士自ら「テクニック」を暴露
・団交拒否の「論理」
・引き伸ばしの「手口」
・「用心棒」の裏の顔

第5章 「ブラック企業ビジネス」が社会を壊す
・ブラック企業ビジネスの自己増殖
・紛争を増殖させる労務管理本
・パワハラも「テクニック」?
・「貧困」への高額請求
・司法制度改革と「ビジネス化」
・個別紛争に関する制度整備
・ブラック士業とは「経営者の味方」とは限らない
・「ブラック企業ビジネス」の弊害

第6章 貧困化の果てに――変容する弁護士界
・なぜ弁護士は食えなくなってきたのか?
・70万円弁護士の衝撃
・国選弁護の空きをケータイで待つ
・貧困の果てに
・PRに熱心な弁護士事務所の実態
・彼らの報酬構造
・無能弁護士の増大
・暇な弁護士ほど有名になる?

第7章 意外な「ブラック企業」の加担者
・ブラック企業の定義
・ブラック企業批判は「いじめ」か?
・真の問題はどこにあるのか?
・企業に対する信頼ありきの就職
・そして学校からブラック企業へ
・高い就職率に隠された罠
・福祉事業のビジネス化
・市場原理の限界
・家族の「ブラック化」

終章 「アリジゴク社会」を乗り越えろ
・本当の専門家集団を作る
・「戦略的思考」を持て
・ブラック企業から身を守るためにできる、3つのこと
・ブラック企業対策プロジェクトの結成

おわりに
参考資料

本書のメッセージで一番重要なのは、こういうブラック弁護士やブラック社労士は、経営者の味方ではない!ということでしょう。ブラック士業のいうがままにとことん労働者と争ったあげく、初めに和解していれば安く済んでいたものを、えらく高くついてしまい、下手をすれば会社がつぶれるに至るのだよ、彼らは自分が儲けるために喧嘩をけしかけているだけだ、と今野さんは言いたいのです。

ただ、一方で現実に生じる紛争を変にこじれさせることなく解決させる上で、良心的な社労士たちににもう少し活躍して貰いたいという思いもあるので、なかなか難しいところではあります。


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