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ブログマーケティング3.0の時代

ブログマーケティング3.0
マーケティング界のカリスマが最近話題となっていて、コトラー氏が提唱する「マーケティング3.0」が、ものすごくソーシャルなこの時代にぴったりはまっているものがあるなと感じた。
私のブログもすでに、ツイッターなどのソーシャルメディアからのアクセスが、わずか4ヶ月で尋常じゃないくらい増えました。

コトラー氏のマーケティングは以下。

マーケティング1.0 どのようにして販売するか?
マーケティング2.0 どのように顧客に継続購入してもらうか?
マーケティング3.0 どのように生活者に(製品開発や販売などに)協力してもらうか?
マーケティング3.0ってなんだろう?

そしてこれを私が考えるブログ論にして考えるとこうなります。
1.0 どうやって読んでもらうか?
2.0 どうやってユーザーにリピータになってもらうか?
3.0 どうやって読者に協力してもらうか?

今回は販売マーケットとは全く違うお話になりますが、ブログを書いている人にもこのマーティングのお話は非常にわかりやすいわけ方になっているため、一緒に勉強していければと思います。

検索エンジンマーケティング


あらゆる手をつかって、検索エンジンを騙し、検索エンジンのためにHTMLを書き、検索エンジンの為にページを作るマーケティング。マーティングと言えるものではなかったが、非常に完成度の低い検索エンジンには有効な手段だった。
検索マーケティング
ある日ウェブに情報を公開する事で人が集まるということを知った人がいる。
ウェブに接続することで、普段の生活では得ることができない新しい情報との出会いが始まったユーザーはこぞってウェブの情報を見るために集まった。

この時、実はまだ需要が高いわけではなかった。
むしろ供給する側、HTMLを使いページを作っていた生産者が、情報を欲していた。同時に生産するためのインターネット接続環境を持っている生産者こそが、ヘビーユーザーだったため、需要と供給のバランスは実にシンプルな形となっていた。こんな時代はコスメの情報を載せたところでそれを閲覧するユーザーは少なかったのです。

この時代の最大のマーケティングは、検索エンジンでした。
Yahooに認められ、Yahooの検索結果の1ページ目に出ること。Goo、フレッシュアイ、ライコス、エキサイトといった、日本では「いわゆるポータルサイト」と呼ばれるサイトからの訪問者を期待するしかなかったのです。



ブログマーケティング1.0


どうやってユーザーに訪問させるのか?
時代は変わり、ウェブに情報を公開することへの垣根を減らしたツールが誕生した。

ブログの誕生です。

この時、インターネット常時接続時代が到来する。ISDN、ADSLといった回線が、一般ユーザーのインターネット参加を促していきました。しかしこの時点ではブログはまだそれほど多くない。

ただ、HTMLでページをつくっていたユーザーから見ると、わりと知識がなくても情報を公開できるようになった為、情報としての量は膨大に増える結果となる。

逆に情報の質は低下する一方だったのです。

「おきた」「ねみぃ」「近所のおやじ腹立つ」そんな情報があふれていった。

そのため、ブログが誕生した当初は、HTMLページでしっかりとコンテンツを提供している人たちから比べると、情報としてはいらないものが多かった。当時ブログが誕生してすぐに検索エンジン側にて、ブログフィルタが誕生したり、ブログ専門のサーチエンジンに別けたりといった、ブログ記事の排除作業が行われていたのです。

しかし更新が楽なだけあり、ページはどんどん増えて行きました。
量が量なだけに、検索エンジンにはブログが多数登場するようになり、記事単位で表示されるようになる。
検索エンジンは「ブログ」によって非常に使いにくい物となっていった。

当時の検索エンジンは、記事のフッターやヘッダーに、適当なキーワードを入れておけば、記事の内容などどうでもよくても、検索エンジンが人を案内してくれる。
これはつまり、ユーザーを見る必要など無いし、記事の質を問う必要もないということを意味している。
ブログマーケティング1.0

ユーザーを見るのではなく、製品(検索エンジン)を攻略する時代だったのです。
数とキーワードがそろえばいいので、ワードサラダという手法のスパムブログが一気に増えました。
「ワードサラダ」 - 時代を読む新語辞典 - ビジネスABC

一番最初に紹介した、検索エンジンマーケティングのまま力を入れていれば良かった時代だったのです。



ブログマーケティング2.0


ある程度、他の人からリンクされている、質が高い記事かもしれないというアルゴリズムの開発が進み、時代は、検索エンジンが記事の優劣にレベルをつける時代にった。
これによって、記事に「質」が求められるようになり、質が高ければ訪問人数も増えてくるという環境が整った。また、いかにしてブログのリピーターを作るのかを考えるようになっていった。

記事の質
この時、頭を一つ飛びぬけて出てきたのがGoogle検索エンジンだった。
ユーザーは、どうでもいい情報よりもピンポイントで質の高い情報を必要としている。

Googleはこうしたユーザーに、ピンポイントで、より多くのユーザーに求められている記事を紹介してくれたのだ。質の高いブログの記事をGoogle検索エンジンが仕分けをして紹介するようになった。

これこそが、本当の意味でのブログマーケティングの誕生です。

より多くのユーザーに認められる記事は、より多くのリンクを集めている。
Googleはこうしたリンクに価値をつけて記事を紹介している。

つまり、より多くのユーザーに認められる記事を作ることに、ようやく意味が生まれた瞬間でもあるのです。

先ほど書いたとおり、適当にブログ記事のフッターに、大量のキーワードを書いておくだけで検索エンジンが人を案内してくれるので、まじめに記事を書く必要など無かったのです。

ところが、こうしたある程度正当な仕分けをされるようになった事で、ブログの情報の質は大きく変化していきました。

エンドユーザーのことを考えて書かれる記事が力を発揮するのです。

エンドユーザーの事を考えて記事を書く。それはすなわち、リピーター確保へのはじめの一歩でもあるのです。
また、同じく海外の記事を紹介するというブログにしても、よりユーザーに認められるような翻訳、情報のチョイスが求められるようになったのです。

技術、ノウハウ、テクニックといった情報は、その人の言葉で書かれる記事をオリジナル記事とよび、それらを紹介する記事を、紹介記事。それらをまとめる記事をまとめ記事と呼ぶようになる。
そして、全ての記事の質は、この「オリジナル記事」の発展とともに、レベルが上がります。

「紹介」「まとめ記事」の資本は結局「オリジナル記事」だからです。
わずか5年前からGoogleが変わり、記事が、ある程度正当な評価が得られるようになったことで、クオリティの高いオリジナル記事を生み出すブロガーが増加しました。

余談ではありますが、ではオリジナルが正義かどうかでいうと、「オリジナル記事資本主義」にはなりません。
1)「オリジナル記事」は、「紹介記事、まとめ記事」によって評価を得ます。また、紹介されている数が多ければ多いほど評価が高くなります。これは、結果的に検索エンジンからも評価を得ることができる方法となります。

2)「紹介記事、まとめ記事」は、「オリジナル記事のクオリティ」と「紹介している記事の数が少なければ少ないほど」ユーザーからしてみると高い評価になります。

この二つは夫婦のように一対で、お互い持ちつ持たれつの関係を維持して発展しました。

つまり、このとき必要なブログマーケティングとは、ブロガー同士のネットワークが非常に重要な役割を果たしていたのです。



ブログマーケティング3.0


情報はさらに、はちきれんばかりにあふれ出します。もはや情報は洪水のように流れ、ちょっと気を緩めれば一瞬にして手の届かないところまで流れて行きます。

情報を得る側も大量に増えました。また、手軽に誰もがPOSTできる時代が到来したのです。

それが携帯ユーザー達のソーシャルメディアへの参加です。
PCを持って居なくても、自分の意思をwebに残すことができるようになったのです。

mixi、モバゲー、TwitterやGREEによって、自分の意思を簡単に表明できるようになりました。
これによって、ユーザー同士でブログの記事や情報を共有して、紹介しあうようになっていきます。

おかしなブログの記事には即座に野次が飛ぶようになったり、素敵なエピソードのお話があれば、ちょっとした事で話題となり、人の目に触れるようになりました。

適当な記事を書いていたブログは、ユーザーのその目で判断され、駆逐されていきます。
これまでのようにブロガー同士のリンクのつながりではなく、読者一人ひとりがそのブログやブロガーを判断して、評価しているのです。
ブログマーケティング3.0
3.0の特徴である、どうやって読者に協力してもらうか?がひとつのポイントとなる時代なのです。



3.0をどのように実行するのか


たとえば、リンクひとつに、相手先のスクリーンショットを付け加えたりといった、ちょっとした部分にこだわりを持っている人のブログは、2.0で重要なリピータを増やすきっかけとなります。

タイトルをしっかりつけて運営している人は、1.0にいまだに強いブログとなります。

しかし、このブログマーケティング3.0は、そのブログをまず誰かが見ないことには、何の意味もありません。

この3.0を実行する上で必要なものは以下のいずれかになります。

1)検索エンジンからの訪問者がソーシャルメディアに流してくれる

2)リピータがソーシャルメディアに流してくれる

3)自らがソーシャルメディアで流す

の3つとなります。

これまで、様々なブロガーを見てきましたが、自らがソーシャルメディアに飛び込み、多くの人と仲良くなったうえでブログを成功に導いた人も居ましたし、逆にブログ一本でのし上がった凄腕の人もたくさんいました。
あくまでも今、「ブログ中心」のお話をしていますが、海外ではフェイスブックが中心となって居ますし、日本ではTwitterの熱はまだ冷めていませんので、どう転んでいくかはわかりません。

ただ、いずれにしても、このブログマーケティング3.0はこれからも加速していくように感じます。
もしも乗り遅れているかもしれないと感じたら、今一度考えてみてください。

それでは、また。
@yamada_nt
Posted by@yamada_nt
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Comments 4

There are no comments yet.

hayato@BNP WEBコンサルティング  

No title

初めまして^^

コトラーの本はまだ読んでいませんが、記事の内容には同感です。

マーケティング2.0の時代では企業はチラシや広告などを使って見込み客にメッセージを発信していくという感じでしたが、今みたいにソーシャルメディアが普及した現代は見込み客&顧客を通してメッセージを発信して行くという流れになって来ているのかなと思います。

2010/10/30 (Sat) 19:08

りうぢ  

facebookといっても

海外ではfacebookと言いますが、twitterは面白かったら続きは他のサイトで、という気軽に飛ばすかたちであるのに対し、facebookはユーザーを閉じ込めるタイプですから、facebookは非常に使いにくいし、効果も薄いです。だから、facebookで商売宣伝している人達は、ふりまわされているか、ブログやwebsiteを制作、運営できない人が次善の策としてやっていると感じます。(私はボストンで写真スタジオ経営しています)

2010/11/20 (Sat) 02:01

トミー  

No Title

いつももの凄く参考にさせていただいております。

誰かに紹介してもらうと言う観点では、ソーシャルメディアのみが大切というわけではないと思いますが、ここ最近のソーシャルメディアの影響力を考えると、最優先に考えるべき対象なのかもしれませんね。



紹介してもらう方法に正解はないと思います。というのも、おそらく同じ方法でアプローチしたとしてもブログによって結果が変わってくるからです。まず何よりブログの内容によって見る人の特性も違います。おそらくこのあたりをよく吟味してトライしないと非難されて終わってしまう可能性もあるかと思います。



人の力を借りるという方法。やり方によっては爆発的な効果を生み出す可能性がありますが、失敗すると大打撃となってしまう可能性もあると思います。


最終的にはいかに濃い記事をかけるかということなんでしょうね。

2010/12/12 (Sun) 22:47

yamada  

Re: No Title

トミーさん
コメントありがとうございます。

> 最終的にはいかに濃い記事をかけるかということなんでしょうね。

私も昔そう言う事なのかとおもっていた時期がありますが、少し変わりました。
濃い記事、ではなく、人の心に届く記事が良いのかなと。

たと短い短文ですら、人の心を動かす力は確実にあるとおもいます。
多くの経験を、うまく表現する事の楽しさはそこではないかとおもいます。

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