これからのブログマーケティング戦略

かなり偏った考えを書こうと思うわけですが、結局なにが言いたいかというと、ブログを中心とした戦略のお話です。
私はこれまで多くの記事をへて今日まで「ブログの事」を書いてきたわけですが、これらは全て、ブログを中心に考えたものを書いてきました。
例えば、文章はこうあるべき、タイトルはこうあるべき、記事の構成は、ビジネスブログならこう書くべき等がそれに該当するかと思います。見やすくするためにはどうすればよいか、読者に喜ばれるにはどうすればよいかと言うのが一つの『妥協点』として決めていたからです。
本日の記事はそう言う面から考えると、この『妥協点』のレベルをワンランクアップして書いてみます。
『妥協点』について
そもそも、マーケティングにのみ焦点をあてて考えると、世界にマーケティングという存在を築き上げたフィリップ・コトラー氏のマーケティング・マネジメントやマーケティング原則を見る事で、市場でのマーケティングの必要性が見えるわけです。
なので、大きなマーケティングの「戦略」の中の、ごく一部がブログマーケティング戦略であり、さらにその中に細分化された、ブログを書くコツや、見やすく書くコツなどの「戦術」が含まれる。
つまり、現在の日本では比較的「戦術論」が人気のエントリーに上がりやすい傾向にあります。
これは、ブログというものを考えた時に、企業ブログを書いている社員に、全権があるわけではなく、書けと言われて書いていて、その癖変な事を書くと罰があるという、窮屈な状態に問題があります
ですから、その窮屈な中で出来る範囲が、あくまでも「戦略」ではなく「戦術」という事になります。学ぶという点において、多くのブロガーが求めているのは、「戦術」なのです。
もっと噛み砕いて言うと、考え方ではなく、ブログのアクセス数を10倍に増やす方法ということです。
さて、最初に書いた『妥協点』はここから来ています。
ブランド戦略の第一人者で、カルフォルニア州立大学バークレー校のハース・ビジネススクールのマーケティング戦略コースの名誉教授であるDavid A.Aaker(デービット・アーカー)氏の言葉に次のようなものがあります。
つまりこのブログで言えば、出来るだけ多くの読者が求めているものを集中的にコンテンツ化して掲載し、全体的な戦略の部分の話はほとんどしてこなかったと言うのが現状です。最もロイヤリティの高いユーザーの支持を得て、彼らがあこがれる世界最高のSUV車を作る事はどのメーカーでも可能です。しかし、あなたが抱えているユーザーの多くが、今はハイブリッド車がほしいと言うことであれば、世界で最高のSUV車が、どれだけ優れていても駄目なのです。
私はこのブログで、企業の経営者をターゲティングしているわけではありませんので、経営者が読むような戦略的なお話をしても効果が薄いと考えていましたし、むしろ、企業の経営者なら、ブログマーケティングの前に、コトラー氏のマーケティング・マネジメントやDavid氏のブランド・エクイティとか学んだほうがずっと役に立つに違いないと言えますので、おそらくこれからもメインは戦術的な話が中心になるかもしれません。
web屋さんに具体的にわかりやすくいうと、ECキューブ、WordPressといったさまざまなツールに対して、非常にわかりやすい導入の初心者記事と、ある程度コアな情報とを比較した場合、コアな情報を求めている人の方が割合的に少なく、初心者用の記事の方が需要が高いと言うことになります。つまりどこかに「妥協点」があり、それを見つけてどのユーザーに対して情報を提供していけばよいのかを考える必要があるのです。
ただ、中級者以上の知識を持った人はそもそも、ECキューブが提供するマニュアルや、WordPressが提供するマニュアルを参照する人が多いからというのもあります。
また、さらにこれらを一般的なマーケティングの観点から考えた場合、WordPressを使う、ECキューブを使うといった選択は戦略になり、WordPressの導入方法や、テンプレートの変更等は戦術になりますが、さらにこの「戦略」をブログのみで考えていく事で、どのような情報を、どの妥協点で折り合いをつけて情報を発信して行くべきかというところまで考える事が出来るようになって来るのです。
ブログブランドを築き上げるためには、戦略がある程度もとめられます。こうした考えを実際にブログという枠の中だけで考え、そしてそれらに対して具体的な戦略を付加して行く事で、企業のブランドや、個人ブロガーのブランド力を育むことが出来るのです。
これらを私は総称して、ブログマーケティング戦略と呼んでいます。
ブログマーケティングの必要性
実際にネタ帳もこの4年間で色々な実験をこのブログでしていますし、私が行ってきたブログマーケティングに関しては、公演など、直接会ってお話していく事になりそうですが、ブログマーケティングを中心に考えていく事は非常に重要だと考えています。
考え方は人それぞれですが、ブログを中心とした考えの中には、現在Twitterや、Facebookといったソーシャルネットワークの存在がきっても切り離せないものとなっています。
今日のシリコンバレーを築いた100人の中の一人、テクノロジーのマーケティングを行うRegis Mckenna(レジス・マッケンナ)氏は、マーケティングは刻一刻と進化し続けるテクノロジーに追いついて行かなければならないと強く主張していますし、なによりもマッケンナ氏は、マーケティングの最重要項目は、ブランディングよりもはるかにユーザーが喜び感動する製品を作り上げる技術と、ユーザーの声をいかにして聞きだすかということに重点を置いています。
これもブログに置き換えるとわかりやすいですが、ユーザーが求める情報を創造して行く事が強いブランドを作るために必要不可欠ということになります。そしてTwitterやFacebookといった新しく革新的なものをうまく取り入れて行く事も、リスクを負いながらでもチャレンジしていく価値があると言えます。
コトラーの言葉の中の一つに、「あなたがメッセージを送りたいターゲットに対して、どれだけ良質な製品やサービスであったとしても、10秒間の注意を引くことですら簡単な事ではありません」というものがあります。
しかし、ここ数ヶ月で、TwitterやFacebookは、偶然的な出会いであったとしても、その10秒間の興味を引く力は、絶大な効果があると私は確信しています。大きな勘違いをして、単に製品の営業しかしないアカウントはその時点で論外と言わざるをえませんが、非常に効果的に、そして楽しみながら活用しているユーザーは沢山います。
『これらの戦略の中心に位置しているのがブログである』と言うのが私のブログマーケティング論なのです。
これまでのブログをこれからのブログへシフトしていく事で、あなたのブログは、あなたが選ぶターゲットに対して、しっかりとしたメッセージを送ることが可能になります。
ただ、一つだけブログマーケティングのお話をする前に、まず覚えておいて欲しい事があります。
それは、博士号をとるような多くのマーケティングの偉人たちが、口をそろえて言う言葉の中にあります。
利益に直接的につながる販売や、販売方法は、マーケティングとは違う
と言うことです。それらは、非営利団体であっても、しっかりとしたマーケティングの元活動して行く事で、ターゲットを選定し、言葉を伝えていく事が可能であると立証されているからです。
早い話、ブログから利益を出していく戦術と、ブログをブランディングし、ブランド力を高め、ブログに対する需要を作る戦略との二つのスキルは、別物と考えてほしいのです。
戦略においては、マーケティングの基礎である、セグメンテーション、ターゲティング、ポジショニングをフル活用する事で、ブログへの需要をつくり、ブランド化させていくことが出来ます。
戦術に関しては文章術やタイトルネーム、画像をつくったりといったものが該当します。
つまりブログマーケティング戦略において、ブロガーが一人だった場合は、これらの二つの考え方と、スキルを磨く必要があります。しかし、ブログブランド力さえあれば、戦術が多少弱くても、なんとかしていく事が出来るのがブログの強みだと言えます。そう難しく構える必要はないかもしれません。
ブログセグメンテーション
このあたりはさらっと説明していきますが、セグメンテーションとは市場を切り分けて、どの市場にどの情報をぶつけて行けばよいかと言う事を考察していく事から始まります。
それらの市場にどれだけのユーザーがいて、どのようなニーズを持っているかを注意深く考えて行きます。
webは巨大な市場であり、ニーズは絶え間なく進化し続けています。
巨大な市場に対して、全てのユーザーのニーズをかなえる情報を提供する事は不可能です。
長い髪の女性が好きな人もいれば、ショートヘアの女性を好きな人もいるからです。
例えば現在であれば、ソーシャルネットワークの情報のニーズが高まっています。
単純に考えると、Facebook全般、Twitter全般、多岐にわたり情報を提供することで大きな市場を獲得出来ます。
しかし、ニーズのあるところには、必ずライバルも現れます。
ソーシャルネットワークの情報は多くのユーザー達によって、幅広く解体され、攻略されていきます。あなたが提供する情報が、どれだけ優秀であっても、それらのライバルと同じような事をしていては、市場を単に食い荒らすだけに終わり、最終的には、何も残らないと言う状態になるでしょう。
そこで初めてセグメンテーションを考えます。
例えばFacebookの情報を細分化していき、その分野にのみ勉強してけば、他のだれよりもその分野に強くなるのは明確です。もっと言えば、Facebookの様々な情報の中の「Facebookページ」の情報に対するニーズを解決するようにしてみるとかが、それにあたります。
iPhoneアプリをたまにブログに書いているブロガーと、iPhoneに関する事しか書かないAppBankでは、その差は明確だと言う事です。
セグメンテーションが決まれば、ブログの方向性が決まります。そのブログでは、文字通りFacebookページの情報のみを勉強し、提供する事で、ユーザーに大きな満足を届けることが可能です。
同時に、ブログセグメンテーションの最大の欠点は、「不必要な情報の排除」にあります。
実際にFacebookページにニーズがなかったり、すぐにブームが終了してしまうと、情報を排除した結果、即座に飽きられると言うのがありますので、セグメンテーションは、非常に注意深く考えなければならない部分でもあるのです。
ブログターゲティング
ブログターゲティングとは、職業、年齢、性別、趣味、趣向、国、地域性などを考慮し、どのユーザーに対して情報を届けて行きたいかと言う部分にあたります。
これらは、ブログのデザインも密接に関係してきます。
デザインが生きてくるのは、ユーザーがもつ印象が、そのままあなたのブログの見た目や記事への印象につながります。また、どの年齢に対して記事を書いているのかとか、性別も女性向けなのか、男性向けなのかも考えます。
セグメンテーションで市場を細分化し、さらにターゲティングによって文章や口調、情報レベルを調整していくのです。同じFacebookページを説明するブログがあったとしても、20代が好み実践してみたいと思う情報と、40代の人が好み実践して行きたいと思う情報は、違うのです。
ブログポジショニング
ポジショニングとは、差別化です。
全く同じセグメンテーションの市場に対して情報を投げているブログが10個あっても、「あのブログは読みやすい」「あのブログはわかりやすい」「あのブログだけ読んどけば全部載ってる」といったものがあります。
それぞれ、どこを目指すべきかを明確にしておき、それらのニーズを解決し、提供し続ける事で、差別化が始まります。
セグメンテーションでわりと大きな市場をねらうなら、必ずそこにはライバルが存在します。
ガチンコ勝負を挑むのも良いですが、その場合は、情報、サービス、更新頻度といった「良質で純粋な力」の勝負となります。逆に、ポジショニングで他との差別化を図る事が出来れば、共存する事も可能であり、どちらも1番を目指す事が出来る環境を作れると言う事になります。
抜群の信頼性をブログで作れる
ブログが素晴らしいと言えるのは、例えば私が実は住所不定で、実は結婚してなくて、ぽつんと島でひっそりと暮らしていようとも、私のブログを見た読者の中には、この人になら是非会いたいと思ってくれる人はいるだろう。
それほどまでにブログ、特に活字と情報は、人の印象に残り、そして信頼を獲得できる優れたツールなのです。
小さいころはおもちゃや、ゲーム機等を持っているだけで楽しいをシェアする事が出来ますが、大人になったら「もう一度あの人とお話したいな」と思える人は、新しい情報や、面白い情報を持っている人です。重要なのは『情報』なのです。
こうした情報をまとめ、特定の読者に配信し続ける事で、読者はブロガーに対して、たとえ会った事がなかったとしても、信頼を寄せます。逆に私も過去に何度かありますが、炎上してしまったりすると、信用を落とします。
しかし、反省は大事ですが、常に前を向き続けて、それでもまた読者に対して良質な情報を配信し続ける事が大事です。
とくに炎上した場合、自分自身がどれほど反省しようとも、それに対する満足の得る謝罪と言うものが存在しない事がわかりました。これは一度その人にレッテルを貼った人や、そのほかの記事を見ず、その記事だけを見た人も同じく、容赦なく攻め立てられます。なかった事には出来ないのです。
それは自分自身の中で反省をして、また心機一転前を見ていく必要があります。
バージニア・コモンウェルス大学の心理学者ジェフリー・グリーンの面白い研究結果があります。グリーンは被験者を2つのグループに分けて、それぞれに『未来の自分』と『過去の自分』について、様々な事を考えさせた。
その後、今度は『現在の自分』についてどう考えているかを考えてもらい、自己評価点を100点満点中、何点なのかという測定テストを行いました。その結果、『過去の自分』を考えたほうは平均64点となり、『未来の自分』を考えた方は平均76.39点となりました。
人間は、過去の自分を考えれば考えるほどに、自分自身の評価を低く見積もり、未来を考えている人ほど、自分の評価を高く評価するのです。
過去の事を考えすぎると、それ以降の記事にも多大なる影響を及ぼします。私も周りの目が気になったり、気をつけて書かなきゃと思ったりして、著しいポテンシャルの低下を起こすことは、体験済みです。
しかし、最終的にブログを書くと言うことは、私にとっての快楽好意でもあり、好きで書いているのですから、過去の事を考えすぎても、なにも意味はありません。今自分が書きたい事を書きなぐれなければ、書く意味がないのです。
ブログは読者のニーズに答えつつ、記事を書き続ける事で、大きな信頼を得る事が出来るのです。
失敗の一つや二つで筆を止めるべきではないのです。
ブログブランドの確立とPV数
多くの読者を抱えるブログは大量にあります。
また、特定のニーズにのみこたえ続けているブログは、PVやUUという結果はそもそもどうでもいいと言う結論が出ています。
以前に私が担当したコスメブログのオーナーからの相談で「PVが伸び悩んでいます」という相談がありました。
さて、コスメブログにおいて必要なのはPVなのか?と言うのが最大のポイントです。
今年のブログ新人賞に輝いたAppBankというブログがあります。
iPhoneをこよなく愛してやまないブロガー集団ですが、彼らは、PVなど見向きもしないといいます。livedoor主催のイベントに参加した時に聞いた話では、実際になにを見ているのかというと「紹介したiPhoneアプリが、どれほどダウンロードされたのか」というところに着目しています。
つまりPVよりも、はるかに読者に対して『そのアプリの良さを伝えることが出来たのか?』という部分にフォーカスを当てているのです。
実際に一日2000UUのブログからでも、多大なる売り上げを上げているブログはあります。
コスメブログにしても、多くのPVを稼ぐ戦術はいくらでもありますが、戦略から考える事が重要です。
私はこのとき、どういう市場に対して、どの読者に対して、記事を書いていますかと聞いたところ、『考えた事もありませんでした』という回答が帰ってきました。
また、取り扱う商品は、ご自身で作られた3品の製品と、楽天から購入して使った化粧品いくつかの体験談を元に掲載していました。
これはアフィリエイトの本が原因である事は、これまでの経験でよくわかっている事なのですが、多くの書店に並ぶアフィリエイトの本は、ここぞとばかりに戦術が書いています。こう書けばよい、こういうところに広告を設置するとよい、商品を説明するときはこうすると良い、という情報が多いのです。
しかし、大事なのは、購入してくれる読者を見ることです。化粧品一つとってもそうですが、何歳くらいの人に見せたいのか、化粧品だからやはり女性なのか、それとも男性ものの化粧品なのか、その市場ではどの程度の商品がどんな価格で売れているのか等を調べる事で、読者のそのブログに対する需要を高めることは可能なのです。
そして需要を求めている読者たちだけの1000UUであれば、そこから売り上げは発生するのです。
製品自体には、他社との差別化が図られて作られているものですが、実際のブログが差別化を図っていません。
まず、ターゲットを30歳の女性、化粧品に対して、いくらくらいまで出してくれるユーザーなのかを決めます。
その後、職業まで連想していきます。この時は、OLという結論に達しました。
すると、今度はブログのデザインに手が伸びる事になります。
比較的安い化粧品のため、高級感のあるデザインは必要ありませんが、少なくとも、健康的で、女性らしさを伝えることが重要です。
その後、今度は記事の内容を考えて行きます。
3つの自社製品を販売したいのですから、その他のアフィリエイトはかなり抑え目にしていきました。必要なのは、ブロガー自身がその製品を使って、健康的であり、豊かな生活をおくっていると言う事を伝えることです。
また、OLが求める情報は別に化粧品だけではありません。30代の女性が求めるものは多く、特にこの場合は飲食店や、デートスポット、安めワインのお話、ちょっとした懐かしい昔話といった、相手を想像する事で、イノベーションを働かせて、これらのユーザーのニーズを、『情報』で解決していく事に勤めてもらいました。
つまり、同じようなカテゴリの記事を書き続けるのではなく、そのターゲットが全般的に必要としている情報を提供する事が大事だったりします。
簡単な事ではありません。時には書店に足を運び、30代の女性が求める情報とは何かを調べてたりもしてくれました。正直、10件の案件があっても、それに対してマーケティングを実践してくれる人は2人か3人しかいません。多くのクライアントは、戦略論よりも、戦術を好みます。
具体的にどうすれば、どうなるのかを教えてくれと言うのです。
しかし、これらを続ける事で、検索エンジンを中心に、30代女性のOLが集まりやすくなります。
その結果、商品の良さを伝える事が出来れば、購入率は高くなります。ここで初めて、ブログにブランド力が誕生するのです。
ブランド力、ファンがつく事で、購入した人へのサポートも含めていくと、体験者からの声を聞くことが出来るようになります。そして、体験者の声は、より商品に対してのブランドを高めることが出来ます。
一時的にPVを増やす方法や、売り上げを上げる方法はいくらでもありますが、私は将来にわたり、マーケターが一人でも増えて、それを実施し続けてもらう事に快楽を得る、ある意味変態です。
ブログに対する需要ができれば、おのずと結果がついてきますし、ブランドは後からついてくるものだと考えています。ですから、PVを悩むよりまず先に、長期的な考えを持ち、ブログマーケティング戦略を導入する必要があるのです。
そして、時代の波にもまれても、自身で再度マーケティングをして、新しい展開をする事が出来るようになれば、それで良いのです。
双方向コミュニケーションのありかた
時代は移り変わり、マスメディア広告からインターネット広告へとシフトされつつあります。
レジス・マッケンナは、2007年のインタビュー時にインターネットについてこう示しています。
今現在で、これをみて思い浮かべる日本の人物が一人いるはずです。関心のない視聴者に一方的にメッセージを送りつけるという方法は、インターネットでは通用しない。インターネットは双方向のやり取りで人をひきつける。リアルタイムに反応し、常にユーザーとコンタクトができ、ダイナミックに反応する事の出来るマーケティングが求められます。
こうしたマーケティングが実現するには、もう数年かかるかもしれまないが、すでにそうしたマーケティングが徐々に浸透してきているのがわかるはずです。
(これらはレジス・マッケンナの著書「トータルアクセス」や「リアルタイム・未来への予言」で視聴者に与える効果についてさらに書いています)
ソフトバンクの孫さんのTwitterが良い例かもしれません。実際にTwitterでの会話を通じて、浜崎あゆみさんはソフトバンクのCMに出る事にもなったわけですから。
これからの事を考えると、ブログを中心としたそのほかのソーシャルメディアの必要性は高まるばかりかもしれません。しかし、ソーシャルメディアを使っている多くのユーザーは、「楽しい」と言う事を第一に考えているというのを忘れてはいけない。
大袈裟かもしれませんが、ユーザーには、広告を出すと言う許可を得て広告を表示する必要が出てくる時代を迎えています。
現在のweb屋なら誰もが知っているUstream.tvも、動画を中心に双方向でのやり取りが可能なのが、爆発的な人気の一つだと言えます。また、Facebookもその高いリアルタイム性が魅力です。
しかし、新しい物に飛び込むユーザーは、とても移り変わりが激しく、「楽しい」ものがあれば、即座にこれまで使っていたサービスをやめて、新しい物を使います。こうしたユーザーに対して、どのようにビジネス化していくかという話が非常に多いですが、企業ブログ等は、すぐにビジネスの話でもちきりになり、成功の秘訣を探し公開しようとします。
別に間違っているとは言いませんが、双方向を中心としたマーケティングの観点で言えば、Facebookのなにが楽しいのか、どうやったら楽しい人と出会えるのか、どうすればFacebookページは楽しくなるのかといった、一般的に「個人ブロガー」が書くような内容の話は、ビジネスサイドからは出てきません。
ユーザーに楽しさの情報を伝えている企業や、webサービスを提供しているプログラマーの方が、はるかにファンが多く、そして成功しているケースが多いのです。
TwitterやFacebookで良く見かける「良くわからない名言めいた名言」のみをたまに投下して、そのほかは商売の話、というアカウントをこれまで、死ぬほど見てきました。彼らはどこかのコンサルティング屋だったり、マーケティング屋だったり、もしくは、そういったコンサルを受けた社長だったりします。
しかし、多くのユーザーはそれを毛嫌いし、静かにブロックしたり、Facebookで言うとフィードに現れないようにされてたりしている事を知りません。ブロック後に、ユーザーが悪口を言っている事を見ることが出来てないからです。
強烈で良質な「製品」や「情報」をしっかりと宣伝する事は悪い事ではありません。しかし、双方向で成り立つ場である事を忘れ、例えば数字だけを追い求めてたりする傾向が強かったり、双方向の必要性を省き、一方的になっていないかを、もう一度確認する必要があるのです。
まとめ
これらの考えは、ある意味ブログから楽しい物を奪うようなイメージが強いです。
しかし、大好きなものを伝え続けているブログや、自分の考えをぶつけて、そのフィードバックを楽しんでいる人など、ブログの楽しみ方も様々あることでしょう。その時に、本当に伝えたい事を伝えたり、より自分が作ったwebサービスに生かすスキルや考え方さえ理解していれば、楽しさはさらに増すことも多々あります。
多くの人の役に立つであろう情報が「だれの目にも止まらない」という時代は終わっているのです。
誰もがその良さを伝える機会があり、チャンスに恵まれた時代だと言えます。
ブログの記事にしても、今月私がお手伝いした方の記事は、ブログ誕生から1記事目ではてブホッテントリに入り、多くのブクマがつき、その結果、多くのフィードバックや、賛同者を得られるようになりました。その方が多くの人に伝えたかった事を、伝えきれたのではないかと思います。
マーケティングを窮屈なものと考えるのか、それともそれを生かして、チャンスを掴むのかは勿論人それぞれですが、少なくとも私は現在のインターネットの流れでいうと、知っていれば楽しくなる技術だと思っています。良質な情報が目につきやすいようになれば、更に私もマーケティングをする楽しみが増えますし、多くのユーザーがより楽しくなってくると思います。
あまりにも長くなってしまうので、まだまだ書ききれない部分がありますが、今日はこのへんで。
それでは、また。