スカーレット (第109回・2020/2/10) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『スカーレット』(公式サイト)
第19週『春は出会いの季節』の
『第109回』の感想。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。
京都の美大で陶芸を学ぶことになった武志(伊藤健太郎)。入学式当日、喜美子(戸田恵梨香)はマツ(富田靖子)と共に武志との時間を名残りを惜しんで過ごす。心配する喜美子をよそに武志が「大学中は帰らない」と宣言。喜美子は武志を送り出してから八郎にこれまでの仕送りのお礼を兼ねて連絡しようと考える。ちゅうちょしながら電話をかけると、受話器から見知らぬ女性の声が。一方、照子(大島優子)が山盛りの野菜を持ってきて
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
第19週で、なぜか本作初担当の野田雄介に演出家が交代
第19週になって、なぜか本作初担当の野田雄介に演出家が交代。 野田氏はベテランの部類のNHKのディレクターだから、「新人の練習台」ではなく「期待のテコ入れ」と考えたいところだ。そんな “僅かな期待” を込めて観始めた第109回。
恐らく、脚本的には余り変わってはいないが、今回が先週、いやこれまでの『スカーレット』の中で、異なった印象を持った。
伊藤健太郎さんの"若い演技力"を映像が映像に活かされた!
まず、アバンタイトルから、俳優が積極的に動作をしながら台詞を喋る場面と、スタジオセット内を広く動く動作をお取り入れ、ちょっと褒め過ぎに言えば、アクティブな塩蔵になった。特にそれは、武志を演じる伊藤健太郎さんの “若い演技力” を映像に、ドラマに活かそうと言う演出家の意図かも知れない。
急に喜美子が陶芸をしながら他の動作をするカットが増えた!
また、“ヒロイン女優の演技力” を活かすために、喜美子(戸田恵梨香)が陶芸(作陶?)をしながら、考えたり喋ったりするカットが幾つかあった。実は、この映像が極端に少なかった。
要は、喜美子が陶芸家であることを視聴者に伝える最も簡単な方法が「陶芸をしながら何かを同時に行う喜美子」のカットの大量投入だ。今さらだとは思うが、やっとNHKも気付いたか…と思う。
八郎の"女"の存在に今さら動揺するのが不自然で少々不快…
さて、良かったのは「留守番女」が登場するまで。離婚して数年も経過しているのに、今さら八郎(松下洸平)に “女” がいることに、喜美子が動揺って何を描きたいのだろう。
八郎にお礼を言うタイミングも不自然なら、留守番電話を知らないのも不自然だし。要は、この歳になっても喜美子は自分勝手な女性のまま。そこが、ちょっと? 不快かなと。
残り2か月となった本作の私なりの"新たな楽しみ方"を提案
結局、今回の感想も、あまり書くことは無かった。そこで、ここ最近、『スカーレット』の感想に書くことがなく、何となく自分で寂しく思っていたから、今回は、残り2か月となった『スカーレット』の私なりの “新たな楽しみ方” をご提案しようと思う。まあ、明日も祝日なので、「読み物」として読んで頂ければ…と思う。
ここ最近の提灯記事の先の展開のあらすじが細か過ぎる!?
さあ、いよいよ今週は、〇〇さんが亡くなって、〇〇さんが市議会議員になって、喜美子(戸田恵梨香)の作品を高額で買いたいと名乗り出る〇〇さんが登場するなど、ネット上の提灯記事の類の殆どが、予告編から想像するには少々詳細過ぎる “あらすじ” の細かいのだから “こますじ” とでも言っておこうか(苦笑)
どうやら、NHKは「先の展開を読みたくない人」にも読ませて、それで強引に興味を惹かせようと言う作戦に出たようだ。3月の “あの人” 登場も武志の病気も相当早くからネタバレさせていたしのが、それを照明していると思う。
「荒木荘時代」は『なつぞら』直後だから面白かった訳でない
まあ、NHKの気持ちも分からなくもない。大金と長期間撮影で臨んだ「朝ドラ100作記念』の『なつぞら』が放送中から評判が悪く、要は「コスパが悪い」作品だったから、今作はコスパ重視なのか、俳優陣も物語もパッとしない。
でも、『なつぞら』の放送直後だし、ヒロイン役も20歳代からアラサー女優になり、若干の期待を込めて見始めた所、意外や意外、「陶芸家になる修業のお話」になる “ずっと前” の「下宿屋である「荒木荘」の女中の仕事修行のお話」に火が点いた。ここまではお世辞抜きで面白かった。
関西出身の俳優陣たちで、大阪の雰囲気丸出しの温かく微笑ましい人情噺が毎日続いた。そんな印象だ。ヒロイン・喜美子の実家も、濃くて変人キャラが揃えられ、実家に職場に大忙しながら自分の進む道を地道に探して進む姿には、私は共感した。
信楽に戻って来てからの物語は「〇〇のお話」と書きづらい
しかし、喜美子が信楽の実家に帰り、丸熊陶業で「フカ先生のもとで絵付け師修行をするお話」から、所謂 “端折り” が目立って来た。決して私は視聴者の代表とは思わないが、私が観たかった修業の過程は、ほぼ端折られた。そして、八郎(松下洸平)が登場してからは「〇〇のお話」と言う場合、どう描けば良いのか分からなくなった。
特に、美大出身の若者・三津(黒島結菜)が八郎の弟子入り志願をしてから、こう言う表現が定説か分からないが、「色恋沙汰のお話」が物語の中央に置かれるようになると、喜美子は八郎と三津の関係が気になって陶芸どころの話でないし。
まあ、喜美子の妻の気持ちは分からなくもないが、ドラマ自体もどんどん陶芸から離れ、喜美子の妹の百合子(福田麻由子)と幼馴染の大野信作(林遣都)と言う脇役の「枝葉の結婚のお話」に反れて行った。
いつの間にか猪突猛進の喜美子が成功して、武志も進学…
そして、三津に不貞疑惑を匂わせながらも、やっと終わったと思ったら、今度は理由は良く分からぬまま、唐突に喜美子が穴窯に凝りまくり始めた。こうなると、喜美子は「絵に描いた猪突猛進」のように、息子の教育資金まで手を付け、借金をしてまで、穴窯での薪焚きに拘りまくる。
で、気がついたら穴窯は成功し、更に気がついたら喜美子は有名な陶芸家になって、息子の武志も大学進学直前の年齢にタイムスリップ。更に、なぜか、息子も陶芸家を目指すと言う。そして、行く行くは息子も…(自粛)
「周囲の男たちの影響を受けながら生きる女一代記」に見える
以前に、読者さんへのコメント返信で、こんなことを書いたことがある。もしかしたら、本作は「主人公が陶芸家として生き抜く女一代記」ではなく、「主人公が愛する男性たちを失いながらも力強く生き抜く女一代記」になるかも? と。
でも、最近は更に「主人公が周囲の男性たちの影響を受けながら生き抜く女一代記」を目指しているような気もしている。それは、喜美子が影響を受けているのは女性では、元新聞記者のちや子(水野美紀)と元女中の大久保(三林京子)位しかいないから。
実は、「川原家母子4名」は全員男性の影響を受けるタイプ
この女性2人以外は、父・常治(北村一輝)に始まって、地面を掘り返す男・慶乃川善(村上ショージ)、草間流柔道の草間(佐藤隆太)、初恋の相手・医学生の圭介(溝端淳平)、最近も影響を与えた田中雄太郎(木本武宏)、深野心仙(イッセー尾形)もジョージ富士川(西川貴教)外せないし、当然に八郎も。
こうして見ると、男性ばかりから影響を受けている。まあ、好意的に解釈すると、ここが「喜美子=母・マツ(富田靖子)=喜美子のすぐ下の妹の直子(桜庭ななみ)=喜美子の一番下の妹・百合子(福田麻由子)」だ。
前作からNHKは「自立した女性=自分勝手な女性」を推すワケ?
これらの4人母子+ちや子に共通するのは(大久保は除く)、前作『なつぞら』から脈々と受け継がれる(と言ったら大袈裟か?)「自立した女性=自分勝手な女性」と言う構図だ。でも、私はそうは思わない。そこでネットを検索したらヒットした。それが、下記だ。
自立した女性が陥りがちな恋のミステイクとは? [ひかりの恋愛コラム] All About
ここに、興味深いことが書いてある。あくまでも「私個人の喜美子に共感出来ない部分」と、リンク先に書いてある「自立した女性のミステイクの3原則」だ。
1:マイペースになりすぎる
2:マイルールにこだわってしまう
3:「一人でも大丈夫!」と言い聞かせる
これら全てが、“八郎と離婚するまでの喜美子” に当て嵌まらないだろうか? そして、喜美子は先週「自立した女性」になった(ことになった、と言った方が正確だろう)。
喜美子が「自己完結型ヒロイン」に"怪物化"しないか楽しもう!
だから、今後の楽しみとしては、喜美子が名声もお金も手にして成功し本当に自立したなら、「イザと言う時は何でも自分で出来る」と言う自信と余裕があるはずだから、相手の許容量を慮って、上手く人に頼ったり、甘えたり、お願いことが出来るはずだ。
だって、このまま進んだら、喜美子はドラマの主人公としては全く面白味の無い「自己完結型ヒロイン」として “怪物化” して行くだけだから。その辺を、残り2か月のお楽しみとして観ると言う提案は如何だろうか? だって、3月の “あの人” 登場の頃には、助けを求める女性になっているはずだから…
あとがき
何となく、マツの体調に関する描写が不自然でしたね。これ、もしかして次回で、また数年時間経過して、ついにマツが!? そして、八郎が川原家を訪れるのかも… どちらにしても、ただのホームドラマに戻らないような工夫をふんだんに盛り込んで頂きたいです。
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【これまでの感想】
第1週『はじめまして信楽(しがらき)』
1 2 3 4 5 6
第2週『意地と誇りの旅立ち』
7 8 9 10 11 12
第3週『ビバ!大阪新生活』
13 14 15 16 17 18
第4週『一人前になるまでは』
19 20 21 22 23 24
第5週『ときめきは甘く苦く』
25 26 27 28 29 30
第6週『自分で決めた道』
31 32 33 34 35 36
第7週『弟子にしてください!』
37 38 39 40 41 42
第8週『心ゆれる夏』
43 44 45 46 47 48
第9週『火まつりの誓い』
49 50 51 52 53 54
第10週『好きという気持ち』
55 56 57 58 59 60
第11週『夢は一緒に』
61 62 63 64 65 66
第12週『幸せへの大きな一歩』
67 68 69 70 71 72(Vol.1) 72(Vol.2)
第13週『愛いっぱいの器』
73 74 75 76(Vol.1) 76(Vol.2) 77 78
第14週『新しい風が吹いて』
79 80 81 82 83 84
第15週『優しさが交差して』
85 86 87 88 89 90
第16週『熱くなる瞬間』
91 92 93 94 95(Vol.1) 95(Vol.2) 96
第17週『涙のち晴れ』
97 98 99 100 101 102
第18週『炎を信じて』
103 104 105 106 107 108
第19週『春は出会いの季節』
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