これまでで3億本を販売し「世界で最も売れたゲーム」の地位を維持しているMinecraft(マイクラ)。教育目的での利用も活発だが、プログラミング用途だけのものと思っていないだろうか。実は、英語に化学に科学、社会、歴史、美術まで、あらゆる科目を楽しく学ぶことができるのだ。特集『50兆円をゲットだぜ!日本のゲーム』(全25回)の#8では、各種教育機関でマイクラを利用した授業を行っている日本初の「プロマインクラフター」であるタツナミシュウイチ氏に、わが子の教育にマイクラを『200%』活用する方法を聞いた。小学生から高校生まで、ゲーム好きな子どもを持つ親は必見だ。(ダイヤモンド編集部 鈴木洋子)
学校のGIGAスクール端末にすでに入っているマイクラ
Minecraftカップには学生1.8万人が参加!
世界一売れた箱庭創造型ゲームのMinecraft(マインクラフト、以下マイクラ)。教育で使われるゲームとしては最もポピュラーな存在となったといっていい。全国で高校生以下を対象に開かれるMinecraftカップにはこれまで合計1万8092人が参加している。「マイクラ部」がある学校や、授業の一環でマイクラを使う学校も増えてきている。
そもそも、米マイクロソフトの教育機関向けのサブスクサービスである、Microsoft 365 Education の中に、教育版マイクラであるMinecraft Educationはワードやエクセルと一緒にあらかじめ含まれている。GIGAスクール構想で各学校にPCやタブレットが普及したが、ここにMicrosoft 365が入っているなら、もう学校でマイクラが使える環境になっているわけだ。
Minecraft Educationの開発は、教員が参加するコミュニティからのアドバイスを受けて行われている。さらに、マイクラ向けに用意されている教育向けコンテンツはかなりの広がりがあり、学術専門機関などと連携して作られたものもあまたある。そしてプログラミング塾などを中心として、マイクラを教材にした各種スクールはそれこそ無数に全国に存在する。
「まだわが子の学校ではマイクラの授業はないけれど、何か子ども向けにマイクラ教育を取り入れたい」という親もいるだろう。何をどこから始めたらいいのか。
Minecraftカップの審査委員長でもあり、日本初の「プロ」マインクラフターでもあるタツナミシュウイチ氏は、「マイクラは単なるゲームではない。そしてプログラミングのみならず、あらゆる学習に活用できる」と言う。次ページからは、タツナミ氏にわが子に使えるマイクラ教育の実践法を教えてもらった。具体的な科目ごとの活用法、子どもの能力を引き出すコミュニケーション術から、トラブル回避まで、その内容を詳しく見ていこう。