この連載は、日本郵政や法務省、日本コカ・コーラ、日産自動車など多くの省庁や企業で講演や研修を担当し、15年間にわたって約7万人の老若男女にコミュニケーションを教えてきた『オトナ女子のすてきな語彙力帳』の著者、吉井奈々さんによるものです。
本書の読者からは、
「言葉の引き出しが増えた!」「載っている言葉を1つでも多く使いたいと思った」「繰り返し読みたい本になりました」
といった感想がたくさん届いています。
相手も自分も大切にするコミュニケーションのヒントが満載の本書から、おいしさを伝える表現をご紹介します。
感じのいい人は「おいしいです」にちょい足ししてる
日常の食卓やレストランでの外食など、おいしいなと思ったら、何と言っていますか?
おそらく多くの人は
「おいしいです」
と言っていると思います。
もちろん間違いではありませんが、いつも同じ感想だなぁと思いませんか?
そんな時は、
「シャキシャキしていておいしいです」
など、五感を使って伝えてみましょう。
オノマトペを使って食感を伝えるのもいいですね。
「トロトロで最高!」
「生地がフワフワ~」
「ホクホクで幸せ」
これなら、難しいことを考えずにすぐに言えると思います。
モチモチ、プリプリ、サクサク、カリッカリ、ツルツル
など、少し付け足すだけで豊かな表現になります。
香りを伝えるのも素敵
「すごくいい香りですね」
「季節の香りがしますね」
このように香りを伝えるのもよいですね。
ほかにも、
・スモーキー
・スパイシーな香り
・柑橘系の香り
・磯の香り
・南国の香り
・フルーティーな香り
・鼻から抜ける香り
・臭みのない
といった表現があります。
ちなみに料理をほめるときには、「匂い」ではなく「香り」を。「すごい匂いですね!」と言うと誤解されるかもしれません。
ちょっとした変化球の表現
「〇〇したて」で表してみるのもおすすめです。
「焼きたてがいちばんですね」
野菜は採れたて、魚は釣りたてなど、新鮮さを表すのもいいですね。
ほかにも料理の感動を伝えるのも素敵です。
たとえば、
「やみつきになります」
「口の中が幸せでいっぱいです」
など、おいしい物を食べて、自分の心や体、細胞が喜んでいる様子をシンプルに伝えましょう。
「幸せ」「うれしい」「喜んでいる」などのポジティブな言葉をセレクトするのがおすすめです。
他店の味と比べない
料理の作り手や、連れてきてくれた相手を立てたくて、つい「〇〇のお店とは格が違いますね!」と他店との比較をしてしまいがちですが、それはNG。ひょっとすると、相手やまわりの人はそのお店が好きかもしれませんし、もしかしたら関係者という場合も考えられるからです。だれかを下げて、だれかを上げるようなほめ方は避けましょう。
何よりも「おいしい」のひと言を
おいしさの表現で大切なのは「喜びを素直に表現すること」と「背伸びしないこと」。思わずあふれ出す「おいしい」のひと言に勝るものはないですし、料理の作り手や同席している相手にも喜びが伝わります。
明るく「おいしい!」や、しみじみと「あ~おいしい」、ウィスパーボイスで「……おいしい」と言ってみるなど、変化をつけてもいいですね。
(本記事は『オトナ女子のすてきな語彙力帳』をもとに編集しています)