インタビュアー(以下淫)
みなさんこんにちは「プロレタリアで好きにして」の時間です。今週も素敵なゲストをお招きしてお話をうかがっていきたいと思います。それでは自己紹介をお願いします。
フミコフミオ(以下フミコ)
あ、ども。営業部で課長をやっている36才です。趣味は通帳記入です。
淫
何があったか話していただけますか?
フミコ
思い出すだけで気分が悪いのですが昨日総務部長から近くの喫茶店へ呼び出されたんすよ。
淫
なるほど
フミコ
その総務部長ってのが、ま、地味なハゲ中年なんですが、どれくらい地味かわかりやすくいうと、あれね、Jポップ(苦笑)におけるガーネット・クロウ的なポジション(苦笑)といえばいいのかな。名探偵コナンでしか曲を聴けない的なね…
淫
なるほど地味ですね
フミコ
で、その地味な総務部長が妙なことをいうわけ。「君は先週木曜日に高級クラブにいったね」。なんてさ。そんな事実はないから、こいつ頭イカれてんなって無視してズイズイ冷コーを飲んでたの。
淫
ほう。
フミコ
すると、今度は最近は社長室の監査が厳しくてね、なかなか難しいよ、とか言ってくるわけ。で、また君は木曜に飲みに行ったね、とか言うの。なんべんも。ナメクジみたいにしつこくぬちぬち言ってくるので、いいかげんムカついてきてさー、塩かけて溶かしてやろうかと思ったけど喫茶店だから砂糖しかなかったんだよねーダイエットシュガーなら溶かせるのかなぁ
淫
…つづけてください
フミコ
用がないなら帰りますっていうと、これを見たまえって言って、二枚、いや三枚かな、紙をスーツの胸ポケットから出してきた
淫
その紙はなんだったんですか?
フミコ
それ、僕のブログをプリントアウトしたもんだったんだよねー。いやぁぼかぁショックでEDが治るかと思ったんだなぁ
淫
それはご愁傷さまです
フミコ
話にはつづきがあって、総務部長はその木曜の飲みを得意先を接待したことにして僕の名前で処理しろっていうわけ。総務じゃ接待先というのもそんなにないのかもしれないけど、営業は客先の名前だけはいくらでも挙がるからね。
淫
不正じゃないですか…
フミコ
そ、不正。こんな姿だけど生来僕はモラリストなわけでさ。もちろん断ったよ。すると総務部長は僕がブログで問題発言を繰り返している、と主張しはじめた。僕は問題発言なんてしているつもりないから、どーぞご自由にって流していたんだけど…
淫
なにかあったんですか?
フミコ
あのハゲ、社長に報告するって言いやがった。しかも報告の内容はいくらだって細工できる、だと。それは面倒くさいことになりそうだなぁって、今回だけ、手を貸してやろうって気分に傾いてきた
淫
つらいですね
フミコ
血の涙どころか血尿が目から吹き出たよ。屈辱と悔しさで。すると弱味を握ったと思ったんだろうなぁ、総務部長はまたまた難題を押し付けてきた。
淫
なんですか難題とは
フミコ
今月29日の休みに得意先とゴルフ接待をしてこいと言ってきた。もちろん架空。実際は総務部長がクラブのママとゴルフに行くんだけど、その領収書を僕が処理して経費でおとせってわけ。営業部の経費を使ってね。
淫
ひどいですね
フミコ
さすがにそれはねぇって断った。ロック精神に反すると思ったし、営業経費をつかって、つーか高い金を払って接待したらさ、費用対効果を求められるじゃん。結局、そんなことしてると僕自身が自分の首をしめることになるんだよ。マジムカついてきてさー最初の要求も含めて全部撥ね付けてやったんだ。すると奴は、ほっほっほって笑ってから、「私は構わないけれど、君、どうなってもしらないよ?」って言ってきた。
淫
脅迫…ですか
フミコ
無論、屈しなかった。なんつーかな二年間EDと戦ってきたおかげで、粘り強く戦える忍耐が身についたみたいなんだよなー。ありがとうED。はじめてだねこんな気持ちになったのは。
淫
災い転じて、ですね
フミコ
で、総務部長に、要求をのまなかったらどうなるか尋ねたんだ。
淫
どうなるんですか
フミコ
奴は僕の目の高さに左の手首をかかげて、それから右手の指ですぱっと左手の手首を切るような仕草をしたんだよね。わけわかんないよ。脅迫している側がリストカットしてくれるんなら、助かるっつーか、それならそれでいいや、って感じ。
淫
貴重なお話どうもありがとうございました。最後にメッセージをお願いします。
フミコ
僕は逃げも隠れもしない。それが僕のロックンロールだからね。さあ総務部長、あなたはどう出る?これでもママとゴルフに行けるか?