ゲームクリエイターかく語りき2〜ダービースタリオン・薗部博之氏

ゲームクリエーターによる「ゲームづくりのコツ」のようなものを紹介してみる企画の2回目。


テキストとして使用する本は引き続きこちら。

487233907Xゲームセンター「CX」
太田出版 2004-12

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今回は『ダービースタリオン』でお馴染み薗部博之氏のインタビューを紹介。

B00108LVOKダービースタリオンDS
エンターブレイン 2008-06-26

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まずはお約束の質問…

有野:なんで、こういうゲームを思いついたんですか?
薗部:友達が、競馬好きだったんですよ。血統とか詳しい友達だったんで。
有野:その人に教えてもらったんや?
薗部:僕も最初は「血統ってなんのこっちゃいな?」って思ってて、馬は強い弱いしかないって思ってたんですけど。距離適正はどうのとか、友達が言い出すわけですよ。自分で馬を配合して作るっていうのが競馬好きの夢だとか。
有野:その友達がきっかけで?
薗部:今までそんなゲームないから、ゲームにできるんじゃないかなって作り始めたんですよ。

もともと競馬好きだったのかと思いきや、『ダビスタ』を作るまでは血統すら知らなかったという薗田氏。
そして競馬好きの夢である「自分で馬を作る(育てる)」ことに興味もったのがきっかけだという。
その後、薗田氏は『ダビスタ』の大ヒットによって長者番付に載るほど儲かり、ついにはリアル馬主、否、リアル『ダビスタ』になったのは周知の通り。


一方で、薗田氏はこんなことも…

有野:ゲーム作りにおいて、大切なことってなんですか?
薗田:だんだんリアルになって、どんどん現実に近づけば近づくほど、現実には負けちゃうんですよ。ゲームはやっぱり、デフォルメしないと絶対ダメなんですよ。本物と一緒に作ればいいかっていうと、僕は、それはゲームじゃなくてシュミレーターになっちゃうと思うんですよね。だからシュミレーションゲームは、「いかにウソをつくか」っておい、本物と違う特徴をいかに膨らますかってことが大事だと思うんですよね。

リアルばかりを追求するのではなく、その中に肝となるデフォルメやウソを入れること。それがゲームの強みであり魅力ということか。