唐沢俊一はサリンジャーに土下座しろ!

何度も言うけど、唐沢俊一に書評委員をやらせた朝日新聞の木元記者はその責任を取るべきだ。
唐沢俊一は2008年に「ライ麦畑」について「月刊ほんとうに怖い童話」(ぶんか社)にこんな記事を書いているが、どう考えても実際に本を読んでいない。

ビートルズの元メンバーであるジョン・レノンを殺したマーク・チャップマン、レーガン元大統領を暗殺しようとしたジョン・ヒンクリーなど、殺人犯たちの多くが愛読書にしていたのが、ジョン・サリンジャーの青春小説『ライ麦畑でつかまえて』である。
ある日、突然大学生活がバカバカしくなり、テストの答案を白紙で出して退学になった主人公ホールデン・コーンフィールド。
なぜ彼は学校を飛び出したのか。なぜ彼は社会に対して、凄まじい疎外感を抱くのか。
1950年代、繁栄の絶頂にあったはずのアメリカに生まれたが、人生に目標を失い、生きていく希望を持てなくなった世代、
すなわちロスト・ゼネレーションたちにより、この本は“自分たちのことを書いた本だ!”という熱狂的な支持を受けた。
自分たちが何をしようと、どうせこの世の中は変わりはしない。ならば、せめて人を殺すこと、有名人を殺すことで、この世界に、
なんらかの足跡を残しておきたい……。ニヒリズムの極致のようなこの思想が、この本の中には秘められているという。
事実、アメリカのいくつかの州では、この『ライ麦畑でつかまえて』は未成年が読むことを禁じられている悪書である。

ぶんか社『月刊ほんとうに怖い童話』 2008 年 7 月号

赤字部分はすべて間違いだが、問題は間違いではなくて明らかに「ライ麦畑」を読まないで論じていることだ。
実際に本を読んでいればホールデンが大学に行っていると思うはずがない。
間違いの指摘と訂正は以下のサイトを参照↓(ご苦労さんです)
http://d.hatena.ne.jp/kensyouhan/20081011
http://tondemonai2.web.fc2.com/507.html


たしかに公立学校の図書館にはこの本が入らなかったことがあるが、その最大の理由は文中にFUCKという単語が登場するからである(主人公はその言葉を汚らわしいものとしている)。
「人を殺すこと、有名人を殺すことで、この世界になんらかの足跡を残しておきたい……。ニヒリズムの極致のようなこの思想が、この本の中には秘められているという」……って、誰も言ってないよ!

主人公ホールデンは、麦畑で遊ぶ子供たちを見て、あの子たちが崖から落ちたら、下にいて、その落ちてくる子供たちを受け止めたい、という奇妙な想像をするのだ。
すべての子供たちが、自分のように目的を見失う前に、それを救ってあげたい。ホールデンの本当の悲劇は、そんな、前向きな考えを持っているのに、それを実行に移す方法を知らないということだろう。作者は、そういう主人公のようになる前に、社会に目的を見いだすように、と読者に訴えかけているのだ。

そんな本、読みたくねえよ。
どこをどう読んだらサリンジャーが「社会に目的を見出すように」なんて矯正院みたいなこと訴えてると思えるんだ?
ていうか、逆だろ?
ライ麦畑で遊ぶ子供たちは汚れないイノセントを意味して、そこから落ちることは世の中で純粋さを失うことを意味してるんだから。
唐沢、お前、絶対読んでないだろ?
読まないでこんなデマカセを書くことは許されないし、
もし、読んでてこんなこと書いてるようなら、頭が悪すぎる。


とにかくロストジェネレーションが50年代だと思っている唐沢俊一のような男に何年間も書評を任せた朝日新聞は最低の新聞である。
全読者と出版に携わる者すべてに謝罪すべきだ。