アフリカが国だと思っていたペイリンと朝日新聞

サンケイ新聞より
http://sankei.jp.msn.com/world/america/081107/amr0811071144018-n1.htm

米FOXテレビは6日、米大統領選で敗れた共和党マケイン上院議員の陣営関係者の話として、副大統領候補だったアラスカ州知事のサラ・ペイリン氏がアフリカを大陸ではなく国名だと思っていたと伝えた。
 マケイン陣営は「副大統領に不可欠な知識」の欠落に驚き、ペイリン氏の能力に強い懸念を抱いた。

実はブッシュも「アフリカという国」と失言してるんだ。

また、ペイリンは、北米自由貿易協定(NAFTA)の加盟3カ国(米国、カナダ、メキシコ)を知らなかったというが、ブッシュもソーシャル・セキュリティ(アメリカの公的年金)を知らなかったんだ。二人はよく似てる。


で、このペイリンがアフリカを国だと思っていた件を朝日新聞はどう伝えるだろうか?
というのも、朝日新聞は「アフリカという国」と印刷しているからだ。
『コンゴ・ジャーニー』という本の書評である。
http://book.asahi.com/review/TKY200806170134.html

現代アフリカの混沌(こんとん)を描くために著者が選択した文体と構成は、読みにくいことこのうえない。(中略)その迷彩的文体こそが、アフリカという国をまるごとそのままに描く、最適の文体なのだということに気づかされる。

これを書いた唐沢俊一は
うっかり筆が滑ったんだろうが、その原因は、アフリカを十把ひとからげにし、それぞれの国の個別性を無視する植民地主義的な感覚を無自覚に持っているからだ。
「われわれ文明人」という記述、「アフリカとは混沌だ」という結論部からも書評者の差別意識が匂う。
彼は、おそらく、コンゴの「混沌」が白人による侵略によってもたらされた事実も知らないのだろう。というのも、この書評者はアイルランドが独立国だと知らなかったからだ。
↓
http://d.hatena.ne.jp/TomoMachi/20081005


「アフリカという国」なる言葉を通してしまった朝日新聞の校閲にも呆れるが、
「書評委員に不可欠な知識」の欠落した者を、ただ編集部の木元氏(オイラは『トンデモ本の世界』を編集した時に面識がある)の個人的な友人という理由だけで書評委員に採用し、しかも盗作が発覚した後も書評を続けさせた朝日新聞の無責任にはまったく恐れ入る。