岡村隆史はなぜ心を閉ざすのか?


以前、「ジャングルTV〜タモリの法則〜」(94年〜02年)という番組があった。
その中の「ジャングルクッキング」というコーナー内で、タモリがレギュラーであったナインティナインの岡村隆史に対して、突然「お前、ちょっと閉鎖的だよ」と口を開いたことがある。
今でこそ、岡村のナイーブで生真面目な性格は一般に知られているが、当時は果たしてどうだったかは記憶にない。が、やはり世間的には岡村といえばどちらかといえばハイテンションで陽気なイメージだったのではないだろうか。
にもかかわらずゴールデンタイムのこの番組で、前述のタモリの一言がきっかけで「岡村はなぜ心を閉ざすのか?」をテーマにレギュラー陣(タモリ、ナイナイ、関根勤、新山千春)で議論が行われることとなった。*1


「番組上だけで、控室に行くと心を閉ざしている」と問題提起するタモリ。
矢部浩之の証言。

・高校時代のサーカー部ではムードメーカーだった。
・ナインティナインを結成して1年目は良かった。
・吉本新喜劇に入れられてから心を閉ざし始めた。
・天然素材で余計悪化。
・東京に住むようになってダメ押し。

これに岡村は反論し、楽屋であまりコミニュケーションを取らない理由を述べる。

(1)タモリさんに嫌われてるのかと思った。
(2)自分は仕事で100(パーセント)出したい人間。
(3)みんなが自分に話しかけない。
(4)ゴルフの話題とかには入っていけない。
(5)色々考えなければならない。本番の展開とか、番組のこと、共演者とどう絡んでいこうか、と。

しかし(3)に対してはタモリ「話しかけにくい。いつも同じ椅子で、同じポーズでタバコを吸っている」、矢部「声掛けたら刺されそう(な雰囲気)」。(4)へは「岡村の興味ありそうな話題しか振らないけど拒絶する(タモリ)」。(5)には「だからこそ、余計にしゃべってくれればいい。あ、今日はこんな調子なんだ、と分かる。そういうことはしゃべらないと分らない。自分でいくら考えたって(タモリ)」と批判していく。


岡村のこの態度を心理学的に分析してもらおうと呼ばれた心理学者は、普段の控室での様子を隠し撮りした映像を見ると、岡村の特徴的な態度をあげる。

・新聞、雑誌ばかり読む。
・視線を全く合わせない。
・(質問に対して)答えが短い。

この岡村の「心を閉ざす」という状態を「コミニュケーションをしたがらない。心を開いて傷つきたくない。話をしても無駄だと思う。自分を守ろうという意識が非常に強い」と解説。


さらに、楽屋で岡村がタモリと1対1になった時の映像が流れる。
タモリがサッカー、野球、釣りなど岡村が興味を持っている話題で話しかけるが、一言二言返すだけですぐに「(タモリさんは)興味ないでしょ?」と一蹴してしまう岡村。
これを見た岡村は自ら「これはひどい」とつぶやくと、ついに開き直り告白する。

「確かにね、コミニュケーションの取り方が、僕わかりません!
僕、あんまりしゃべってないなって自分でも感じてるんです。なんかしゃべんなきゃってずっと考えてるんですけど、何にも出てこないんです……」


この後、番組はどんどんコントチックになってしまうが、このように岡村を責めているように見えて、実際にはレギュラーメンバーが、こういう岡村の性格を含めて、強い好感を持っていることが伝わってくる雰囲気があって、とっても良い。

*1:つい先日までニコニコ動画にこの動画があがっていたが残念ながら削除されてしまったみたいなので記録しておく。