米国の裁判所、国外で印刷された図書は著作権者の許諾なく貸出・販売できないとの判決

米国の第2巡回区控訴裁判所が、2011年8月に、国外で印刷された図書は著作権者の許諾なく販売・貸出できないとの判決を出したとのことです。この裁判は、Wiley社の教科書の廉価なアジア版を米国に輸入し販売していたタイ人の男性を同社が著作権侵害で訴えていたもので、合法的に入手したものは著作権者の許諾なく販売・貸出できるという「ファースト・セール・ドクトリン」(first sale doctrine)が適用されるかどうかが争点となっていましたが、控訴裁判所は、国外で印刷(製造)された図書にはファースト・セール・ドクトリンが適用されないとしたようです。この判決を受けて、図書館界では、貸出業務に影響が出るのではないかと懸念する意見が出ているようです。

Court Rules First Sale Doctrine Only Applies to Works Manufactured in U.S.(Library Journal 2011/8/17付けの記事)
http://www.libraryjournal.com/lj/home/891663-264/court_rules_first_sale_doctrine.html.csp

Second Circuit Makes the First Sale Situation Worse for Libraries(北米研究図書館協会ARLのブログARL Policy Notesの記事)
http://policynotes.arl.org/post/9005206450/second-circuit-makes-the-first-sale-situation-worse-for

Nothing Right about This Copyright Ruling(大学・研究図書館協会ACRLのブログACRLog 2011/8/30付けの記事 )
http://acrlog.org/2011/08/30/nothing-right-about-this-copyright-ruling/

Copyright owners win broader rights for works made abroad -court(Reuters 2011/8/15付けの記事)
http://newsandinsight.thomsonreuters.com/Legal/News/2011/08_-_August/Copyright_owners_win_broader_rights_for_works_made_abroad_-court/

参考:
T22 – ファーストセール・ドクトリン(firstsale doctrine)
http://current.ndl.go.jp/t22

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