血が混ざって繋がって/機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ8話感想
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表題の名瀬の台詞、直前のオルガの言葉に引っ張られるけれど、実際家族ってそういうものですよね。血には鉄分が含まれるからこそのオルガの言葉だし、意味深いなあ。
機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ 第8話「寄り添うかたち」
©創通・サンライズ・MBS
ハンマーヘッドへの潜入が成功し、実力を認めてもらった鉄華団。オルガ達はハンマーヘッドが名瀬のハーレムと聞いて驚くのだが……
タービンズの形、鉄華団の形。第8話。マルバをトップとしたCGSのあり方、そしてタービンズのあり方の特異性、その他諸々が「鉄華団の関係性」を表現するために、そしてオルガの苦衷を和らげるために用いられているのが面白い。
まず冒頭、「てめえんトコのガキだったんだろうが」「ネズミどもにどんな芸仕込んだかなんていちいち覚えてるわけ無いでしょう」という名瀬とマルバのやりとりが前段として印象的。ハンマーヘッド(タービンズ)の乗員は全員名瀬の女であるわけですが、全員が最初から船の扱いに関する技術を持っていたわけではないでしょう。体一つで入って身につけた、という場合が珍しくないはずです。そして全員を満足させることがハーレムの持続条件である以上、名瀬は彼女達が「何の芸を身につけたか」はしっかり覚えている。そんな彼からすれば、マルバのCGSの子供達の扱いが家族に対するそれではないことはこのやりとりで理解できる。もちろんCGSは「血の繋がった親子」でも「親子の杯をかわすマフィア」でもなく民間警備会社なのですが、「殺しちまってくださいよ」はもはや企業ですらない。
マルバの醜態は、彼の破滅と同時にもう1つの要素を描き出します。即ち「指示を出す者」の責務と覚悟。それは企業だろうがハーレムだろうが変わらないことで、マルバは自分の指示一つで子供達が死ぬ責任をほっぽり出して逃げ出した。お前は果たしてそうならないか――名瀬は鹵獲品取引の際にオルガにそう問うているわけで、そして同時に同じ立場の先輩としての助言をしてくれてもいる。オルガが参番組隊長の時からずっと抱えてきたその孤独は分け合うことはできないけれど、共感することはできる。男所帯とハーレム、この明確に異なりながら同じく「家族」と表現できるものを使って、名瀬をオルガの先輩にはしても目標にはしないのがよくできている。自分が鉄華団の皆に抱えている感情を理解し言語化してくれた。それだけで、オルガにとってはどれだけ救われる事だったでしょう(同時に嬉し恥ずか死)。
そして、この名瀬とオルガのやりとりを聞くのが、オルガを突き動かす三日月との関係を知るビスケットというのがまた素敵です。6話のオルガの言葉だけ聞けば、鉄華団は彼の「三日月の欲求に応えなければいけない」という気持ちに突き動かされて破滅へ進んでいくようにすら思えるけれど、今週の「オルガにとっての鉄華団」を知れば、オルガを動かすものがそれだけではないことが理解できる。だから信じられる。三日月とは違った形でオルガを見るビスケットの目、というのも今後の鉄華団の関係性において重要なものになっていくように思います。
そんなわけで30分にテーマ性を持たせつつ、「血の繋がった家族」がいるクーデリアが「資産」になっているなど示唆的な部分もあり、1話で魅せながらもそれで終わらないのが今後を楽しみにさせてくれる回でした。
しかし名瀬さんどうやってアジーを落としたんですか教えてくださいなんでもしまか(ry
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