見せ場は譲ってやるよ/機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ5話感想
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今回は話のラインがシンプルだなー。
機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ 第5話「赤い空の向こう」
©創通・サンライズ・MBS


クーデリアを地球へ送り届けるため、いよいよ宇宙へと上がる鉄華団。しかし、案内をするはずのオルクス商会は裏切っており……
裏切りの中の絆、第5話。冒頭、オルクスは語る。「商売ってのは信用が売り物だ」。この「商売」は「仕事」に置き換える形で今回のキーワードとなっています。まずもってこのオルクス自体が二枚舌の象徴のようなキャラで、全方面に渡って裏切りまくっている。商売相手の鉄華団を裏切ることは前回の時点で視聴者の想像の範囲内ですが、手引をしたトドをもオルクスは裏切る。更にはギャラルホルンがクーデリアを殺すことに意味があるとコーラルに釘を刺されたにも関わらず、恩を売りつけるために自分達でも発砲する。もちろん裏切っているのは彼だけではなく、トドは鉄華団を裏切っているしコーラルはマクギリスを出し抜こうとする。マクギリスはマクギリスでコーラルの狙いを読みつつも自分達の思惑のためにそれを利用する。正に信用なんてあってなきがごときものです。
そしてこの裏切りの連鎖の中で、オルガは身中の虫であるトドの行動をしっかり読んでいる。「これまでにお前が信用に足る仕事をしたことがあったか」……この言葉は、誰も彼も信用できない事態をバッサリ切り捨てるものであると同時に、彼には「信用に足る仕事をする仲間」がいることを示す描写でも有ります。それはもちろん、ある意味で彼の一部である三日月だけではない。
1人は「時間通り、いい仕事だぜ昭弘!」……オルクス商会の裏切りを予想したオルガの指示に応え、イサリビで駆けつけた明弘。もう1人は「俺らに黙って船まで用意しやがって。俺にも仕事させろ!」……小惑星に打ち込むアンカーを爆破するという自殺行為同然の役割をオルガに代わって買って出るユージン。裏切って出し抜くのが当たり前のこの状況で、鉄華団の面々が「信用」に足りることをしていくのが非常に対照的で、だから爽快。トドをギャラルホルンに送り飛ばした時の「お前らの仲間らしいから、お前らでケジメをつけろ」というのも、鉄華団以外が「裏切り仲間」であることを示しているわけですね。またトドとは逆に、これまではCGSの「所有物」だった昭弘が「仲間」としての初仕事に「疲れた……」と心地良さそうにつぶやいているのも印象的でした。

こうしたドラマ的な気持ちよさに加え、今回は前回お預けだったMS戦もたっぷりで映像面でも抜かりない。人間とMSを直接接続する阿頼耶識システムというインターフェースにより、ガンダム・バルバトスは生身の人間のような動きができる……という説明がされたわけですが、これが自在に動ける宇宙空間だからこそその動きが映える、というのが素晴らしい。MSの地上戦って重厚感が「付きまとう」から、動きの描き方にどうしても制約が出てしまうのですよね。弁慶の攻撃をひらりひらりとかわす牛若丸……みたいなことは「人間を模倣した重量物」であるが故にできない。けれど宇宙空間という重力のない世界、そしてMSを「人間の延長としての重量物」にする阿頼耶識システムの組み合わせならばその壁が突破できる。遠距離兵器があまり効果を発揮せず接近戦が決定打となる本作の設定も合わさって、これまでとはまた違った迫力を味わわせてくれるバトル回であったと思います。

しかし爆発の中でアンカーに捕まって帰投するユージン、この生還劇は神技と言って差し支えないんじゃなかろうかwww
関連:
機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ 感想リスト
機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ 第1話「鉄と血と」
機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ第2話「バルバトス」
機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ第3話「散華」
機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ第4話「命の値段」

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