4月28日の「朝まで生テレビ」は、福島第一原発事故への対処が重要なテーマだった。今回文字に起こしたのは、原発の夜明けから、強硬な原発推進派の第一人者として君臨してきた石川迪夫が、「炉心が全部溶けてる」「戦争状態」と爆弾発言した一幕。原発を推進してきた人間が最も、現状に危機をいだいていることが明らかになった。
※聞き取れなかったところは「???」と表記してある。
(はじめ)
石川「これが原子炉建屋でね、いわゆる格納容器、フラスコみたいな、もう皆さんおなじみになってると思いますが、」
石川「こん中に原子炉圧力容器があって、その中におそらく炉心はあるんでしょう。ひょっとしたらこれは、かつ、あのー、格納、圧力容器から下に出てるかもしれませんけどもね。」
石川「でこれがまあ、今、30%、40%、言われたけれども、僕はもう、ほとんどが全部溶けてると思ってます。」
石川「それはね、燃料というのは溶けんのは真ん中から下から溶けていきますからね、あの、やってると思いますが、そのー、柔軟に」
田原「これは、55、35、30じゃなくて、ほとんど溶けてる!?」
石川「うん、うん、わた私はそう思ってる。あのー、これは人によってそんなこともう言っててもしようがありませんがね、」
石川「なにしろ溶けてることは事実だとしますとね、どうなってるかというと、今、上から水をぶっかけてるわけでございますね!」
石川「そうして、その溶けてるところは、溶融炉心の音頭は、2000°Cから2千数百度あると思いますよおー。」
石川「そうすると水にくっついてるところは、どうもその鋳物みたいになって、お皿みたいになってるんでしょうねえ。」
石川「そういうような状況で、この中に発熱は2000キロワットとか3000キロワットとかいう崩壊熱がとけ、溶けてるわけですね。」
石川「そうすると、しようがない、ガスになったものは外に出ていかなくちゃなんないから、上からこう割れ目から出ていってます。」
石川「それを水で冷やしていくわけです。」
石川「で、その中で気体になるものは、こっからベントへ出ていっているけれども、チェルノブイリとは大きく違うのは、」
石川「チェルノブイリは火災でやったから、千、5,6百度のものでガスになったものはみな出ていった。」
石川「だけどこの場合には、水で冷やしてるものですから、百、二、三十度ですから、幸いなことに希ガスとヨウ素ですね、主に。それが出ていってるから、」
石川「あとで、石川先生のほうから話が出ると思いますが、その状況はですね、」
石川「そのまず楽な方からちょっと、楽な方からというのはアレですけれども、」
石川「気体の状況は、今、飯舘村の、ズーーーンと減っていってるんですよ、もう。こらあの、ヨウ素131、半減期8日でね」
田原「それは、放射線の、測定結果で…」
石川「もうひと月くらい、たってるから、こらもう、15分の1くらいに」
田原「最初は高かった?」
石川「高かった、この位置ですね」
田原「はい」
石川「ずーーーーーーっと、飯舘村でも減っていってます。」
石川「ですから今日、あとの方の話でですね、あの、避難をしてらっしゃる方が、どういう事にするかといったことも、あの、出てくるんだろうと思いますが、気体の方はこういうふうにして、ほとんど減ってるということはですね、」
石川「原子炉から全然出てないとは言いませんけれども、ほとんど止まった状況になっていると、もう、出尽くしちゃっているというふうにお考えください。」
石川「ただ一方、そのかわり悪いのは何かと言うと、こっから溶融してできんのは、ウランもあります。プルトニウムもあるでしょう。コバルトもあるでしょう。セシウムもあるでしょう。そういうのが冷やされて水になってるわけですねー」
田原「水になってる」
石川「ですから、今、水の方も増えてるということも言いますけれども、」
石川「この中に、炉心の中からどんどんどんどん放射能が、出てきているわけですよ、非常ーーに濃い放射能になってる。」
石川「多分、これは今まで、我々が経験したことのないことだと思いますよ。簡単にね、私とおんなじ原研の第一世代、日本で始めてやったのは、こないだイシクラどないなってるか、計算したか、といったら、まだやってないといったら、してくれましたらね、」
石川「おそらく今、2000キロワットですとですね、コバルト60、こりゃコバルト60ってのは、1メートルですと、レントゲン1キューリーはね、非常に我々としては感覚でつかみやすいんですがね、」
石川「あの、コバルト60って放射線源有りますよね? あの1メートルから1メートル500くらいの、あのシールディングでやってた」
田原「ちょっと待ってください。その、コバルト60ってのを、どのくらいね、その」
石川「それがね」
田原「浴びると、体にドーンと響いてくるんですか?」
石川「そのー、1キューリーのものが1メートルだったら1レントゲンですから、相当響きますが、」
石川「これが、1000キューリーだったら完全、人間、死にますよ。」
田原「はあー」
石川「ね。」
田原「で、今どのくらい?」
石川「それがね、1千万キューリーくらいこの中に、(ボードを叩く)あるのと等価になっていると。」
石川「で、この炉心の中から、仮に、1割が水の中に出てきたら100万キューリーでしょ?」
石川「で、これをね、今、何とかして、強制循環で回して、その冷やしてやろうというわけでございましょ?」
石川「そうすると、その回すパイプを作ったり装置を作っても、これ、相当シールディングを作らなくちゃなりませんね。」
石川「ですから、非常に時間がたっているから難工事になっていることは事実です。」
石川「しかしこれは、なんとかやり遂げていかなくちゃなんないし。その前にですね、炉心が一体どういうふうになって、」
石川「今のは私のもうしあげたのは、想像ですね(笑)。さきほども30%と言っておりましたけれども。」
石川「この状況を掴んでやらなくちゃなんない。」
石川「それから、今言った1割だったら100万キューリーだと言いましたけれども、1割かどうかそう言ったのも見てやらなきゃなんない。」
石川「そのためにはどうするかといったら、この原子炉のところへですね、橋頭堡つくるべきですよね。」
石川「今もう戦争状態なんです。放射能との。ですから、のんびりと、よこっちゃなことやってたらいけないというのは、1日たてば1日…濃い放射能の液体が出てるわけですから」
田原「今、よこっちょばっかやってんすか」
石川「…いや…だって…ずんずん進んでると思えないじゃないですか」
田原「例えばね、ちょっと話は脱線しますけども」
石川「…マスコミなんかで見ますと…」
田原「あのね、そのさっきのねえ、水をガンガン入れますねえ、水を入れたのが、下へドンドン漏れていく。」
石川「そう。」
田原「そで今ね、こないだここをそら、ここの水を海へ捨てましたね。で、ここへ持ってこようとしている。ここは3万トン入るんだそうですよ。でも3万トン。」
田原「ここは6万トンある。」
石川「そういうやり繰りもいいですよ。やり繰りもいいんですけど、そっち側の方だけで、事実を費やしてんのが悪い」
田原「うん」
石川「まっすぐに、なにしろ今の瓦礫かなんかを知らんけれども、これ戦場ですからね。しかもね、やってんのがね、今の通常の時のルールを使ってやってるから、仕事がなかなか進まない」
田原「どういうことですか」
石川「だからたとえば放射性廃棄物だと、くだいてドラム缶の中にいれるとか言って、やってるわけでしょ?」
石川「もうこんなものはある領域、しようがないから穴でも掘って土へ埋めてしまう。あとでキレイにすればいいわけですから」
田原「ちょっと、その辺質問が」
石川「臨時、臨時体制の非常時のルールを使って、きちんとサイトの整備する。それから、この原子炉の建家の中の床のところまで、橋頭堡を作る準備をすると、これが一番必要な作業だと私は思ってる」
田原「香山さーん、今の説明でわかるとこ、わかんないとこ」
香山「いや、あのね、なにをま、まず、最優先にすべきかというのは、よくわかりました。ただ、な、なんでそれが、行なわれてないのかということですよね。」
香山「そこまでわかってらっしゃる方がいるのにー。それが、なぜ、伝わってないのか、っていうところが疑問なんですけど」
石川「ひとつはまだ、どこらへんまでの危機状況かというのはですね、これは、あ、恥ずかしい話ですが、原子力関係者も含めて……。もう、先ほど88年にね、議論をしたというのは、あの時は、」
田原「やりました。」
石川「原子炉が安全かどうかということでしたねえー。それから30数年たってるんですよ。」
石川「それでねえ、その時のほんとにあのー、安全で心配した人はみな卒業してしまいました。わたくしだけが落第生で残ってるわけです。」
香山「あとそれを誰がやるのかっていう。今のその本家本元のところに、誰が斬り込んでいくのか」
石川「それは今は、その政府プロジェクトというのができてるんですから、私は総理大臣と東京電力とそれから保安院かなんかがやってますね?」
石川「そこのところの指揮がはっきりしてないからでしょ。」
女性の声「それは…」
田原「ちょ、ちょっとまって! その問題!」
田原「大塚さん、政府プロジェクトってなんかやってんの?」
大塚「いや……、今、先生が何をさしてそれをおっしゃったかはわかりませんが、あの政府と東電が…」
田原「つまり、もっと言えば、ハッキリ言えばね、そのー、次、とにかくこのね、冷やさなきゃいけない。ね。あの、冷却しなきゃいけない。冷却をどうやってすんのかということなんて政府やってんの?」
大塚「いや…それはあの、その担当ではないので私いい加減なことは、あの言えませんけれども、」
大塚「政府、東電、一体となって、今、対策をやっている中で、先生のおっしゃるようなことが、本当に、その、可能かどうかってのは、」
大塚「それはあの、大変高い放射性、物質の放射線が出てる中でですね、
大塚「じゃあ、どういう、その防護をしてそれができるかってこと…」
石川「要はね、このタービン建家のところ、原子炉がこうあってタービン建家のとこから熱交換器とかポンプをいれてやっていけばという、ポンチ絵はありました。」
石川「だけどこれポンチ絵なんですよ」
田原「ポンチ絵!!」
石川「ポンチ絵!!」
※笑い声
石川「だから、まずはここのところの正体を見て見ろと。」
石川「原子炉、ほんとに溶融してんのか。僕は今、溶融してるってのは間違ってるかもわからん…」
田原「ちょっとちょっと! 間違えんで???。」
石川「その石川さんは、原子炉の推進派で、うまくいってるという説明を聞くと思ったら…」
石川「今は…」
田原「ちょっと」
石川「いや嘘言っていいなら!」
田原「いやいやいやいやいや(笑)」
石川「嘘いってほしいの?」
田原「ちょっと飯田さん。どう思う、今聞いて」
飯田「いや、全く私も、石川さんと同じ認識、ですね。今の現状については。」
(続く)
参考動画
コメント
コメント一覧 (4)
ご指摘ありがとうございました。訂正させていただきました。
田原さんですね。この発言。
誠にありがとうございました。
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日本で初めてやったのは、こないだ電話かけてイシクラどないなってるか?計算したか?と言ったら…
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橋頭堡を作る準備をすると、これが一番必要な作業だと私は思ってる
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あの、冷却しなきゃいけない。冷却をどうやってすんのかということなんて政府やってんの?