16 AM)

08 AM)27 PM)

メール1本で、子どもが年間20ミリシーベルトを被ばくしても問題ない、と決めつけた文部科学大臣・高木義明と原子力安全委員会委員長・斑目春樹の2人のせいで子供たちが小児甲状腺癌になるかもしれません。なんとしても撤回させなくてはなりません。

20ミリシーベルトとはなんなのか。報道を紹介しながら、解説していきます。

20ミリシーベルトがメディアを巻き込む話題になったのは、ある人の辞任会見でした。

その人は、小佐古敏荘氏。先月、内閣官房参与に任命されたばかりの、原子力の専門家で東京大学大学院教授です。放射能の知識に乏しい内閣が、頼りにしようと任命したのです。ですが、その学者が辞任しました。

NHK「かぶん」ブログ:NHK | 科学と文化のニュース | 官房参与が辞任・記者会見資料を全文掲載します
この中で小佐古氏は辞任の理由を以下のように述べています。

「政府の対策は法にのっとっておらず、場当たり的だ」

「原子力災害対策も他の災害対策と同様に、原子力災害対策に関連する法律や原子力防災指針、原子力防災マニュアルにその手順、対策が定められており、それに則って進めるのが基本だ」ということです。

しかしながら、今回の原子力災害に対して、官邸および行政機関は、そのことを軽視して、その場かぎりで「臨機応変な対応」を行い、事態収束を遅らせているように見えます。」

政府が、法律に従わないために事態がおさまらない、と綴っています。その中でも、特に原子力安全委員会と文部科学省を名指しして批判しています。

・原子力安全委員会(委員長、斑目春樹)

・文部科学省(大臣、高木義明)

この2つの部署と責任者のせいで、原発災害が、収まっていない、と言っているのです。

まずは原子力安全委員会について、次のように述べています。

「原子力安全委員会は、原子力災害対策において、技術的な指導・助言の中核をなすべき組織ですが、法に基づく手順遂行、放射線防護の基本に基づく判断に随分欠けた所がある」

原子力安全委員会が、法に従っていないこと、そして、放射線防護の基本にもとづかないことを主張しています。

続けて、具体的に以下のように述べています。

政府の情報隠蔽をやめろと言っています。

「住民の放射線被ばく線量(既に被ばくしたもの、これから被曝すると予測されるもの)は、緊急時迅速放射能予測ネットワークシステム(SPEEDI)によりなされるべき」

「初期のプリュームのサブマージョンに基づく甲状腺の被ばくによる等価線量、とりわけ小児の甲状腺の等価線量については、その数値を20、30km圏の近傍のみならず、福島県全域、茨城県、栃木県、群馬県、他の関東、東北の全域にわたって隠さず迅速に公開すべき」

「文部科学省所管の日本原子力研究開発機構によるWSPEEDIシステム(数10kmから数1000kmの広域をカバーできるシステム)のデータを隠さず開示し、福島県、茨城県、栃木県、群馬県のみならず、関東、東北全域の、公衆の甲状腺等価線量、並びに実効線量を隠さず国民に開示すべき

つまり、東日本全体の甲状腺癌にまつわる放射能のデーターの隠蔽をやめて公開しろと、発言しているのです。

隠蔽って、なにやら恐ろしい言葉ですが、本当です。本文中に3回も「隠さず」とハッキリ言っています。つまり政府は、隠蔽しているといっているのです。

いいですか。

福島だけではなく、東日本全体です。

実際に東京まで放射性物質は飛んできています。そして人体の甲状腺に蓄積しています。

【社会】 甲状腺から微量ヨウ素 イスラエル駐日大使 [04/29]:黒マッチョニュース 

東京だけではありません。風が吹く先に飛んでいきます。

大人は大丈夫です。子どもは、甲状腺癌になります。

母乳から微量の放射性物質 NHKニュース

放射性物質を摂取しても大人は大丈夫ですが、大人でも母親だった場合は危険です。赤ちゃんは、母乳を通じて被ばくします。

このままでは、東日本全体の子供が、被ばくし続けて、小児甲状腺癌になるおそれがあります。

年間20ミリシーベルトは、どれくらいの被ばく量なのかについても述べています。

「年間20mSv近い被ばくをする人は、約8万4千人の原子力発電所の放射線業務従事者でも、極めて少ない

原発内で働いている大人でも、年間20ミリシーベルトの被ばくは珍しいのです。

体が小さく、発育段階にある子どもはもっと危険です。

「この数値を乳児、幼児、小学生に求めることは、学問上の見地からのみならず、私のヒューマニズムからしても受け入れがたい」

学者としても、人間としても、子どもが年間20ミリシーベルトを被爆することは、我慢ができない、と述べています。感情的に主張しています。

このままでは子供たちが、甲状腺癌になるかもしれないからです。

この小佐古敏荘氏は一体どんな人物なのか。

実は、小佐古敏荘氏は、これまで、原発を推進してきた側の人です。原発を推進するために何でも証言してきた御用学者です。しかし今回は、流石に我慢できなかったようです。

子どもを甲状腺癌にしようとしている政府に、手を貸すわけにはいかなかったようです。最後の最後で良心を取り戻したのでしょう。だが小佐古氏のこれまでの罪は消えることはないでしょう。一生をかけて償っていただきたいところです。

さて、政府はどのようにして、子どもの被ばく上限を20ミリシーベルトに引き上げたのでしょうか。

高木義明と班目春樹が20ミリシーベルトを決めた

国会では以下のような答弁が行なわれました。

『河井克行議員: 今の子供たちの屋外活動の制限について4/19に突然安全基準といわれるものが20mに引き上げられた。大臣にお尋ねします。誰がこれを決定したのですか。

高木文部科学大臣: 学校教育の活動の"安心"を確保する目安として、私どもとしましては、原子力安全委員会の助言を得て、原子力対策本部の見解も踏まえて、私がこれを決めさせていただきました。

高木義明文部科学大臣が、20ミリシーベルトを決めました。助言をしたのは原子力安全委員会です。高木義明は、何もわかっていないから助言を受けたと言っています。

河井: 原子力安全委員会久木田委員長代理。先日も外務委員会で質問させていただきました。委員長代理の答弁はよくわからないことが多い。ぜひ今日はこの場で明確なお答えを頂きたい。今、文科大臣はあなた方の助言を訊いたと云う風におっしゃいましたが、1ミリ(シーベルト)から20ミリという基準は、原子力安全委員会も了承したものでありますか?確認をします。

久木田原子力安全委員会委員長代理: お答え申し上げます。今回の判断におきまして、文部科学省がICRPの勧告に示されております、1から20ミリシーベルトという範囲の上限であります、20ミリシーベルトというものを一つの目安とするということについては、あの、お聞きしております。

原子力安全委員長は斑目春樹です。久木田氏は代理です。久木田氏は責任が自分にはないことを主張しています。

1から20ミリシーベルトの範囲の上限を目安にしたと言っています。1より20のほうが危険であることはいうまでもありません。あえて危険な方の20ミリシーベルトを安全の目安にしたのです。

河井: いやいや、委員長。お聞きしたんじゃないんですよ。あなたたちが助言したと大臣がおっしゃった。聞いたのと助言ではえらい違いです。はっきりと答えていただきたい。

久木田: えっと、あの、お聞きいたしまして、この20ミリシーベルトという目安を適用するにあたっての考え方まで、文部科学省から説明を頂いている所です。その際に先ほど申し上げましたように、20ミリシーベルトに相当する現在の空間線量率というものを考える際に、非常に保守的な考え方を採っている。ということ。それから20ミリシーベルトを適用するに当たっては、今後、実際の被曝線量を低減する努力を行うという事まで含めてお聞きして、それについて、その考え方は妥当である。但し二つの留意点について申し上げた。ということでございます。

より危険な数値の20ミリシーベルトを、保守的な考え方で選んだと言っています。何に対して保守的だというのでしょうか。そうです。原発推進という考え方で保守的な数値をとったのです。子どもの生命を守るために保守的な考え方を取るなら、1ミリシーベルトでなければなりません。それでもリスクはあるのですが。

久木田氏は、子どもを守るつもりがありません。

河井: ですからあの、妥当だと助言したわけですね?お答えください。はっきりと。

久木田: あの、文部科学省から提示された考え方について差し支えありませんと答えております。それに加えて2つの留意点として、継続的な放射線量のモニタリングを行う事。それから、それについて報告して頂くこと。さらに教職員の方に実際にその方が被曝した線量をモニターできるような計測器を持っていただくこと。といった留意点についての助言を行ってということです。』

原発事故を考えてみる ― 政府・マスコミが不審 : 誰が1ミリシーベルトから20ミリシーベルトに引き上げたのか」より引用。

モニタリングを行うことを明言しています。つまりは、子供たちをある程度被ばくさせておいて、計測し続けると言っています。筆者はこれを書いていて背筋がぞっとしています。

これは、ある程度、それも年間20ミリシーベルトという異常な量を、こどもに被ばくさせることを前提とした考え方です。未然に被ばくを防ぐという考え方ではありません。

しかも責任の所在が曖昧なやりとりをしています。

ですが、事実はこうです。

会議すら開かず、原子力安全委員会がメールでのGOサインを送っただけで決まったのです。つまり原子力安全委員会の仕業です。

そして、それを鵜呑みにしてか、政治家として決断できなかった無能な高木義明文部科学省大臣が、最終的な決断を下したのです。

東日本の子供たちを被ばくさせ、小児甲状腺癌にさせる決断を、高木義明文部科学省大臣がしたのです。

「正式な委員会を招集せず、助言要請から約2時間後には「妥当だ」との助言をまとめ、回答していた」

「委員会が開かれなかったため議事録も作られておらず、助言までに至る議論の内容が確認できない」

原子力安全委、学校基準で、審議2時間で「妥当」判断 2011/04/30(土) 21:57:23」より引用

こうして、メール1本で、東日本の子供たちが、被ばくし続けることになりました。メール1本で子供たちが、小児甲状腺癌になることになりました。

筆者は間違っているでしょうか。

政府が20ミリシーベルト被ばくさせて計測していこう、と考える立場とは真逆です。

政府が、「1から20の、20の方を選んだ」ならば、筆者は「1から20の、1の方を選んだ」だけです。

より安全な選択をするならば、IAEAやICRPは無視してよい。

よくIAEAやICRPのデータを参照にする人たちがいます。ですが、IAEAもICRPも日本の子供たちが病気になっても、何の責任も負いません。これはとても重要なことです。

各国の政府に対して言いたいことだけいうのですが、IAEAには子どもが甲状腺癌になっても、責任はなにもないのです。

子どもが甲状腺癌になったときに責任を感じるのは、誰でしょうか。

まず母親です。そして父親です。

これが重要です。

私たちはとかく、偉い先生や政府、国際関係機関の発言を重要視しますが、最も大切なのは、母親の気持ちです。

母親が子どもを被ばくさせ、甲状腺癌にしたいというならば、それはそれで仕方が無いのです。

ですが、被ばくさせたくないならば、被ばくさせないように立ち向かうべきです。

『実際に、校庭の土を除去している今、それを見て子供たちが不安に思わないと考えるほうが不思議だ。またそれ以前に、子供たちは、福島原発で事故が起き、水素爆発で建家が吹っ飛んだことくらい知っている。ニュースやネットを見ればいつでも誰でも動画でそのショッキングな映像を見られる。

疎開をさせるれば子供たちの精神の混乱につながるというならば、すでに福島の子供たちに不安が広がっていることをどう説明するのか。

政府の行いのどこにも道義的な正しさは見つからない。正義がない。』

空襲から子供を守るため疎開した。いわんや放射能からをや。:ざまあみやがれい!

政府が20ミリシーベルトをごり押しするならば、子どもを守るために疎開をすべきです。実際にチェルノブイリで子どもの治療に当たってきた、松本市長の菅谷昭氏は次のように述べています。

『でも、チェルノブイリでは事実、がんになった子どもが異常に増加した。そういった子どもたちを、私は現地で治療してきた。日本でもそうなる可能性があるのだ。

もし自分の子どもががんになれば、その母親は一生悔いるだろう。なぜあの時水を飲ませたのか、あの野菜を食べさせたのかと自分を責め、一生苦しむはずだ。子どもだって切ない。そんな悲しい現実を、ベラルーシでたくさん見てきた。

チェルノブイリの経験を生かして悲劇を回避せよ――松本市長/医師・菅谷昭《下》(1) | インタビュー | 投資・経済・ビジネスの東洋経済オンライン

ベラルーシはチェルノブイリ事故で放射能が飛散した地域です。

IAEAの勧告は、子どもを心配してではなく核物質の管理のため

更にいうならば、IAEAは信用しなくてもいいです。

IAEAは原発推進の国際組織だからです。

原発導入のシナリオ~冷戦下の対日原子力戦略~|現代史スクープドキュメント(NHK)文字おこし(1)

IAEAは、アメリカとソ連がもっていたあまりにも多い核兵器を、原発に形を変えて世界中にわけるための組織です。子どもを放射能から守る組織ではないのです。

IAEAは、チェルノブイリの事故後に安全宣言を出し、その結果、多くの子供達を小児甲状腺癌にしました。だけど知らんぷりです。

原発推進のためには、安全宣言を出すのです。

2大原発事故、福島とチェルノブイリの安全宣言は「放射線影響研究所」理事長2人が発表している

残念なことにチェルノブイリ事故の安全宣言を出したのは、日本の学者、重松逸造です。

shigematuituzou

フォトジャーナリストの広河隆一氏が、チェルノブイリの安全宣言について、以下のように証言しています。

広河「現地のお医者さんの話では、汚染がひどいところには入ってないそうなんですね。しかも遠くから、食料を持参して現地のものを口にしないで、それでいて安全宣言をしたことで、すごい怒ってたんですね。怖くって、それで食べられないんだったら、危険だというべきなんです」

広河「ええ。あのちょうど旧ソ連の原子力産業と、アメリカを中心とする原子力産業が、ビジネスとしての取引を始めたころから、チェルノブイリの被害を小さく見せることで、利害が一致したんじゃないかってい言う声があります」

存じあげない方に説明すると、広河隆一氏は、人生をかけてチェルノブイリ事故を告発し続ける執念のジャーナリストです。

(広河隆一氏の著書)

チェルノブイリ報告 (岩波新書)

チェルノブイリから広島へ (岩波ジュニア新書)

チェルノブイリの真実

(広河隆一氏の写真集)

チェルノブイリと地球

写真記録 チェルノブイリ消えた458の村

原発・核—写真・絵画集成 (2)

1991年「チェルノブイリ安全宣言」発表した重松逸造氏(IAEA事故調査委員長)を糾弾したドキュメンタリー動画(一部文字おこし)

話を戻して、この重松逸造の弟子の長瀧重信が、先日、福島原発事故の安全宣言も出しました。この2人は、アメリカの水爆開発のための研究機関「放射線影響研究所」の責任者でもありました。

弟子の長瀧重信は、先日内閣が発表した「チェルノブイリ事故との比較」の中で非常に重要なことを述べています。

『*チェルノブイリでは、高線量汚染地の27万人は50ミリシーベルト以上、低線量汚染地の500万人は10~20ミリシーベルトの被ばく線量と計算されているが、健康には影響は認められない。例外は小児の甲状腺がんで、汚染された牛乳を無制限に飲用した子供の中で6000人が手術を受け、現在までに 15名が亡くなっている。

政府発表「チェルノブイリ原発事故との比較」がうさんくさすぎる。その理由をわかりやすくより

数値はIAEA調べですから、少ない方をとったものでしょう。その数値でも、20ミリシーベルト以下の被ばく量で6000人が手術を受け、15名が亡くなっていると述べています。

私たちは麻痺をして、死亡者数だけを見てしまいがちですが、6000人の子どもが、喉を切る手術をしているのです。子どもが喉を切る手術をすることを想像するとかわいそうでかわいそうでなりません。

手術をした子どもの姿です。

08 AM)

これがチェルノブイリ事故後、小児甲状腺癌の手術をした跡です。手術して姓名を取り留めた子供たちは、成人してもずっと検査をうけ、国際機関が資料としています。人体実験の代わりです。

以下の動画がこれを伝えています。NHKのドキュメンタリ番組です。

子供たちの被ばく量の上限を年間20ミリシーベルトに引き上げた張本人は誰でしょうか。

一人は、原子力安全委員会の班目春樹です。

最低な男です。

2人目は、文部科学大臣、高木義明です。

16 AM)

この2人が、東日本の子供たちを被ばくさせ、甲状腺がんという危険にさらす、張本人です。

2人は子供たちを守るために一生懸命やってるわけではありません。

ここまでは事実。この先は、筆者のヒューマニズムです。

絶対に20ミリシーベルトを許してはならない。

子供たちを守らなくてはならない。

イヤでしょ。癌になるかもしれないと怯えながら生きている子供たちを見るのは。

この際、筆者は何とでもいいます。

お子さんを持つお母さんはもちろん、お父さんも、子どもが好きな人はみんな、なんだか不安な世の中になってしまうのをなんとかしましょうよ。

筆者はまだ子どもがいないですが、ずいぶん前は子どもでしたよ。

皆さんもみんな、ずいぶん前は子どもだったんです。

こないだ筆者は、飯舘村の住民たちと東電の話し合いのUstreamを見て泣きました。

少女が「私も被ばくしてるんです」とおだやかに東電の人に話しかけていました。

泣かずにはいられなかった。そんな心配を子供たち自身にさせることはかわいそうです。

こんなことが当たり前であってはならない。

だから被ばく上限年間20ミリシーベルトに断固反対すべきです。

文部科学省に電話して抗議するもできるでしょう。

高木義明氏の事務所に電話して抗議することもできるでしょう。高木氏は20ミリを撤回する権限を持つ人です

それでも政府が変わらないと思うなら、全力でとりあえず遠くに逃げましょう。

福島の地元の人は、母親が逃げても白い目で見ないでください。

その他の地域の人はある日、子づれの母親が、町に住み始めても、それとなく察してあげてください。

事業主は母親を雇ってあげてください。

とにかく今は、子どもを年間20ミリシーベルトの被ばくさせないことが、我々日本国の最優先事項です。

福島原発の沈静化も最優先事項ですが、なんといっても子は宝。希望です。

この国の未来がかかっているのです。

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