オーソレ、何それ?

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適当に書きつづります。

「偉大なるローカル企業」トヨタの蹉跌

2010-02-06 23:26:58 | Weblog
日本一の自動車メーカー、トヨタが迷走しています。

昨年、三代目プリウスを発表し、一昨年の低迷から回復基調に転じたのも束の間、欧米ではアクセルペダルの問題、国内では回復の原動力だったプリウスのブレーキの問題が発生し、対応に追われています。アクセルペダルは既にリコールを発表しており、対象車両は800万台を超えると言われています。

トヨタといえば、カンバン方式を代名詞とするそのムダを徹底的に排除する生産方式が日本国内だけでなく、世界の生産現場から規範とされており、書店に行けばトヨタものの本が書棚の何列かを占めています。ただし、よくタイトルと見ると必ずしもトヨタ礼賛ものだけだはなく、「下請けいじめ」、「非正規雇用者いじめ」といったトヨタの闇を告発する内容のものも少なからず見られます。

日本のメーカーは「ケイレツ」と呼ばれる下請け企業による部品供給体制が敷かれています。特にトヨタは2000年からConstruction of Cost Competitivenss 21 (CCC21)と呼ばれる、部品供給業者と一体となった原価低減活動を行いました。元々「乾いたタオルから水を絞る」と形容されるコスト削減を行っているトヨタだけに、この活動は部品供給業者に大きな負担を強いたことが要求されます。ところが昨年末にトヨタは更に部品調達コストを3年間に30%引き下げるとし、系列の部品メーカーに協力を要請したそうです。コストを優先させれば、部品メーカーとしては品質を下げざるを得ないでしょう。最近、「過剰品質」や「適正品質」なる言葉があるそうですが、品質を下げることのエクスキューズに過ぎない、と思います。

最近発生した欧米でのアクセル問題は、米国で調達した部品だそうですので、前述の「系列いじめ」と直接関係はありませんが、海外の部品メーカーは系列メーカーのようにトヨタの言うことを利かないではないかと思います。海外メーカーは品質の維持向上が日本メーカーと比較して難しく、一旦高い品質を達成してもその維持には労力がかかるようです。日本のメーカーと同じ感覚で「価格を下げろ」と言えば、その分品質を下げて納めてくる可能性もあります。プリウスのブレーキの場合は、電子化が進んで中身がブラックボックス化し、品質の確保や安定にはこれまでとは違ったアプローチが必要になる、ということを示唆しています。機械屋とソフト屋がコラボレーションしないと良いものができない、ということだと思います。

トヨタは世界に冠たるグローバル企業ですが、その本質はローカル企業ではないかと思います。もちろんグローバル企業の中でも業種や企業の成り立ちから、グローバルとローカルは企業によって配分が違うでしょうが、トヨタはローカルの比率が高い企業だと思います。新社長が創業家から出たというのも、そこに根ざしているのではないでしょうか。一連の問題とその対応の悪さは、トヨタのローカル企業としての悪い面が出た、と考えています。特に、品質担当の役員の記者会見の応対振りは頂けなかったと思います。何か横柄な印象を与えましたし、顧客をないがしろにしている、と言われても仕方ないでしょう。世界的に成功してしまったローカル企業が奢り高ぶり、墓穴を掘ってしまった、そういう印象がしてなりません。

リコール問題 信頼回復へ土俵際 トヨタ社長会見「品質は生命線」(産経新聞) - goo ニュース


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日本の海外売り上げ (ミュジニー)
2010-02-13 09:17:47
10%程度がトヨタに依存していたと記憶していますが、早いところこの問題を乗り切ってほしいものです...
日本は元々生産ラインに「制約理論」をとりいれていたなど、海外に比べるとコスト的に無駄が無いという話ですがトヨタはコスト管理がとりわけすごかったみたいですね。
うちの会社も最近はコストカットの要請が凄いですが、やりすぎてしまうと士気が下がるというのも事実なのではないかと思います。
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トヨタの品質問題 (o_sole_mio)
2010-02-13 22:22:24
アメリカでは、アクセルペダルに加えて、電子制御システム自体にも問題があるとの報道がありました。
収束するのにもう少しかかりそうですね。
コストカットは本質的な無駄がなければ、短期的な収益性改善効果があるでしょうが、ご指摘の士気を含め長期的に見て逆効果じゃないか、と思います。
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