goo blog サービス終了のお知らせ 

超進化アンチテーゼ

悲しい夜の向こう側へ

さんかれあ 第7話「おさな…なじみ…」 感想

2012-05-18 03:00:33 | ã‚¢ãƒ‹ãƒ¡






今も昔も。





蘭子にとっての敵、ライバルって昔から一人で「ゾンビ」だと思うんです。自分という女の子がいるのに
ゾンビ映画ばっかり観て、ゾンビ系の雑誌ばっかり読んで、千紘の目に彼女は映ってなくて。
それでも肝心な時にはいつも助けてくれるって感じで惚れたんだろうけど
でもあの年代の好きって気持ちって今よりもずっとシンプルですよね。大人になると、
好きって思う前に条件相性云々で考え込んじゃって素直に好きって気分にはなれなくなるから。
だからこそ、子供の時の気持ちっていうのは純粋だし大切なものなんだと思う。
一切打算のない純粋な恋愛感情、側に居たいっていう気持ち。

ところが、大人になってある程度分別が付いた年頃になったにも関わらず
ここでまた彼女にとってのライバルが登場してしまうんですよね。それが礼弥だった訳なんですけど。
大人になればゾンビっ子とキスしたいなんて夢は自ずと覚めていく年頃ですが
その夢が現実のものになってしまった、
更に言えば今の千紘がその夢を維持する為に頑張って努力もしている方向性なので
そう考えるとある種のモラトリアムのお話って捉え方も出来そうですけど
でも、彼女がもしいつか本当に朽ちてしまったとしても、そこに付随する想いは残る訳で
約束された未来だとか自分にとって都合の良い結末に辿り着く確率は相変わらず低いままで
今も昔も「ゾンビ」という概念と存在は半永久的に彼女を悩ます種になってるんだけど。


蘭子が千紘を好きになった理由の一つ・・・まあそんな理由なんて求めるもんじゃないと思うけど
やっぱりそんな「振り向いて欲しい」「振り向かせたい」って思いや感情も往々にしてある気がして。
一つの意地って言うか、彼女の人生に於ける一つのテーマでもありますよね。
あそこまで諦めだとか意地が悪いと。
でも、いくら礼弥を本当の意味で幸せに出来るのは千紘だけだって思っていても
蘭子は蘭子で千紘を振り向かせる、相手から好きになってもらうっていうのが目標の一つなのは明らかなので
そう考えると蘭子も蘭子でこの物語でくっ付くに値する存在理由のあるキャラだなあ・・・とか思えて。
でも、単純に意地云々以上に純粋な気持ちも当然の如く付随はしているだろうし
生半可な描写じゃ感情移入の隙間すら開かないだろうって思ってたけど
今週観てたら普通に蘭子に感情移入してる自分もいたりなんかしてね。その辺はすっごく上手いなっていうか
やっぱ丁寧な作品だなあ、って実直に思いましたね。丁寧過ぎるのでまどろっこしさも感じるかも
でも詰め込みすぎて破綻するよりはスローペースでも丁寧な作品のが好きなのだ。
キャラの掘り下げに関しては定評のあるアニメなだけに
個人的には相当に気持ち良く作品世界に浸る事の出来たお話でした。それでも諦めない蘭子が好きです。
届かなくても、伝わらなくても、精一杯気付けしてノックし続けるその姿勢に勇気を貰える。
って思うと彼女も彼女でまた逞しいキャラなんですよね。
これでダブルヒロインの魅力のバランスが整った気がしてその意味でも良かったですね。

それにしても子供時代の千紘って普通に可愛いね(笑)。
今現在のスレっぷりが嘘のように無邪気で含みの無い表情の数々
その幼少時代の描写もいちいち洗練されてて本当に良かった・・・!
言い過ぎかもしれませんが、日本のアニメを好きでいて得したなって思いました。
こんな素敵で心のこもったお話を観れるのだから。面白かった。







じゃじゃ馬や野次を受け流す千紘にいちいち反応するのも、
それもまた「自分を見て欲しい」っていうサインなんでしょうね。
画面からそれが伝わって来る秀逸な一話でした。絶品。





最新の画像[もっと見る]

コメントを投稿