超進化アンチテーゼ

悲しい夜の向こう側へ

花咲くいろは 第11話 「夜に吼える」 感想

2011-06-12 22:50:32 | ã‚¢ãƒ‹ãƒ¡






なにも変わらず、誰にもわからすこともできず。





今回は・・・言葉すらも出ません。
ここまで無力感が前面に押し出された回は初めてではないでしょうか。
今までそれなりに上手くやってきた緒花の完璧な挫折。
それは自分の日常生活にも通じるもので。


そもそもが良い仕事をする、って行為とそれがいい評価に繋がるっていうのは
決してイコールにはならないと思います。
それに関してはそこそこ上手くお客さんにも通じてたと思うけど
今回は上からの
何の関係もない場所からの圧力でそれが台無しになった形になった。
関係のないといっても緒花の母親、皐月の記事ではありますが
彼女はあの旅館に訪れてさえいない訳で
言ってみればウソ記事ですよ。
だからこそ緒花はそれが許せなくて、汚い大人が許せなくて、それを変えようと思って。

でも、そんな汚い手で彼女が守られて
ここまで生かされて来たのもまた事実なんですよね。
皐月さんのあの目からは
自分にはそういう生き方しか出来ない、っていうある種の諦めを感じました。
きれいなままでは守れない娘、小さな光
だからこそどんな手を使ってでも彼女を守ろうとした。
その結果が皮肉にも彼女を追いつめるハメになった訳なんですが
それに対してどうしてやることも出来ず。
今更手なんて洗っても仕方がないじゃないですか。
汚れなんて、そんな簡単に落ちるもんじゃない。それこそ長年染み付いた、落とそうとしても落ちない汚れ。

だからこそ緒花には頑張って欲しい・・・!と思うんですけど
今の彼女は大きな挫折でそれどころじゃない。
どんなに頑張っても
どんなに動いても
どんなに口に出しても伝わらない思い。理不尽な評価を変えたいと思っても
誰かに自分たちのしてきた仕事を伝えたいって思っても
そこには決して乗り越える事の出来ない壁がある。
自分の限界を知ってしまった。
「分からないよ」ってのは
誰もが通る道ですよ。実際分からないことだらけだと思う。
そんな折に考ちゃんの陰にチラつく女性の存在を意識してしまって
ますます自分の存在がなんなのか、自分が何をすべきなのか、又は出来るのかが分からなくなってしまった。

そういういくつもの負の要素が
緒花を徹底的に追いつめて
最後は思考停止状態にさえなってしまった。
「諦めたい」とすら感じたのではないかと思う。
そんな間違いなく「下げ」の部分に当たるエピソードは非常に容赦のない形で描かれて
視聴者の心に感情にとても作用する話になっていたのではないでしょうか。
実際自分がそうで、結構に動揺したし、無力感もシンクロしまして。
「痛み」だらけの傑作エピソードだったと思います。


しかし相変わらず緒花はもがいてるし、転がり続けてますね。
自分ひとりで
誰にも頼らず反抗を続けたり
自分の過ちに気付いて自らを責めたり
余裕も隙間もなくあるのはただひたすらな焦燥感だけで。
考ちゃんっていう最後の後ろ盾も結局は失くしてしまいそうで。
そんな状況でひたすらにあがく
その姿は皮肉にも美しくすらありました。

達観して、今までのお客さんに評価されればいいと考えてる、と思われるスイさん。
汚い仕事でも、娘を守れるならばと考える皐月。
その意識を緒花が変えられるって事はあるのか。
ここで一回挫折を味わったからこそ
また体勢を立て直して、再び頑張って、吼えて欲しいって思います。来週も厳しそうですけどね。





久々に感情が大きく揺さぶられた気がします。ここ数週やたら神懸かってますね。
がむしゃらに無防備に頑張る緒花の姿に心打たれまくって
泣きそうにもなる。個人的に今期のベストヒロイン、ベスト主人公だと思います。




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