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イヤな時代……それは、自由にモノが言えない時代である。
加藤紘一氏の自宅全焼事件は、「靖国神社」「アジア外交」「歴史認識」について、ほぼ中庸と思われるような発言を封じようとする圧力がこの社会に生まれ始めていることを示している。8月15日という鎮魂の日の朝に、九段の森の空にヘリコプターが轟音をまき散らす中で、口をへの字に結んだ小泉総理が参拝に向かった。
加藤さんはテレビで落ち着いた調子ながら、この小泉参拝を批判し続けた。そして、夕刻に山形県の生家で強い炎が家屋を包んだ。

小泉総理がまだ「ただの変人」だった頃、「YKK」(山崎拓・加藤紘一・小泉純一郎)のトリオが節目ごとに語られる時代があった。一匹狼だった小泉代議士の政治的発言の貴重な場だったはず。小泉総理の15日の激昂した記者会見では、盟友だった加藤氏までもが「いつ行っても批判する勢力」と見えたのだろうか。小泉総理には自らの言動と、昨夜の加藤氏の受難を結びつけて考えられる想像力はないだろう。いつも、自分、自分,自分中心主義で、ガリレオとは逆の政界天動説を地でいくパーソナリティだ。こうした時、かつての盟友への心のこもったお見舞いの言葉が聞きたい。

小泉政治は人心を荒廃させる。どの時代にも言論を否定して力を信奉する人たちはいる。しかし、15日の総理記者会見はひどい与太話だった。中国・韓国が反対しているから、あえて15日に行くんだ。どうだ、文句あっか---という挑発姿勢に少なからぬ人々が世論調査で賛成の声をあげている。単純だし、わかりやすい。私は、小泉構造改革を検証する作業を続けるほどに、驚きあきれるほどの対米追従姿勢と「売国的」政策に向き合う。

次の内閣の最優先課題は、教育基本法と共謀罪と聞いている。わかりやすく言えば、「教育勅語」と「治安維持法」だ。人間の心に手をつっこんで、愛国心を育て、互いに密告しあって統治権力へのロイヤリティーを高めようとする共謀罪。
火の消えたような自民党総裁選で、このふたつの法案を各候補がどう語るのか問いただしていく必要がある。







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