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Biz/Zineプレス

野中郁次郎の理論が世界のITエンジニアに受け入れられる理由

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日本の製造業の研究からイノベーションの本質を解き明かした「知識創造理論」や日本軍の敗戦の過程の共同研究「失敗の本質」で知られる経営学者、野中郁次郎氏は企業の経営者に大きな影響を与えてきた。しかし、野中氏が世界のITエンジニアに影響を与えていることはあまり知られていない。80年代の野中氏と竹内弘高氏の論文から「スクラム」というソフトウェア開発の方法を生み出したジェフ・サザーランドが近く来日することを機に、その流れを紹介したい。

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なぜ野中理論は事あるごとに話題になるのか

「都庁は敗戦するわけにはいきませんから」
 そう語って小池百合子東京都知事は、『失敗の本質―日本軍の組織論的研究』を、就任早々の会見で自身の座右の書として紹介した。このニュースがメディアに流れると、書店には小池氏推薦という触れ込みで、同書がベストセラーコーナーに積み上げられた。
 『失敗の本質』は野中氏を始め複数の研究者による共著であるが、この本を野中氏の代表作として受け止めている企業人や経営者も多い。真珠湾攻撃からミッドウェー海戦までの検証を通じて分析されたこの本から、日本の組織・集団が持つ問題が教訓として得られるからだろう。

『失敗の本質―日本軍の組織論的研究』 (戸部良一,寺本義也,野中郁次郎,他、中公文庫) /知識経営のすすめ(野中郁次郎/紺野登 ちくま新書)
『失敗の本質―日本軍の組織論的研究』 (戸部良一,寺本義也,野中郁次郎,他、中公文庫) /知識経営のすすめ(野中郁次郎/紺野登 ちくま新書)

 「あいまいな戦略目的」、「過去の成功体験への固執」、「権威主義と現場への無理解」、「戦力の逐次投入」、「情報共有の不在」、「精神主義と空気の支配」などこの本に書かれた内容を整理する解説書や記事も多い。

 東日本大震災とその後の原発事故への政府の対応、東京五輪や豊洲への移転などの「失敗」は何度も反復される。皮肉なことに、野中氏の言葉を借りるなら「実践知」(フロネシス)として活かされていないともいえるだろう。
 é‡Žä¸­æ°ã¯ã€ä»¥å‰ç¿”泳社主催のイベントのパネルディスカッションの中でこう語った。
 
「副業の研究で出した『失敗の本質』は売れたんじゃが、本業の知識創造理論の本は売れんのじゃよ(笑)」
 
 もちろんこれは聴衆のつかみのためのジョークであり、『知識創造企業』や『知識経営のすすめ』など経営書のロングセラーも数多い。そして野中氏の理論の真骨頂は組織の知識創造を論じたイノベーションの理論である。そして企業のイノベーションの必要性が語られる中で、野中氏の理論はあらためて注目されている。

イノベーションの実践論として野中理論を導入する

野中郁次郎 一橋大学名誉教授
野中郁次郎 一橋大学名誉教授

野中氏の知識創造理論とは、企業が直面する外的変化に対応するため、組織の内外に存在する知識を活用し、ダイナミックに変化していくための理論であり、その方法論化がSECIモデルである。この知識創造理論が最近では、「オープンイノベーション」の気運の中でも見直されている。

  しかし野中氏の理論が米国始め世界のITエンジニアの現場に大きな影響を与えていることについては、一部のIT関係者以外にはあまり知られていない。それが「スクラム」である。
 
かつてアメリカのIT産業のリーダーたちは、80年代に「ジャパン・アズ・ナンバーワン」と評された日本の製造業に学ぼうとした。トヨタ生産方式(大野耐一)や日本の経営学の理論に着目し、その中で見出されたのが、米国の『ハーバード・ビジネス・レビュー』誌に載った野中・竹内論文だったのだ。

私たちチームはすぐに半年ほどかけて、チームの組織づくりと製品に関する論文や本や記事を読んでいった。そしてある日一人の開発担当者の目にとまったのが、1986年に『ハーバード・ビジネス・レビュー』誌に掲載された、二人の日本人経営学者、野中郁次郎と竹内弘高の論文だった。タイトルは「新たな新製品開発競争(The New New Product Development Game)」といった。両氏は、ホンダ、富士ゼロックス、3M、ヒューレット・パッカードをはじめ、生産性の高い革新的な世界の企業を挙げて分析した。論文は、NASAに代表される段階的なプログラム開発、すなわちウォーターフォール方式には根本的に欠けているものがあると指摘した。(『スクラム』ジェフ・サザーランド より)

 スクラムとは、IT産業の開発の現場で効果的にソフトウェア開発を進める手法としてジェフ・サザーランドとケン・シュエイバーが1990年代に考案した開発の実践方法だ。それまでのウォーターフォール型と呼ばれる方式は、プロジェクトを各工程に段階的に分けて、仕様書というドキュメントで伝達しながら作るというもの。これに対して、スクラムは各工程を短い期間で並列に行い途中での修正や変更を加えながらおこなっていく「アジャイル開発」というソフトウェア開発手法のひとつだ。ウォーターフォールが詳細に作り込まれたガントチャートに従って計画管理するのに対して、スクラムはスプリントと呼ばれる短い期間や単位や、小さなチームに分けてプロジェクトを進めていく。
 製品開発において直線的な開発手法ではなく、ラグビーのスクラムのように選手が一丸となり、かつそれぞれが自律的に動いていく様子から名づけられた。

サザーランド・野中氏の出会い

『アジャイル開発とスクラム』(平鍋健児, 野中郁次郎 翔泳社)/『スクラム』(ジェフ・サザーランド 早川書房)
『アジャイル開発とスクラム』(平鍋健児, 野中郁次郎 翔泳社)/『スクラム』(ジェフ・サザーランド 早川書房)

野中氏は、2010年のアジャイルのエンジニアイベントに登壇した。
その後出版された『アジャイル開発とスクラム』(平鍋健児 野中郁次郎 翔泳社)の中で、その時の様子を野中氏はこう述べている。

2010年、「アジャイルジャパン」というコミュニティによるカンファレンスで、私ははじめてソフトウェア開発者たちの前でスクラムの講演をした。私の言葉は彼らに届くのだろうか、という不安を私自身が抱えて。しかし、その不安はまったくの杞憂であった。そこでは、若い日本のエンジニアやリーダーたちが集い、目を輝かせて最新のソフトウェア開発手法について議論をしていたのだ。それは技術的な議論だけではなく、人と人との協調、共感といった感情面も含めた、チーム作りや組織作りにまで及んでいた。そして、彼らは正解を学んでいるのではなく、新しいコンセプトを使って、自分たちのやり方を形作ろうとしているように見えた。まさに、私たちが「スクラム」という言葉で呼んだ共感と共振がそこにはあったのだ。(『アジャイル開発とスクラム』 平鍋健児 野中郁次郎 より)

 その後2011年の1月、ジェフ・サザーランドが来日し、ソフトウェア開発者向けのカンファレンス「イノベーションスプリント2011」が開催され、この時両者の歴史的な邂逅が行なわれた。両者と通訳者の平鍋健児氏はこの時、イノベーションをめぐって活発な意見交換をおこなった。

 その邂逅から6年がたった現在、スクラム、そしてその源流であるアジャイルという考え方は、少しづつ浸透してきた。来る2月15日、ジェフ・サザーランド氏が再来日し、二人が基調講演をおこなうイベント『Digital Innovation Leadership ~ビジネスを創造する組織戦略~』が開催される。

 組織やプロセスを小さな規模に分割し、顧客や市場からのフィードバックを反復しながらチームとして進めていく手法は、開発だけではなくマネジメントや製品開発にもつながる。今の潮流ともいるリーン・スタートアップ、顧客開発、デザイン思考などには、イノベーションを継続的に生み出していこうという共通の発想がある。

 今回の6年ぶりの野中・サザーランドの両氏の共演は、エンジニアだけではなく、経営者やビジネスパーソンにも有意義なものになるだろう。

◎無料セミナー
Digital Innovation Leadership~ビジネスを創造する組織戦略~
2017.2.15(水)14:00~17:55 企業交流会 18:00~19:30
[開催場所] ウェスティンホテル東京 参加無料(定員になり次第締め切り)

◎有償セミナー
「認定スクラムマスター研修」「認定スクラムプロダクトオーナー研修」


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