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競争優位性を構築する組織カルチャー変革

非連続的な変化を常識にしていく──レゾナック髙橋CEOと今井CHROに聞く、組織文化変革の今と未来

ゲスト:レゾナック・ホールディングス 髙橋秀仁氏、今井のり氏(後編)

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 アイディール・リーダーズ株式会社 CCO(Chief Culture Officer)の宮森千嘉子氏をホストに、組織文化変革の鍵となるCQ (Cultural Intelligence Quotient:カルチュラル・インテリジェンス指数)を紹介する本連載。株式会社レゾナック・ホールディングス 代表取締役社長 最高経営責任者(CEO)の髙橋秀仁氏と同社 取締役 最高人事責任者(CHRO)の今井のり氏をゲストに迎えた今回の前編では、経営統合によって生まれた新組織にパーパスとバリューに基づく企業文化を根付かせようと尽力する背景と、両者がタッグを組んで社員の自律を促す取り組みについて聞きました。続く後編では、日本人が苦手とする自律の力をいかに育てていくか、現在の進捗と将来の見通しが語られました。

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多様性の意味をデータ交えて伝える

宮森千嘉子氏(以下、宮森):前編では、社員の自律を促すために、髙橋さんと今井さんが直接社員と接し、段階的な変革を起こしているというお話を伺いました。

 自律というのは、日本人にとって怖いことだと思います。なぜなら、日本は世界で最も不確実性を嫌う文化を持っています。それに加えて、ゴールを達成しようとする意識が非常に強い。この2つの要素がここまで強い国は他にありません。その結果、「勝たなければいけない」「負けてはいけない」「間違えてはいけない」というプレッシャーの中で戦うことになり、活力を失い、幸せを感じにくくなってしまうのではないでしょうか。

今井のり氏(以下、今井):そうですね。役割意識や「秩序を乱してはいけない」という意識が非常に強い国民性があります。そのため、自律して尖った考え方を持つ人は組織の中で邪魔者扱いされることが多いのです。しかし、そういった人たちこそ、実は組織を活性化する力を持っているんです。このことを社員に理解してもらうというフェーズに今、私たちは取り組んでいます。

宮森:その理解を得るのは難しいと感じる方も多そうですね。

今井:ええ、多いです。でも、「彼らが組織にいる意味はこういうことだ」「多様性とはこういうものだ」とデータを交えて伝えていくんです。多様性というのは、ジェンダーだけではありません。思考のダイバーシティも含まれます。そのような説明をしたり、ワークショップを実施したりすることで、少しずつ理解が広がってきました。

髙橋秀仁氏(以下、髙橋):FFS(Five Factors & Stress)理論を使って経営陣のタイプをマッピングしたものを公開したのは効果的でした。

出所:株式会社レゾナック・ホールディングス「『RESONAC REPORT 2024』内、『経営陣"チーム髙橋"』」
クリックすると拡大します

 この図で右上に位置する人たちは、「出る杭」として打たれやすいタイプです。しかし私たちは、そういう人たちが活躍できる組織を目指しています。一方で、「全員が右上のタイプだと会社が潰れる」ということも伝えています。逆も然りで、お互いにできないことをフォローし合えるからこそ、組織が成り立つんです。それが多様性と役割分担の重要性だと思います。

今井:こういった関係性をデータで可視化することで、多様性に対する納得感が生まれてくるのではないかと考えています。

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やつづかえり(ヤツヅカエリ)

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