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再現性のあるイノベーション経営の型

両利きの経営に必須となる「イノベーション・マネジメント・システム」とリード人材である「IMP」とは?

ISO56001発刊記念セミナーレポート【前編】

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 2024年10月25日、イノベーション・マネジメント・システム(IMS)ISO56001の発行を記念して、イベントが都内で開催された。本イベントでは、IMSとISO56001の概要、導入プロセス、そして海外先進事例を通じて、企業がイノベーションを組織的かつ持続的に管理するためのヒントが共有された。現代の企業には、カリスマ的なリーダーや突発的なアイデアを待つだけでなく、システム的に新しい価値を創造し、組織としてイノベーションを実現することが求められる。今回発行されたISO56001は、そうした次世代の経営の新たなスタンダードとして注目されている。本記事では、IMSが日本企業にもたらす変革の可能性と課題について、イベントの内容をレポートする。

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イノベーション・マネジメント・システムへの誤解

 イベント冒頭、Japan Innovation Network(JIN)代表理事の紺野登氏が、IMS(イノベーション・マネジメント・システム)やISO56000シリーズにある誤解、産業界への影響を語った。

 紺野氏は、イノベーションの本質は「新しい価値の創造とその実現」であり、単なるアイデアに留まらず持続的に成果を生むことが必要だとした。さらに、同氏は日本企業がイノベーション推進で抱える課題として、属人的で短期的な活動の限界やトップ交代での断絶、専門家不足、長期視点での構想の欠如などを指摘した。

 また、「古い組織やシステムに新技術を追加するだけでは、非効率な上にコストがかかる体制にしかならない」と指摘し、新しい経営OS(オペレーティングシステム)の上で新しい技術やデザイン思考などの手法をアプリケーションとして動かすといった「体系的な経営レベルでのアプローチ」が求められていると話す(図)。これはDX実現のためにも通ずる視点である。

画像を説明するテキストなくても可
システム更新がなければ高コスト組織に:クリックすると拡大します

 そうした経営システムの更新という需要に答えるべくIMSとその国際規格であるISO56001が結実したといえる。

ISO56001
IMSに56001のフレームワーク:クリックすると拡大します

 とはいえ、IMSの導入は必ずしも一筋縄ではいかない。重要なのは個々の企業の文脈に合わせ、既存プロセスや文化とIMSを統合しつつ刷新することだ。そのため、トップが明確なビジョンを持って変革を推進することが不可欠だと同氏は強調する。そこではじめて、IMSによって孵化(ふか)期間からスケール化までのイノベーション経営を実践できるようになる(図:イノベーション・マネジメント・システムの役割)。

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意図が価値を生み出すシステムとしてのIMS:クリックすると拡大します
画像を説明するテキストなくても可
イノベーションの課題を全体として把握:クリックすると拡大します
画像を説明するテキストなくても可
システムでイノベーションを起こすという視点:クリックすると拡大します

 IMSは、グローバルに通用する共通基準、そして共通言語として、大企業の組織変革を支える役割を今後担っていくに違いない。そのためにも、JINは国内外組織との連携でISO56000シリーズの普及活動を進め、各組織に適したカスタマイズをした事例を増やしていく予定だと語り、同氏は講演を締めくくった。

紺野登
一般社団法人 Japan Innovation Network(JIN) 代表理事 紺野登氏

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雨宮 進(アメミヤ ススム)

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