音楽教室でJASRAC管理楽曲は「演奏」されているのか。
ヤマハ音楽振興会が運営している「ヤマハ大人の音楽レッスン」は、どんなことをやるのかを動画で説明しています。
例えば、エレキギターについてはこれ、ドラムについてはこれです。
これを見ると、果たして、これらの授業において、JASRACが信託譲渡を受けている「音楽著作物」が「演奏」されていると言えるのかに疑問を持ってしまいます。仮に、ここで生徒さんが演奏するのが、特定のJASRAC管理楽曲における特定のアーティストによる特定の音源ないしライブでの実演とほぼ同じ内容だったとして、そこまでJASRACは管理しているのだろうか、ということです。ドラムをどう叩くのか、エレキギターにおいてどのように弦を抑え、はじくのかということまで作曲家が決めるというのは、ポピュラーミュージックにおいては通常形態ではない以上、作曲家の権利について信託譲渡を受けているにすぎないJASRACは、そこまで専有する権限を持っていないのではないかということです。
実際、ある楽曲のある音源におけるドラムが格好いいからこれを勉強したいということで、特定のCDに収録された楽曲におけるドラム譜を教材にした場合、ドラマーはそのドラム譜についてJASRACに何の信託譲渡もしていないので、仮に音楽教室が許諾料をJASRACに支払っても、そのドラマーには何も還元されないんですよね。
そう考えると、ボーカルが入るなど主として主旋律が使用されている例外的な場合を除けば、音楽教室においては、そもそもJASRACが信託譲渡を受けている音楽著作物は「演奏されていない」といえるのではないかという気がします。
Posted by 小倉秀夫 at 07:10 PM dans au sujet de la propriété intellectuelle | Permalink
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