環境保護団体「グリーンピース・ジャパン」メンバーによる鯨肉窃盗事件で、青森地裁は１５日、窃盗と建造物侵入の罪で起訴された佐藤潤一（３１）、鈴木徹（４１）両被告の保釈請求を認めた。保釈保証金はそれぞれ４００万円で２人とも納付した。青森地検は準抗告を申し立てたが、地裁は棄却した。　弁護側は１４日、逃亡、証拠隠滅の恐れはないとして、２人の保釈請求をしていた。

環境保護団体「グリーンピース・ジャパン（ＧＰ）」メンバーによる鯨肉窃盗事件で、青森県警と警視庁に逮捕されたＧＰの海洋生態系問題担当部長、佐藤潤一容疑者（３１）らが青森市の宅配便配送所から鯨肉が入った荷物を盗み出した際、関係者とみられる英国人男性が同行していたことが２１日、分かった。　ＧＰ側はすでに、捜査当局に対し、英国人男性を来日させて青森に同行した−などとする上申書を提出している。捜査当局は鯨肉の持ち出しが組織的に行われた可能性があるとみて、パソコンなど家宅捜索の押収物の分析を進め、同行の目的やＧＰとの関連などを調べている。　上申書は佐藤容疑者らの逮捕以前に、青森県警などに提出されていた。　同県警は２１日、窃盗容疑などで佐藤容疑者ら２人を青森地検に送検。調べに対し２人は「調査捕鯨船乗組員による鯨肉横領の証拠を確保するため持ち出した」と供述しているという。

グリーンピース・ジャパン事務所の捜索に入る青森県警の捜査員ら＝20日午前8時40分、東京都新宿区西新宿（川口良介撮影） 環境保護団体の「グリーンピース・ジャパン（ＧＰ）」メンバーが、日本の調査捕鯨船「日新丸」の乗組員の荷物を盗んだとされる事件で、青森県警は２０日、窃盗容疑などで、GPジャパン幹部の佐藤潤一容疑者（３１）ら２人を逮捕した。反捕鯨活動の一環で横領を告発した行為は、逆に国際的な団体をめぐる刑事事件に発展した。　他に逮捕されたのは、メンバーの鈴木徹容疑者（４１）。　調べでは、２人は４月１６日、「西濃運輸」青森支店の配送所に無断で侵入。鯨肉が入った段ボール１箱を盗んだ疑い。　関係者によると、盗まれたのは日本鯨類研究所から委託を受け、調査捕鯨船「日新丸」に乗船していた「共同船舶」社員の荷物。寄港後の４月１５日に東京から北海道の自宅に向けて発送されたが、翌１６日に経由地の青森支店に到着し