二件の殺人事件の犯人として捕らえられた羽賀竹男は、事件とは無関係であった「梅田義光」を首謀者に仕立て上げる嘘の供述をした。羽賀の供述に従って逮捕された梅田は、身に覚えのない犯罪で実刑判決を受けてしまう。 冤罪(えんざい)とは、無実であるにも関わらず、犯罪者として確定されてしまう場合を言う。そのまま「その無実の人」が、実刑判決を受ける場合もある。 真犯人が巧妙に、特定の誰かを犯人に仕立て上げるために小細工をし、警察や検察がそれに引っかかってしまう場合や、捕らえられた犯人が「実行犯は俺だが、首謀者はあいつだ。」と、自分の罪を少しでも軽くしようとして無関係な人間を首謀者として訴えたり、それによって逮捕された無実の人間が、警察側からの自白強要の拷問から逃(のが)れたいがために、やってもいない犯罪を「やった」と自白するなど、様々な要素から冤罪(えんざい)は生まれる。 ▼二件の殺人事件 昭和25年10