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審査担当者は長らく、肩身の狭い思いをしてきた。リーマン・ショックの影響が収まらない2009年12月、中... 審査担当者は長らく、肩身の狭い思いをしてきた。リーマン・ショックの影響が収まらない2009年12月、中小企業金融円滑化法が施行された。これは窮境状態にある企業に金融機関がとどめを刺すことを戒める法律で、返済猶予の件数報告が義務化された。これ以降、企業倒産は減少をたどった。若手社員は倒産現場に遭遇することが減り、口うるさい「審査部」はともすれば厄介者扱いされた。ベテラン審査マンの定年後は補充がなく、審査体制は規模縮小、他業務との兼務となった審査部も少なくない。 審査部“冬の時代”とも言うべきだが、ゼロ金利による超金融緩和と歴史的な倒産減少の下では大きな問題は生じなかった。ところが、コロナ禍で様相が一変した。さもサイレントキラーかのように。 ある企業の審査担当者は、「回収不能が目立ってきた。だが、目利き力のあるベテラン審査担当者は引退し、与信管理の甘さに慣れた環境を変えることは難しい」と自嘲気