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なにかにつけて「国民の命と財産を守るのが政治の使命」と繰り返し、危機への対応能力をことさらに強調... なにかにつけて「国民の命と財産を守るのが政治の使命」と繰り返し、危機への対応能力をことさらに強調したのが安倍元首相の特質だった。と同時にかつての民主党政権には憎悪を露あらわにした。「悪夢」とまで罵(ののし)って。 前者については、そのメッキは剝(は)げたといえるだろう。まさに人びとの命と財産が危機に瀕した感染症のパンデミック下、安倍政権は無残な対応に終始した。しかも危機の只中、元首相はまたも体調不良を理由に政権を投げ出す。持病の悪化ならやむを得ないが、実際に病状がどれほど深刻だったか、私たちはいまも明確に説明されていない。 一方で後者は、その言説が多くの人びとに刷りこまれたままなのではないか。考えてみれば安倍政権が長期の「一強」体制を維持したのも、戦後初の本格的政権交代を成し遂げながら「失敗」と総括された民主党の蹉跌(さてつ)によるところが大きい。その後に民主党は四分五裂し、野党が多弱状態
2021/10/25 リンク